ガーデニング

初夏に涼しげな花を咲かせるルリマツリ

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1.ルリマツリの季節

南アフリカ原産のプルンバーゴ(Plumbago)は、初夏に涼しげな瑠璃色の花を咲かせることから、日本では「ルリマツリ(瑠璃茉莉)」と呼ばれ、親しまれています。イソマツ科・ルリマツリ属に分類されるつる性の低木で、熱帯を中心に約20種の植物が分類されています。

ルリマツリは5月から10月にかけて花を咲かせます。花期が長く、青紫、水色、赤、白など豊かな花色が魅力です。丈夫で育てやすく、直射日光や照り返しにも強いので、夏の庭を彩るガーデニングにおすすめです。暑い時期は、寒色系の小さなルリマツリの花は、眺めているだけで涼しげです。ただ、真夏の花つきは悪いので、土の表面が乾いたら朝夕たっぷり水やりをするなど少し工夫が必要になります。

冬になると、ルリマツリは休眠期に入るため、水やりは控え、土が乾いた状態で管理しましょう。とにかく乾燥気味にしておくのがポイントですが、完全に乾燥すると冬越し中に枯れてしまうことがあります。雨が降らず極端に乾燥している場合は水やりが必要です。また、土が凍ると枯れてしまうので、敷き藁やマルチングをして寒さ対策をしてください。鉢植えの場合は、厳冬期は軒下に移動させて冬越ししましょう。

2.ルリマツリの挿し木

ルリマツリは挿し木で増やします。挿し木とは、植物の一部を土に植えて発根させて育てる方法、つまりクローンを作って増やすことです。種を採ってゼロから育てるのは時間がかかるし、同じ植物を新しく購入するには費用がかかる、というときはぜひチャレンジしてみましょう。

適期は、その植物が一番生長する「生育期」の少し手前です。この時期に行うことで発根しやすく、親株の回復も早くなります。ルリマツリの場合、適期は4月から9月ですが、中でも発芽温度に適した5〜7月が最もおすすめです。作業に取り掛かる前に、清潔な土を入れた容器を用意しておきましょう。赤玉土(小粒)または挿し木用培養土などでOKです。

挿し穂には剪定の時に切り戻した枝を使うこともできます。まず、その年に伸びた健康で新しい枝で挿し穂を作ります。
先端の柔らかい部分と木質化している部分を避けて、カッターナイフなどで7〜10cmほどの長さに切りましょう。下葉を取り除いて水揚げをし、用意しておいた挿し木用土に挿して下さい。明るい日陰で、土が乾かないように水やりをしながら管理しましょう。発根して根や茎が十分に成長してから、鉢か地面に植え替えます。ただし、株が幼いときは寒さに弱いので、鉢植えでしばらく育てた方が安心かもしれません。

3.ルリマツリの剪定

ルリマツリは丈夫で、育てること自体はやさしいのですが、花つきよく咲かせるのには少しコツがいる植物です。

ポイントは、花が一通り咲き終わったら花柄摘みをすることと、全体を1/3〜1/2ほどの大きさに切り戻すことです。株を更新してやることで、新しい枝を伸ばして何度も開花させ長く楽しむことができます。また、来年も花をたくさん咲かせる準備として、剪定作業が必要になります。

花後に伸びた枝をチェックして、小さな新芽の出ている所の直ぐ上で剪定しましょう。新芽の出ている所を中心に全体的に1〜2回り剪定して小さくしておきます。草姿が乱れているときは長めにカットして樹形を整えてもかまいません。翌年も花を多くつけたいなら新しく出ている花芽をなるべく残すとよいでしょう。

ルリマツリは、生育旺盛で枝をよく伸ばし、放っておくと2m以上に生長して樹形が乱れやすい植物です。枝が混み合ってきたなと思ったら、その都度余分な枝を間引いたり、切り戻したりしましょう。どこで枝を切ってもかまわないので、自分好みの樹形に仕立ててくださいね。

また、ルリマツリは熱帯原産で寒さに弱いので、剪定が終わったら、すぐに冬の防寒対策を施すことが大切です。霜が降りはじめる前に、鉢植えは室内に取り込み、地植えは株元に敷き藁をしたり腐葉土やバークチップで覆ったりすると冬越ししやすくなります。

4.ルリマツリの地植え

ルリマツリの地植えには、日当たりと水はけのよい場所が適しています。日光が足りないと、花付きに影響します。
数年すると、かなり株が大きくなるのでできるだけ広い場所に植えるようにしてください。また、他の植物との間は十分とって植栽するとよいでしょう。植え付け適期は4〜6月です。

ルリマツリは肥沃な土を好みます。大きめの植え穴を掘って腐葉土や堆肥を混ぜ込んで耕し、元肥としてゆっくり効く緩効性肥料を施してください。地植えの場合には植え付け直後に水をたっぷりと与えれば、あとは降雨だけでも大丈夫です。

ルリマツリは体力を消耗する夏に花期を迎える植物なので、生育中は水切れや肥料切れさせないように注意しましょう。春からよく枝を伸ばして成長するので、1?2週間に1回液体肥料を与えます。固形肥料の場合には、月に1回くらいのペースで与えましょう。初夏から秋の開花期間中は特に、肥料を定期的に追肥しながら育てることで花つきがよくなりますよ。

枝が旺盛に伸びるので、大きくなってきたらトレリスなどに絡ませると美しく洋風の庭に合います。また小さくコンパクトに育てたいなら切り戻してわき芽を出させましょう。

ルリマツリは病害虫に強い植物ですが、風通しが悪いとまれにカイガラムシが発生することがあります。また、夏の乾燥時にはハダニが発生することもあるので、夏の涼しい時間帯に水やりをする時、葉水をして予防しましょう。混みあった枝は剪定して、風通しのよい株にしておくと、病虫害の害を受けにくく秋まで長く咲いてくれますよ。

ペンネーム:Yoshidanz
ファームステイしたのをきっかけに農業生活にはまる。イギリスのオーガニックガーデニングを通信教育で勉強しながら、コンポースト造りと家庭菜園に挑戦。現在はニュージーランドの海沿いの丘陵地に土地を購入、ポタジェで有機野菜作りに励んでいる。

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