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スモークツリーの育て方

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スモークツリーの分類

■学名:
Cotinus coggygria

■科名:
ウルシ科

■属名:
コティヌス属(ハグマノキ属)

■別名:
smoke tree、煙の木(ケムリノキ)、白熊の木(ハグマノキ)、霞の木(カスミノキ)

■原産地:
ヨーロッパ、中国など

スモークツリーの詳細情報

■園芸分類
耐寒性落葉高木

■草丈・樹高
3m〜4m

■耐寒性
強い

■耐暑性
強い

■耐陰性
日向を好みますが、半日陰でも育ちます。

■花色
白、黄緑、ピンク、赤、紫など

■開花時期
6月〜8月

スモークツリーの特徴

スモークツリーは煙のように、ふわふわと立ち昇るような変わった花を咲かせる、樹木です。
見た目がおしゃれなので意外かもしれませんが、ウルシ科の植物です。スモークツリーは雌雄異株で、雄木と雌木では花の見た目が違うので購入時は注意しましょう。
お庭のシンボルツリーとしては雌木が主に使われます。耐寒性、耐暑性ともに強く、北海道南部から沖縄まで庭木として育てることができます。

■スモークツリーの花
モクモクと立ち昇る煙のような花がつくのは、実は雌木のみ。
20cmほどの花穂が伸び、そこに付く花自体は3?ほどで目立たないのですが、種につながる軸にふわふわしたものがついており(タンポポの綿毛のように種を遠くまで飛ばすため)、それが花のように見えるのが特徴です。
雄木も花は咲くのですが、種(煙の部分)がないので、雌木ほどの華やかさはありません。

■スモークツリーの花言葉
スモークツリーには『賑やかな家庭』という花言葉がありますので、お庭のシンボルツリーにもぴったりです。
また『賢明』という花言葉や、煙からイメージして、『煙に巻く』、煙がすぐに消えてしまうところから『はかない青春』などの花言葉が付いています。

■ウルシ科注意!
スモークツリーはお洒落な洋風のイメージなので、漆(ウルシ)と言われても、ピンと来ないかもしれませんね。
ウルシと言えば、日本の伝統工芸にも使われる塗料で、漆器や高級和風家具などに利用されます。
ウルシは近くを通っただけでも皮膚がかぶれることで有名ですが、ウルシの持つ「ウルシオール」という油性の成分が原因です。ひどくなると水泡を持って激しいかゆみが起こります。
ウルシのかぶれは遅効性で、触ってから1日以上経ってから症状があらわれます。

では、スモークツリーでもかぶれるのでしょうか?かぶれる理由はウルシオールだと先ほど書きましたが、同じウルシ科の植物でも、ウルシオールの含有量が少なければ、被害もさほどないと言われています。たとえば、フルーツのマンゴーもウルシ科なんですよ。

「スモークツリーの側を通っただけでかぶれる」という話は今のところ聞かないようです。しかし、ある特定のアレルギー物質に過剰に反応してしまう体質の方もいらっしゃるので、念のため剪定作業などは必ず手袋を着用して行うようにしましょう。

スモークツリーの種類

スモークツリーには、ピンク〜赤系のほかに、緑や白、途中で色が変化するバイカラータイプなどがあります。
また、葉っぱも大変魅力的で、銅葉の品種も人気があります。銅葉でなくても、秋になれば赤や黄色の紅葉が楽しめます。
比較的成長が早く、栽培も容易にできるので、急いでいなければ、小さな苗で安価に購入してもよいでしょう。

・赤紫: 「グレース」、「ルージュ」
・赤: 「リトルルビー」、「ルビーファー」、「ルビーハート」
・ピンク: 「ロイヤルパープル」、「フレーム」、「ラブリーローズ」、「ピンクファー」
・緑: 「グリーンボール」
・白: 「ホワイトボール」、「ホワイトファー」
・バイカラー: 「グリーンファウンテン(緑〜ピンク)」、「ヤングレディ(白〜ピンク)」
・銅葉品種: 「ロイヤルパープル」、「グレース」

スモークツリーの栽培環境

■日当たり・置き場所
過湿にやや弱いので注意しましょう。通気性は大切なのですが、スモークツリーは根張りが浅い樹木のため、強風にあおられるような場所はふさわしくありません。また風が強いと枝が折れる可能性もあります。

■用土
スモークツリーは蒸れに弱いので、水はけの良い腐植質に富んだ用土で植え付けます。庭植えならよく耕して、川砂や腐葉土を混ぜ込みます。鉢植えなら赤玉土に腐葉土や川砂、軽石などを混ぜるとよいでしょう。

スモークツリーの育て方のポイント

■水やり
・地植えの場合:
植え付けた後は注意深く水やりをしますが、根付いた後は降雨があれば特に必要ありません。むしろ乾燥気味を好みます。

・鉢植えの場合:
蒸れに気を付けて、鉢の表面が乾いたら、しっかり水を与えます。

■肥料
特に必要ありません。植え付け時に、元肥を混ぜるとよいでしょう。樹勢が悪いようなら落葉期に寒肥を与えます。生長が早いので、あまり大きくしたくない時は肥料を控えめにしましょう。

■病害虫
ミノムシやカイガラムシに注意します。伸びすぎで蒸れるとうどんこ病や虫が発生することもあります。風通しを良くしましょう。

■植え付け
11月〜3月。落葉期に行うとよいでしょう。根張りが浅いので、根付くまで支柱を立てます。スモークツリーは枝が横に張るのでスペースを広く取りましょう。

■植え替え・鉢替え
・地植えの場合:
特に必要ありません。

・鉢植えの場合:
生長が早いので、毎年様子を見てください。根詰まりしているようなら二回り大きな鉢に鉢増しします。

■剪定・花後
スモークツリーは、雪や強風などで枝が折れやすいので、落葉期に剪定して整理しておくとよいでしょう。

■収穫
切り花:切り花やドライフラワーとして楽しめます。
種子: 花後に種子を採種します。

■休眠期
冬季は落葉して越冬します。

■増やし方
・種まき:
9月〜10月頃、種まきで増やせます。発芽率はあまり良くないようです。

・挿し木:
挿し木や接ぎ木でも増やせますが、少し栽培技術が必要です。株分けのほうが簡単にできます。

・株分け:
株元から新しい芽が生えてきたら、株分けして増やせます。その時、根っこがしっかりつくように分けましょう。

監修:冥王堂あや
クリスマスローズ専門店「冥王堂」店長。交配、育種にも携わる。2014年「クリスマスローズの世界展」にて、新花コンテスト「特別賞」「ミヨシ賞」を受賞。
(公)日本園芸普及協会グリーンアドバイザー。

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