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白骨温泉を訪ねて信州・松本へ 大自然に囲まれた野趣あふれる温泉に感動

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長野県松本市の西側に広がる霊峰・乗鞍岳の東側中腹に白骨温泉はあります。大自然に囲まれた野趣あふれる秘湯としても人気の高い白骨温泉は、環境庁指定の国民保養温泉地でもあり、昔から多くの人が湯治に訪れてきました。今回はそんな白骨温泉の魅力に迫っていきたいと思います。

長い歴史を持つ白骨温泉 数多くの文人墨客にも愛され続けてきた秘湯

(写真提供 インスタグラムID:k_service_15)


白骨温泉がいつから存在していたのか詳細は定かではありませんが、鎌倉時代にはすでに湧出していたことが分かっています。戦国時代になると、武将・武田信玄が乗鞍岳に銀山を開いたことで、炭鉱夫や負傷兵が湯治で訪れていたとも言われています。その後江戸時代になると湯宿が立ち並ぶようになり、連泊してケガや病気を治そうという湯治客が多く訪れるようになったそうです。

ちなみに白骨温泉という名前は、湯船に白い成分が付着していたのが白い骨に見えたことに由来していると言われています。実は白骨温泉のお湯は湧出してすぐは透明なのですが、空気に触れることで段々と温泉の成分が酸化し、白く変化していきます。そのため、その日の時間や気候、入浴する人数などの条件によって温泉の色や白濁の濃淡の度合いが違ってくるそうです。

白骨温泉には現在に至るまで、文人墨客をはじめ多くの著名人が足を運んできています。例えば「大菩薩峠」を執筆した作家・中里介山は、大自然に囲まれた白骨温泉を「五彩絢爛たる絶景」と称賛。これは白骨温泉の名を世に知らせるきっかけとなりました。ほかにも歌人・若山牧水は持病の胃腸病を治すために幾度となく白骨温泉を訪れ、そのことを歌にも詠んでいます。

「3日入れば3年間風邪をひかない」と言われるほど

(写真提供 インスタグラムより)


国民保養温泉地に指定されている白骨温泉には、病気や怪我を治したいという多くの方が訪れています。その温泉の効能は、昔から「3日入れば3年間風邪をひかない」と言われているほど。お湯は乳白色をしている弱酸性で、硫黄や炭酸を含んでいるため、身体をポカポカと温めてくれるほか、特に胃腸病に効果があると言われています。

ちなみに白骨温泉では、場所によっては温泉を飲むこともできます。浸かるだけでも白骨温泉ならではの効能は期待できますが、そのまま飲むことで利尿効果を高めたり消化を良くしたりするなど、身体の内側からの効果も実感できるそうです。温泉街には白骨温泉のお湯を使った「まろやか温泉粥」や「温泉粥コロッケ」「温泉粥おやき」などのグルメも揃っているので、ぜひ実食してみてください。

白骨温泉で湯めぐりを楽しもう

白骨温泉は毎日の喧騒を忘れさせてくれる静かな温泉地です。温泉街には趣が異なる旅館やホテルが点在しており、なかには日帰り温泉を提供しているところもあるので、湯めぐりもお楽しみいただけます。ぜひ野趣あふれる白骨温泉で、大自然に囲まれながらゆっくりとした時間を過ごしてください。
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