文化元年(1804)創業 福井を代表する汐うにとへしこの名店「天たつ」

福井県を代表する名産物と聞かれると、へしこを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。一方で、へしこ以外にも、長崎のからすみ、尾張のこのわたと同じく三大珍味に数えられている汐うにも福井県を代表する名産物であり珍味のひとつです。今回はこの汐うにを江戸時代から製造している老舗であり、へしこも絶品な「天たつ」を紹介していきたいと思います。

低温で1年熟成 希少な酒肴珍味「越前仕立て汐うに」

天たつは文化元年(1804)創業以来、日本三大珍味に数えられる汐うにを中心に、へしこをはじめとする福井県の特産品を多種製造・販売している老舗です。汐うにとは、ウニに塩を振り、水分を落としてから1年間じっくりと低温で熟成させて仕上げる珍味のことです。1890年頃、天たつの3代目天野五兵衛が当時の越前福井藩主松平治好(はるよし)公より「ウニを使った戦時に持ち歩ける保存食をつくるように」との命を受け、「塩蔵法」という汐うにの製造法を開発しました。この「塩蔵法」で仕上げられた汐うにが、天たつの「越前仕立て汐うに」です。

現在天たつでは福井県産のバフンウニを使用した「越前仕立て汐うに 天王屋吉兵衛」と、北陸の越前海岸近海を中心に、鳥取、北海道、長崎などの国内産のバフンウニの卵巣を使用した「国産の越前仕立て汐うに」の2種を販売しています。厳選したバフンウニを熟成させることで生まれる、汐うにならではのより深い磯の香と甘み、旨みを、ぜひご家庭で堪能してみてください。

福井の昔ながらの保存食であり発酵食品「へしこ」

天たつでは、北陸地方に古くから伝わる魚介の保存食であるへしこの製造・販売も行っています。二百年以上へしこだけを作ってきた「へしこ蔵」という土蔵で、鯖を1年以上糠に漬け込み熟成させるという天たつのへしこは、風味も最高で日本酒にもとても合います。食す際は、糠をつけたまま焼くだけでもごはんのお供やお酒の肴として楽しめますが、パスタやピザに和風アンチョビとして使用しても美味しくいただけます。へしこならではの独特な塩辛さと香り、くせになる旨みをぜひお楽しみください。

住所:福井県福井市順化2-12-12

画像出典:天たつ


天たつの汐うには数日の持ち歩き程度であれば常温のままでも日持ちします。また、へしこも冷暗所に置いておけば10日間は常温で持ち歩きOKなので、旅行中の持ち運びやお土産としても最適です。ぜひ福井へお越しの際はお店に足を運んでみてください。

天たつ福井片町本店
住所:福井県福井市順化2-7-17
電話:0776-22-1679
営業時間:平日9:00〜18:00、日曜祝日10:00〜17:00
定休日:不定休(主に日曜・祝日、年末年始)
公式HP:http://www.tentatu.com/(ネット通販あり)

ここで少し変わった楽しいへしこのレシピをご紹介します。塩辛さの中にも独特の甘みがある、へしこいわしとへしこさば、アンチョビの代わりに調理に使って、レパートリーのひとつにしてみてください。厚切りにした食パンにとろけるタイプのチーズと食べやすいサイズにちぎったへしこをのせてトースターで焼くだけ。パスタの具やチャーハンの具に使ってもよいアクセントになります。是非一度、お試しください。
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