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国民保養温泉地でもある板室温泉

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板室温泉は栃木県那須塩原市板室にある塩沢温泉と言われていた温泉地です。
那須温泉郷の西方の那珂川沿いにあり、昔から那須七湯の1つとして数えられ、下野の薬湯として全国的に知られており、毎年多くの利用者が訪れています。

この温泉は昭和46年3月23日に環境庁から国民保養温泉地として指定されました。
国民保養温泉地というのは温泉地の中でも優れた温泉利用の効果が期待でき、健全な温泉地としての条件が備えられているという温泉地に指定され、全国には現在91か所がその指定を受けています。
健全な温泉地としての条件として気候学的に休養地として適していること、温泉の効能が優れていること、温泉顧問医が設置されていること、災害に対しても安全とされていること、環境衛生的条件が良いこと、周囲の景観も優れていることなどが挙げられます。
板室温泉は決して賑やかで華やかではないですが、素朴で心身共にホッと湯治が出来る場所として認められているのです。

また、板室温泉は温泉入浴指導委員という厚生労働省規定資格のある指導員が各旅館に常駐しており、正しい湯治の方法や一般的な正しい利用についてのアドバイスが受けられるのも魅力です。
板室温泉の療養は1週間以上で1ヶ月くらいまで、保養・休養としての利用は3~7日の利用が目安となっています。
療養・保養・休養として利用される方は温泉入浴指導員や温泉療法医に相談し、的確なアドバイスを受けながらの利用がおすすめです。

板室温泉独特の入浴方法

板室温泉独特の入浴法として有名なのが立ち湯と言われている綱の湯です。
綱の湯は温泉小屋の梁に結わえた綱を垂らし、湯治客がその綱を握って腰よりも深い温泉に浸かって湯治を行う入浴方法。以前は共同浴場にあったのですが現在は日帰り温泉入浴施設の板室温泉のゆグリーングリーンでのみ体験することが出来ます。
この入浴方法で入る温泉は関節痛などに良く効き、杖を利用していた人が湯治後に杖が不要になるほど回復したことから杖要らずの湯と呼ばれ、知られるようになりました。
杖が不要となった湯治客はその後、板室温泉にある板室温泉神社で参拝し、その杖を置いて帰るのか慣習となったと言われています。

板室温泉の泉質と効能

板室温泉は今から訳1000年前に発見された伝統のある薬湯温泉。
厳選は県内随一の22本を誇ります。
美肌にも高い効果があるという特徴もあり、40℃前後のぬるめのお湯ですが身体の芯までじっくりとあたたまる湯として評価を得ています。
泉質は無色透明のアルカリ性の単純温泉で主な効能は筋肉痛、関節痛、神経痛、五十肩、くじき、打ち身、冷え性、運動器障害、疲労回復、慢性消化器症、健康増進、病後回復期、高血圧などが挙げられます。

板室温泉でお湯詣り

板室温泉では昔から4~6月は木の俣地蔵、7~9月は籠岩神社、10~12月は板室温泉神社の3大祈願所があります。
木の俣地蔵は子宝祈願の地蔵尊として、年間多くの参拝人を集め、愛されています。
籠岩神社は乳がんに後利益があると言われ、板室温泉神社は関節炎や神経痛治癒祈願の神社として知られています。
御祈祷してからいただくお札を温泉の湯口にお供えして温泉に浸るとご利益と健康を得られるという事からお湯詣りが一年を通じて行えます。
1~3月は3か所のお札を一堂に集め、各宿泊施設内の温泉の湯口にお供えし、多くの利益を得ていただきます。
お供えしたお札は那珂川河川敷で4月にお炊き上げされます。

保養とアートの宿として人気の大黒屋

1551年創業の旅館である板室温泉大黒屋は1980年大から現代アートを取り入れた現代アート中核の旅館経営をはじめ、旅館業に連結して美術館を併設しています。
主な展示作家は菅木志雄、村井正誠、渡辺豊重、丑久保健一、杉浦康益、山本雄基、矢部裕輔、鈴木孝幸。
大自然に囲まれながら、その静寂の中で芸術文化に触れ、美味しい料理を味わい、温泉を堪能し、心身共に癒すことが出来る寛ぎの宿として人気です。
お風呂は那珂川のせせらぎや虫の声が聞こえる露天風呂、太陽の光が差し込む大きな窓があり、足元が不自由な方でも入れる露天風呂、ひのきの香りが素晴らしいひのきの湯、黄土浴が楽しめるアタラクシアがあり、大黒屋サロン前には庭園喫茶もあります。
その他にお土産用の食品やハンドメイドのアクセサリー、作家の器などが売られているショップやサロン、ギャラリー、図書室、愛煙家の個室、4か所の保養の館などを完備しています。
大黒屋の中で特に人気なのが菅木志雄倉庫美術館。
菅木志雄は日本を代表する現代美術作家であり、300点もの作品が展示されています。
庭にも自然に溶け込んだ作品が展示されており、風の耕路、集空庭、天の点景など景色と調和された作品を見に多くのファンが訪れています。
美術館の鑑賞は予約制。庭のインスタレーションも含めたツアーがあり、約1時間で500円。ツアーで鑑賞した後は希望の場合は作品購入も可能です。

大黒屋は館内や館外にも様々なアートを楽しむことが出来ます。お風呂から上がり、浴衣を着たままアートを楽しめるのはなかなか体験できない事。いつもの温泉の旅とは一味も二味も違う思い出を作ることが出来ます。
普段の忙しく時間に追われた生活ではアートに触れる機会というのは少ないもの。
板室温泉大黒屋の広い素敵な環境で様々なアートを体験してみてはいかがでしょうか。
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