チューリップ

チューリップは誰もが知る世界中で人気のある球根植物です。
チューリップの野生種は100〜150種類あり、16世紀ヨーロッパに伝わりましたが、この時すでにトルコでかなりの品種が生み出されていました。

チューリップの園芸品種は現在5000種を超え、開花時期は品種（早生・中生・晩生）により前後し、花姿などによって一重咲き・八重咲・フリンジ咲き、ユリ咲き、パーロット咲きなど15系統に分類されています。

ビギナーでも簡単に育てられ、かわいい花が楽しめるので早春〜春のガーデニングに欠かせない球根植物です。

園芸分類：球根植物、多年草
草丈・樹高：10cm〜70cm
耐寒性：強い
耐暑性：球根で休眠
耐陰性：花芽が色づいてからは日陰でも咲く
花色：赤、ピンク、黄、橙、白、緑、紫、黒など
開花時期：3月〜5月（3月：原種・早生、4月：中生、5月：晩生）

出回り時期：
9月〜11月（球根）、12月〜3月（切り花）、1月中旬〜3月（ポット苗）
植え付け・植え替え：10月〜11月（地温が10℃以下にならないとき）（球根）、1月中旬〜3月（芽だし球根ポット苗）、花芽が色づいたら（ポット苗を水栽培切り替え）
剪定：花後と地上部が枯れた後
肥料：植え付け時と芽出し後〜葉が枯れるまで
開花期間：5〜7日

日当たり・置き場所：
日当たりと風通しのよい場所で育てます。

用土：
水はけのよい土を好みます。
庭植えはあらかじめ植穴を掘って腐葉土と有機堆肥を混ぜ込んで、腐葉土を混ぜた庭土で植えつけましょう。
鉢植えは普通の培養土か、培養土に腐葉土や赤玉土小粒、バーミキュライト・パーライトなどをブレンドして水はけを改良した土がおすすめです。

水やり：
表面の土が乾いてきたらたっぷりと水やりします。
冬でも土が乾きすぎないように水やりします。球根を育てる場合、花後、葉が枯れるまで水やりします。

肥料：
元肥として緩効性化成肥料を施肥し、葉が出てからは月2回を目安に液体肥料を施肥します。

病害虫：
もうすぐ開花のときに急激に葉が枯れる「球根腐敗病」、花にモザイク状の筋が入り生育不全になる「ウイルス病」などの株を見つけたら抜き取って処分します。
「アブラムシ」あらかじめオルトランなどを散布しておくか、見つけたら薬剤を散布します。

選び方：
傷のないずっしりした大きな球根を選ぶ。早めによい球根を選んでおく。

植え付け：
チューリップの球根はとんがったほうが上で、左右に葉が伸びるので、向きをそろえて植えつけます。
あらかじめ、底の根の出るところの皮に、つまようじなどで切れ込みを入れておきます。
多少密に植えても方向が揃っていればきれいに出揃います。
球根の植え付け深さは、鉢植えは頭が少し出るくらい、庭植えは球根2〜3個分の深さに植えつけます。

間引き：
病気の株を見つけたら早急に抜いて処分します。

剪定・切り戻し：
花が終わったら花茎を付け根に近いところで切り取ります。

植え替え・鉢替え：
ポット苗を水栽培に切り替える場合、花芽に色が付いたら根を傷つけないように水洗いして水栽培にします。
ポット苗を土に植え替える場合、根を傷めないようにそのまま植えつけます。

花：
花後に花殻摘みしないと種ができ、種をつけると球根が太りません。
球根を育てない場合は、花が終わったら抜き取ります。

収穫：
葉が枯れるまで追肥も続けて育てると球根が太るので、球根に茶色い皮ができたら掘り上げます。風通しのよい場所で乾かして保管します。

冬越し：
チューリップは植え付け後5℃程度の低温に6〜8週間以上当てないと開花しないので、寒冷地であっても冬季は屋外で育てます。
冬に水切れすると春に枯れた芽がでてくるので、土が乾いたら暖かい午前中にしっかり水やりします。
冬に暖かい環境で花芽をつけるには、底に水の入った容器に入れた球根を、根が伸びてくるまで冷蔵庫内で栽培する「低温処理・休眠打破」します。

増やし方（株分け、挿し木、葉挿しなど）：
球根を太らせ、分球させて増やします。
花後に花殻摘みしたあと、葉が枯れるまで育てて球根を太らせます。
小さな球根は翌年植えつけても花を咲かせませんが、葉が枯れるまで育てて球根を太らせるとその翌年から花を咲かせます。
種からも育てられますが、種まきして花が咲くようなしっかりした球根に育つまで5年以上かかります。

監修：きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。