シェットランドシープドッグは優雅な容姿が魅力的な愛情深い小型犬

関連キーワード

シェットランドシープドッグは、優雅で気品あふれる容姿が美しいイギリス原産の小型犬です。
イギリス最北端に位置するシェットランド諸島で誕生した犬種で、優秀な牧羊犬として活躍していました。容姿が酷似している大型犬のラフコリーと起源が関わっていると考えられており、生息地域の土地柄や気候の影響により、環境に適応するために小型化していったのではないかと考えられています。
日本では1980年代から人気が高まり、近年においても「シェルティ」の愛称で親しまれている犬種です。人が大好きなので家庭犬にも適しており、とても知性的で理解力が高く、飼い主や家族に対して深い愛情を注ぎます。

エレガントで美しく愛情深いシェットランドシープドッグの魅力と、育て方のポイントについてご紹介します。

シェットランドシープドッグの特徴と性格

◇骨が細く華奢でエレガント!程よく引き締まった筋肉質ボディ

シェットランドシープドッグは、程よく筋肉が引き締まったバランスの良いスタイル、マズルが細長い上品な顔立ちが特徴的。
骨が細く華奢な肉体はボリューム感のある被毛でふんわり包まれており、どの角度から見ても、均整のとれたエレガントな印象を受けます。首回りのゴージャスな飾り毛はオスの方がふわふわしていて毛量が多いので、容姿のエレガントさを重視するなら、オスを選んだ方が良いでしょう。
小さくても牧羊犬なので、愛玩犬タイプの小型犬より少し多めの運動量が必要です。1回当たり30分程度の散歩を1日2回くらいで、効率よくカロリー消費&ストレス発散することができます。寒い地域が原産のダブルコート犬種なので、蒸し暑い環境は苦手です。原産地では牧羊犬として逞しく活躍できますが、高温多湿な日本では、人が快適だと思える温度と湿度に調整した室内で育てるのが理想的です。毛色のバリエーションが豊富で、セーブル・トライカラー・ブルーマール・ブラック&ホワイト・ブラック&タンがジャパンケネルクラブで認められています。
体の大きさは、理想体高35.5cm~37cm・標準体重6kg~7kg程度。平均寿命は12歳~13歳くらいです。

◇飼い主に対して服従心が強く愛情深い穏やかな性格

シェットランドシープドッグは飼い主との絆をとても大切にします。
明るく活発な性格で穏やかなやさしい心を持ち、人を喜ばせるのが大好き。感受性が豊かで、飼い主の行動や精神状態に敏感です。飼い主や家族など、好きな相手に対しては惜しみなく愛情を注ぎ、心から服従する姿勢を見せてくれます。ボーダーコリーが登場するまでは、服従トレーニングで常にトップの成績を収めていたそうです。賢くて飼い主の言うことを素直に聞くお利口さんなので、しつけは難しくありません。でも、他人に対しては警戒心を抱く子が多いようです。
攻撃的になることは少ないとされていますが、不審な相手だと判断すると吠えかかってしまうことがあります。
牧羊犬としての性質が強く出ると、車や他の動物など、動くものに対して敏感に反応し、突発的に追いかけることがあるので注意しましょう。

たっぷりの運動で無駄吠え対策!被毛のお手入れはこまめに

◇毎日の散歩と適度な運動で無駄吠え対策

飼い主と一緒に楽しく運動することが大好きなので、毎日の散歩は一般的な小型犬より長めに行うのがおすすめです。
1日2回各30分ずつくらいは散歩に付き合ってあげましょう。シェットランドシープドッグは無駄吠えが多いとされていますが、運動によるストレス発散で緩和させることが可能です。運動能力が高く、動きが機敏で軽やかなので、ドッグランや公園などの広い場所で思い切り遊ばせてあげると喜びます。
ただし、ノーリードは避けた方が無難です。動くものに対して敏感に反応しますので、ロングリードを使用し、行動範囲を制限しながら遊ばせましょう。警戒心が強くて吠え癖が改善しない場合は、警戒心を解くことから始めてみてください。特定の相手に対して吠えるなら、飼い主が友好的に接する様子を見せましょう。気に入らない物があるなら、それを撤去します。
インターホンが対象の場合は、玄関へ出るとき慌てず落ち着いて行動するようにしてみてください。吠えたときに飼い主が声を荒げて過剰反応すると、吠えて知らせるのが仕事だと勘違いしてしまいます。安心感を与えることを根気強く続けてみてください。

◇こまめなブラッシングと定期的なシャンプーで美しい被毛を保つ

ダブルコートの長毛種なので、被毛のお手入れは少し手間がかかります。
長く伸びずに抜け落ちるタイプですから、部屋中のあちこちに抜け毛が散乱することになるのは確実です。ボリュームのある毛質で毛玉になりやすいので、毎日のこまめなブラッシングは必須。週に1回くらいは時間をかけて全身くまなく毛並みを整えてあげましょう。さらに、月に1回~2回ほどシャンプーすれば、効率よく死毛を取り除くことができます。シェットランドシープドッグは、トリミングを行う必要がありません。
被毛が多いので暑さを軽減するためにカットした方が良いのではと悩む飼い主もいるようですが、被毛には直射日光から地肌を守るという大切な役割があります。下腹部やお尻周りなど、汚れが気になる部分のみのカットなら問題ありませんが、日光が直接当たる部分の被毛は残しておきましょう。
間違っても、全身カットだけはしないでください。体温調節が難しくなり、皮膚炎や体調不良の原因になります。丁寧にブラッシングを行い、こまめに死毛を取り除いてあげた方がずっと健康的です。

◇先天性眼疾患「コリーアイ」について

シェットランドシープドッグを含むコリー種には、「コリーアイ」と呼ばれる先天的な眼疾患が高確率で発症します。
目の組織に異常が発生する遺伝疾患ですが、多くの個体は無症状もしくは軽度なので、視力に障害が出ることはほとんどありません。
しかし、症状が重い場合は失明に至ることもあります。生後数か月~1年くらいの間に進行するケースが多いので、子犬の頃から物にぶつかりやすいなど、気になる症状があれば動物病院で診察を受けてください。遺伝疾患なので完治は見込めませんが、後に発症する恐れのある他の眼疾患を予防することは可能です。

シェットランドシープドッグは、愛情深く感受性豊かで知性的な小型犬です。飼い主や家族に対しては従順で素直なお利口さんなので、しつけや訓練も難しくありません。とても賢いので、子犬の頃から基本的なしつけを行って主従関係を築けば、家族にやさしい理想的な家庭犬に育ってくれます。エレガントな容姿と優しい心を持ったシェットランドシープドッグとの暮らしを考えてみませんか?

監修:ソラノアンジュ
愛するペットと暮らす充実した幸せな人生。その素晴らしさをたくさんの人に伝えたくて、ペットライターの道を選びました。
長年の執筆経験で得た情報を元に、あなたの可愛いパートナーを探すお手伝いができれば幸いです。
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ