ダイエットに最適の筋トレは?おすすめの筋トレ5選

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はじめに

ほとんどの方が一度は経験したことのあるダイエットですが、その方法はジョギングやウォーキング、筋トレなどの運動療法、糖質制限や置き換えダイエットなどの食事療法を中心に数えきれないほどあります。

食事療法はダイエットを続ける限りずっとその食事を続けなければリバウンドしてしまうものがほとんどですが、筋トレダイエットは身体に筋肉をつけることによって今までと同じ生活でも消費されるエネルギー量を増やすことのできるダイエットですので、一度筋肉をつけてしまえば、比較的維持することが楽なダイエット方法です。

そこで今回は、筋トレダイエットのメリットやポイント、ダイエットに効果的な筋トレをご紹介します。

筋トレダイエットのメリット

筋トレダイエットにはダイエット効果のほかにも身体にとってプラスになることがたくさんあります。

■基礎代謝アップ
「基礎代謝」とは、一日中寝て過ごしても呼吸をしているだけで消費されるエネルギーのことです。
一般的に子どもから成人になるにつれて基礎代謝量は上がり、中年以降から徐々に減っていきます。
基礎代謝量には個人差がありますが、その大きな要因として筋肉量があります。
筋肉量が多い人は、基礎代謝によって消費されるエネルギーが筋肉量の少ない人よりも多くなります。
よって筋トレダイエットを行って筋肉を増やすことで、同じ生活をしていても消費されるカロリーが増え、太りにくい体質をつくることができます。

■冷えやむくみの改善
筋肉が増えると、筋肉が収縮や弛緩をすることによってその周りの血流やリンパの流れがよくなります。
結果として、女性の大敵である冷えやむくみといった問題を改善することにつながります。

■膝や腰など関節痛の予防・改善
膝や腰など関節の周りにはそれを支える筋肉があります。
それらの筋肉をつけることで関節への負担を減らすことができるため、変形性関節症や使いすぎによる関節炎を予防することができます。

■運動不足による筋力低下の予防
生活が便利になっている現代では、運動不足になってしまっている方が多くおられます。
若いうちはそれでも不自由を感じることはないかもしれませんが、どんな方も中高年から老年になると筋力が低下してきます。
筋力が低下すると階段昇降が困難になったり、ちょっとした段差でつまづくなどといったことが起こってきてしまいます。
筋トレダイエットを行うことで、そういった健康に生活するために必要な筋力を維持、改善することができます。

ダイエットにおける筋トレのポイント

筋トレダイエットを効率よく行うためのポイントをご説明します。

■大きな筋肉を鍛える
筋トレダイエットの原理は、筋肉量を増やして代謝を改善し、太りにくい身体をつくることです。
そのためには、体積が大きくエネルギー消費の多い筋肉を選択して優先的に鍛えることが効果的です。
全身の筋肉の中で大きな筋肉は比較的下半身に多く、お尻や太ももの筋肉、また腹筋や背筋といった体幹部の筋肉を鍛えることが効果的です。

■体幹部を鍛える
体幹部とは胸からお腹、背中から腰といった胴体部分のことをいいます。
体幹部の筋肉は体積が比較的大きいことだけでなく、特別な運動を行わなくても、立ったり座ったりと姿勢を保持しているだけでも使われる筋肉です。
また、身体の中心である体幹部の筋力がしっかりしていることで身体が安定しやすくなり、手足の力も入りやすくなります。
手足の筋肉を効率的に鍛えるためにも、体幹部の筋トレは大切な要素になります。

■引き締めたい部分の筋肉を鍛える
ダイエットというと、体重や体脂肪率といった数字の面も気になりますが、同時に多くの方が気になっていることとして、お腹やお尻、太ももや二の腕といった部位のたるみもあるのではないでしょうか。
全身の筋肉をまんべんなく鍛えることもよいですが、ご自身が引き締めたいと思っている部分の筋トレを行うことで体重などの数字以上に見た目に変化が現れ、より早く目標とする体型に近づけます。

ダイエットにおすすめの筋トレ5選

筋トレダイエットのポイントを押さえたうえで、おすすめの筋トレをご紹介します。

■腹式呼吸
腹筋トレーニングの基本です。
コルセットのようにウエストライン全周にわたって走行しており体幹部を安定させる働きを持つ「腹横筋」を収縮させます。
一般的に筋トレのように大きな力は使いませんが、ウエストダウンにはとても効果的な筋トレです。

1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。
2. 両手はお腹の動きを感じやすいように下腹部に軽くあてておくようにします。
3. 3秒かけて息を吸い込みながらお腹を膨らませ、5~10秒かけてゆっくりと息を吐きだしながらお腹をへこませます。
4. お腹をへこませるときに肩や胸に余分な力が入らないように気をつけながらこの呼吸を続けます。

■トランクカール
腹筋群の中で最も表層にあり、お腹の中心に走行している「腹直筋」を中心に鍛える筋トレです。
多くの女性が気にしている下腹の引き締めに効果的で、しっかり鍛えると男性憧れの「シックスパック」と呼ばれるお腹の割線もみられるようになります。

1. 両膝を立てて仰向けに寝て、両手は胸の前や頭の後ろに組むか、太ももの上に置きます。
2.息を吐きながらおへそを覗き込むように頭、肩甲骨の順番にゆっくり上げます。
3.おろすときは反対に肩甲骨、頭の順番にゆっくりおろしていきます。

身体を起こすときは腹直筋の上部から下部の順番で、おろすときは下部から上部へ収縮している意識をするとより効果的です。

■スクワット
お尻の筋肉(大殿筋)、太ももの筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングス)、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を中心に下半身の大きな筋肉全てにバランスよく効く筋トレです。

1. 背筋を伸ばして立ち、両足は骨盤の幅に開き、つま先は進行方向かやや外向きにします。
2. 手は胸の前か身体の後ろに組む、もしくは身体の横に沿わせておきます。
3. 足関節、膝関節、股関節を全て同じくらい曲げるようにしながらゆっくりと重心を落としていきます。
4. ハーフスクワットでは膝が90度程度に曲がるところまで、フルスクワットでは太ももが床と平行になるところまで重心を落としたらゆっくりと重心を上げて元の体勢に戻ります。

■ブリッジ
背部の筋肉とともにお尻の筋肉を鍛えられる筋トレです。
ヒップアップにも効果的です。

1.両膝の間を拳一個分ほどあけて、両膝を立てて仰向けに寝ます。
2.息を吐きながら肩から膝が一直線になるまでゆっくりとお尻を持ち上げ、3秒静止したらゆっくりとお尻を下ろす動作を10~20回繰り返します。

お尻があがりにくい方や腰痛のある方は無理のないところから始めて徐々に上がるようにしていきましょう。
お尻を上げすぎて腰が反ってしまうと腰を傷めるおそれがありますので注意してください。

■腕立て伏せ
腹筋や背筋などの体幹の筋肉に加え、上腕二頭筋や上腕三頭筋など腕の筋肉が鍛えられる筋トレです。
肩甲骨周りも引き締められるので背中のたるみが気になる方にもおすすめです。
また、腕の筋肉は下半身の筋肉に比べると体積は小さいですが、下半身ばかり筋トレを行うとアンバランスになってしまうので全身のバランスをとるためにもよい筋トレです。

1.肩の真下で、肩幅よりも拳二つ分広げた幅で両手を床につきます。
2.足は骨盤の幅にして、膝を伸ばしてつま先だけが床につくようにします。
3.身体を横から見たときに肩から足首までが一直線になるようにし、腰が反ったり曲がったりしないようにします。
4.3までのポジションがとれたら、ゆっくりと肘を曲げ、身体を下ろしていきます。
5.身体や顔が床につく手前まで下ろしたら、ゆっくりと肘を伸ばして元のポジションに戻ります。

肩甲骨や肩関節、肘関節は連動して動きますが、背中や腰(体幹部)はまっすぐ保たれていることが基本になりますので、反ったり丸まったりしないように気をつけましょう。
筋力不足でフォームが乱れる場合は、つま先ではなく膝を床につき、膝から肩までが一直線になるようにして行うと負荷が軽減されます。

おわりに

今回は、筋トレダイエットについてその効果やポイント、おすすめの筋トレをご紹介しました。

筋肉がつくまでには時間がかかるため、食事制限や有酸素運動に比べると始めた当初の効果は感じにくいかもしれませんが、一度ついた筋肉は他のダイエットを継続するよりも簡単に維持でき、結果的には負担やストレスの少ないダイエットになります。

今回ご紹介した筋トレはどれも自宅で行えるものばかりですが、筋トレに不慣れで自信のない方は、一度トレーニングジムなどでフォーム指導を行ってもらうとより効果的な筋トレができると思いますので挑戦してみてください。


■プロフィール

監修:いきいき100歳応援中(理学療法士)
専門:整形外科疾患、介護予防分野

自己紹介
二児の母でもある理学療法士。整形外科疾患、介護予防分野を専門とし、
病院勤務の傍ら健康や医療に関する記事を執筆している。

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