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北大路魯山人ゆかりの山代温泉

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山代温泉は北陸地方石川県加賀市にある温泉です。
石川県には「和倉」「山中」など有名な温泉がいくつもありますが、その加賀温泉郷の一つが山代温泉なのです。
ここでは山代温泉について紹介していきたいと思います。

1、山代温泉の歴史

1300年の歴史があるという山代温泉は725年、行基が霊峰である白山に修行に行く途中で、一匹のカラスが羽根などについた傷をいやしている泉を見つけました。
この泉が山代温泉の始まりとされており、このカラスは古事記などにも記されている三本足の霊鳥「ヤタガラス」だとされています。
平安時代には明覚上人によって七堂伽藍が建立され、薬師如来が祀られました。
現在でも薬師如来が祀られている薬王院温泉寺の境内には「めかくしさん」とよばれる明覚上人を供養する「石造五輪塔」があります。
薬王院温泉寺は霊峰白山を祀る白山五院のなかでも筆頭とされたお寺です。
明覚上人は「あいうえお」の五十音の創始者としても有名で、寺の近くにはこの周辺を散策できる「あいうえおの小径」があります。
戦国時代には明智光秀が傷を癒すためにこの地を訪れ、10日間にわたって逗留したとされています。
そのころから湯治場として知名度があったことがうかがえます。
江戸時代には共同浴場を中心として温泉宿が立ち並び、近くの自然と共に長逗留して楽しみました。
この共同浴場がのちに「総湯」と呼ばれるもので、「総湯」を中心としてできた街並みを「湯の曲輪」といいます。
これは北陸の温泉郷特有の呼び方です。
明治時代になるとこの温泉は多くの文化人に愛されることになります。
詩人である与謝野晶子は「山代の いで湯に遊ぶ 楽しさは たとえて言えば 古九谷の青」と詠みました。
芸術家でもあり食通としても有名な北大路魯山人は山代温泉を気に入り、長く逗留していました。

2、山代温泉とはどのような温泉か

現在山代温泉には2つの公衆浴場があります。
「総湯」と「古総湯」と呼ばれるものです。
「総湯」は、誰でも気軽に楽しむことができる共同浴場です。
新しい熱交換システムを導入した100%源泉の浴場で、当時の入浴方法も再現しているのが特徴的です。
「古総湯」は温泉や文化を体験できる浴場です。
明治時代の総湯を忠実に再現し、外観や内装のほかに入浴方法も当時の雰囲気を味わうことができます。
浴場にはステンドグラスや壁・床の九谷焼のタイルなどが当時の趣を感じさせます。

山代温泉の泉質は、
・ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉・塩化物泉
・ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉・アルカリ性単純温泉
という二種類の泉質があります。

以下、山代温泉観光協会より引用すると、
《一般的適応症》
筋肉もしくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)病後回復期、疲労回復、健康増進。

《泉質別適応症》
きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症、禁忌症

《一般的禁忌症》
病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期。
となっています。

基本的には、
・利用時間は8~22時。
・タオルなどは持参すること。
・マナーを守ること。
・ペットは同伴禁止。
・敷地内及び周辺地域への迷惑行為は禁止。
・その他公序良俗に反する行為は禁止となっています。

管理協会:山代温泉観光協会
住所:〒922-0243 石川県加賀市山代温泉北部3丁目70番地
電話:0761-77-1144(代)
Fax: 0761-77-2109
公式HP:http://www.yamashiro-spa.or.jp/yamashiro

3、山代温泉郷の魅力は?

山代温泉がある加賀市には他にも観光名所があります。

「石川県九谷焼美術館」

加賀がほこる伝統的工芸品「九谷焼」。
その九谷焼を古九谷から現在の久谷焼まで時代に応じて展示されており、順番に見てまわることでその変遷を楽しむことができます。
美術館の二階には「茶房古九谷」があり、九谷焼の器をつかってコーヒーなどを飲むことができるようになっています。

石川県九谷焼美術館
住所:石川県加賀市大聖寺地方町1-10-13
電話:0761-72-7466
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(祝日の場合は開館)

「魯山人寓居跡 いろは草庵」

こちらは北大路魯山人が半年間住んでいた家屋です。
2002年から一般公開されたもので、魯山人が刻字看板を彫った仕事部屋、書や絵を描いた書斎、山代の旦那衆達と語り合った囲炉裏の間、茶室・展示室(土蔵)などが公開されています。

魯山人寓居跡 いろは草庵
住所:石川県加賀市山代温泉18-5
電話:0761-77-7111
開館時間:9:00~17:00(ただし入館は16:30まで)
休館日:水曜(ただし祝日・振替休日の場合は開館)

4、おすすめの旅館

画像出典:加賀山代温泉 たちばな四季亭
URL:https://www.shikitei.com/

加賀山代温泉 たちばな四季亭

山代温泉でも数少ない源泉を使用した天然温泉で、大正初期にドイツで開催された万國鉱泉博覧会で金賞を受賞した、まさに世界に認められた温泉です。

画像出典:加賀山代温泉 ゆのくに天祥
URL:https://tensyo.yunokuni.jp/

加賀山代温泉 ゆのくに天祥

新たに開湯の「自家源泉」と引湯源泉の2つの豊富な湯量と鮮度を誇る天然温泉(加水なし)で、趣の異なる3つの大浴場を男女時間帯入替で「一泊三湯十八ゆめぐり」をお楽しみ頂けます。

画像出典:加賀山代温泉 葉渡莉
URL:http://hatori.jp/

加賀山代温泉 葉渡莉

天然檜と石造りの2ヶ所の大浴場、貸切風呂で楽しむ温泉が、身も心もじっくりと癒します。また、料理は旬の加賀の味わいにこだわった、体にやさしい月替わり会席をお楽しみください。

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