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実は存在する! 日本の国歌・君が代に出てくる「さざれ石」とは?

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入学式や卒業式、スポーツの大会などで歌う日本の国歌・君が代。
歌詞の中には「さざれ石」という石が出てきますが、実は日本全国に実在するのです!
しかし、君が代の「さざれ石」とはどういうものかご存じでしょうか?
ニュースなどでなにかと話題にのぼる君が代。
「ちゃんと歌えない」「歌詞の意味を知らない」という人もいる時代になってしまいました。
そこで今回は、君が代の「さざれ石」の意味や実在する石をご紹介します!


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そもそも、「さざれ石」ってなに?

「さざれ石」は漢字で、「細石」と書きます。
字のごとく、小さな石という意味で、学名を石灰質角礫岩といいます。
日本全国にあるさざれ石の石質はさまざまですが、石灰石が長い年月をかけて雨水で溶解し、粘着力の強い乳状液が小さな石の隙間に凝結し、ひとつの大きな岩の塊になったものも「さざれ石」とよんでいます。
日本では、滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山が主要産地になっています。

また、さざれ石は年月をかけて成長することから、神霊の宿る石だと信じられてきました。 古来より日本人は、岩や山などに神様が宿ると信じており、日本各地には岩や石を依代(よりしろ)(神霊が降臨するときに宿るとされるもの)とする神社がたくさんあります。

君が代の「さざれ石」はどういう意味?

もともと、君が代は古今和歌集に収録されている短歌のひとつだったのです。
鎌倉時代に入ると、おめでたい歌としてさまざまな歌集に祝い事の歌として収録されるようになりました。 明治2年(1869年)、薩摩藩歩兵隊長だった大山巌が天皇陛下が臨席する儀式用の歌として「君が代」を選びました。 その後、明治13年(1880年)に宮内省式部職雅楽課の雅楽師が曲をつけ、ドイツ人の音楽家が編曲しました。 そして、11月3日の天長節で初めて演奏され、以後、国歌として用いられています。

君が代の「さざれ石」は先述したとおり、小さな石という意味で使われています。 歌詞の「さざれ石の巌となりて」とは、「小さな石が集まって大きな岩となるように」という意味です。 これにもさまざまな解釈があり、「結束し、協力しあい、団結して」や「今は小石であるものが時代を経て、集まって大きな岩となり」という意味ととらえることもあります。 また、君が代の”君”も「君主のことなので天皇陛下のことである」や「古今和歌集は恋の歌が多いため、男女のことである」といわれ、さまざまな解釈がされ”謎の多い国歌”なのです。

いずれにしても、「さざれ石」とは小さな石が大きな岩になるという意味ですから、「男女が手を取り合って」や「国民が団結して」という意味につながっている、といわれています。

全国にあるさざれ石をご紹介!

では、ここで全国に点在するさざれ石を一挙ご紹介します!

○さざれ石公園
岐阜県揖斐郡には「さざれ石公園」があり、君が代の由来になったさざれ石があることで有名です。 中央の石碑には「さざれ石 国歌 君が代発祥の地 内閣総理大臣 中曽根康弘」と書かれています。 このさざれ石は岐阜県の天然記念物に指定されていて、しめ縄を巻いて人が立ち入らないように囲いをしています。

所在地 〒503ー2503 岐阜県揖斐郡揖斐川町春日川合
○大御神社
大御神社は宮崎県日向市にある神社で、天照皇大御神をご祭神とする古社です。 平成15年(2003年)9月。境内の西側の拡張造成工事が行われた際に岩が発見されました。 もともと、社殿の西側脇には神門があり、シロアリが入って破損がひどくなっていました。 神門を建て替えるか考えていたとき、ボウズ山という山の際までが境内だったため、広げることにしたのです。 木や竹藪を切り開くと、山際の前には大きな岩がありました。それが「さざれ石」です。

今ではこのさざれ石は宮崎県の観光指定コースとなり、宮司さん自らがさざれ石と君が代について説明を行っています。

所在地 〒883ー0062 宮崎県日向市知屋1
○護王神社
護王神社は京都市上京区に鎮座し、平安京の建都に貢献した和気清麻呂をご祭神とした神社です。 境内の清麻呂像のすぐ後ろにさざれ石があります。 幅3メートル、高さ2メートルの大きな岩です。 大小の石が集まってできた岩はまさに、団結した姿ですよね。

所在地 〒602ー8011 京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
○鹿島神宮
鹿島神宮は茨城県鹿嶋市にある有名な古社で、武甕槌命(たけみかづちのみこと)をご祭神とする神社です。 奥参道を歩くと見えてくる鹿園の脇に「さざれ石」があります。 大きく伸びていくような岩からは、力強いパワーを感じます。

所在地 〒314ー0031 茨城県鹿嶋市宮中2306ー1
○鶴岡八幡宮
鶴岡八幡宮は神奈川県鎌倉市にあり、第15代天皇の応神天皇、比売神、神功皇后(応神天皇の母)をご祭神とする神社です。 源氏池のほとりにさざれ石がおかれています。 このさざれ石は昭和56年(1981年)に発見者の小林宗一氏のご子息・文治氏によって奉納されたものです。 大きな石と小さな石が混ざり合い、寄り添うように立っています。

所在地 〒248ー8588 神奈川県鎌倉市雪ノ下2ー1ー31
○下鴨神社
下鴨神社は正式名称を賀茂御祖神社といい、賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と娘の玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀る神社です。 南口鳥居を通るとすぐ左側にさざれ石があります。 横に広がったさざれ石は、参拝客を優しく迎えてくれます。 このさざれ石は下鴨神社の七不思議「鴨の七不思議」のひとつに数えられていて、神聖な石として崇められています。

所在地 〒606ー0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町59
○勧修寺
勧修寺は京都市山科区にある真言宗山階派の寺院です。 庭園や氷室の池、石灯籠など見どころがたくさんあります。 さざれ石はほかのものに比べると小さいですが、大きな石が小さな石を護るように置かれていて、親子のようにも見えます。

所在地 〒607ー8226 京都府京都市山科区勧修寺仁王堂町27ー6

一部ではありますが、以上がさざれ石のご紹介でした。
ぜひ、訪れてみてくださいね!

いかがでしたか。
さざれ石が実在の石だなんて、驚きですよね。 全国に点在するさざれ石は、形も大きさもさまざまです。 しかし、古くから神様の神霊が宿るとして、人々が大切に扱ってきた石です。 大きくても小さくても、石の神聖なパワーを感じ取れるのではないでしょうか。 ぜひ、みなさんの目で確かめてみてくださいね!
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