知っておくとさらに面白い!?落語の代表的な演目

関連キーワード

落語にはさまざまな演目があります。その演目の数は現在いくつあるのかは正確にはわかっていませんが、分類としては昔からある「古典落語」と比較的新しいものである「新作落語」分けることができます。
また、基本的には「オチ」がある噺はすべて落語に分類されるといわれており、そのオチの種類によっても演目を分類することができます。今回は、そんな落語の演目の中でも、ぜひ知っておいてほしい有名な演目をあらすじと共にいくつか紹介していきたいと思います。

わかりやすいストーリーが魅力の「まんじゅうこわい」

「まんじゅうこわい」は古典落語のひとつで、広く知られている演目でもあります。元となった噺は江戸時代に出版された笑話集である「笑府」の訳本からといわれていますが、似た話は中国で生まれたものにもあるようです。

落語家のなかでも、5代目柳家小さんや3代目桂三木助さんらが晩年まで得意としていた演目です。上方でも「まんじゅうこわい」は4代目桂米團治が演じたのち、他の落語家に伝わり広く披露されるようになりました。そのあらすじは以下の通りです。

暇を持て余した町の住民たちが、自分の嫌いなものや怖いものを言い合っていきます。クモやヘビなどを挙げていく住民たちを、「情けない」と一蹴する男(上方落語では「みっつぁん」と呼ばれる男)。しかし問い詰めていくと、その男にも怖いものがあるそう。
念を押されて問われると、男は白状し、「まんじゅうがこわい」といいだす。その後男は「まんじゅうの話をしていただけで気分が悪くなった」と、隣の部屋(自分が住む長屋の場合も)に去っていって寝てしまう。他の男たちは、その男が気に食わないからといって、「まんじゅう責めにしてやろう」と、金を出しあってまんじゅうをたくさん買い占める。そのまんじゅうを男の部屋に投げ込むと、目覚めた男は悲鳴を上げ狼狽している様子。しかし男は「うますぎて怖い」など言いながら、まんじゅうをすべて平らげてしまった。その様子を見ていたほかの男たちは、やっと男にだまされていたことに気づく。そして男に「本当に怖いものは何だ」と尋ねると、男は「濃いお茶が一番怖い」と言い放つのだった。

東京では若手の前座噺としても知られている「まんじゅうこわい」。思わず吹き出してしまうストーリー展開もわかりやすく、魅力的な演目です。ぜひ一度観覧してみてください。

秋に良く取り上げられる「目黒のさんま」

「目黒のさんま」は落語の演目のなかでも「滑稽話」に分類される演目の一つです。3代目三遊亭金馬が得意としていたほか、「さんま」を題材にしていることから、秋に取り上げられることが多い演目でもあります。さっそくそのあらすじを紹介していきましょう。

殿様が目黒まで出かけると(遠乗りもしくは鷹狩)、お供の者が弁当を忘れてしまった。どうしようもなく、お腹を空かせていた殿様ご一行のもとへ、嗅いだことがない芳しい香りが。殿様がお供の者にその匂いは何なのか尋ねると、それは庶民が食べる下衆魚である「さんま」を焼いた匂いであり、殿様の口に合うものではないと言われる。しかしお腹を空かせた殿様は、お供の者にさんまを持ってこさせ、「陰亡焼き」という直接炭へさんまを突っ込んで焼く方法で焼くことに。これがとてもおいしく、殿様はさんまが大好きになった。

ある日親族が集まる集会で、さんまを食べたいといい始めた殿様。急いで日本橋のうおがしでさんまを買ってきて、油を取り除き骨もキレイに抜いたものをお椀にして殿様に差し出す。しかしせっかく良いさんまをつかったのに、丁寧に調理したことでかえってさんまがまずくなってしまっているのだ。殿様がこのさんまをどこで買ってきたのか尋ねると、日本橋の魚河岸で買ってきたという。そこで「それはいかん、さんまは目黒のものに限る」と殿様は言い放つのだった。

「目黒のさんま」にちなんだお祭りも!

殿様の無知さを風靡した滑稽な噺である「目黒のさんま」。これに関しては魚を購入した場所や殿様が誰を指すのかなどで、諸説入り乱れています。

一方で、「目黒のさんま」にちなんだイベントも都内では開催されています。それが1996年から開催されている、「目黒のさんま祭り」「目黒のSUNまつり」の2つです。この2つのお祭りは目黒駅をはさんで毎年日時をずらして開催されており、それぞれその場で炭焼されたさんまが無料で振る舞われます。ちなみに品川区大崎で開催される「目黒のさんま祭り」は岩手県宮古産のさんまを、目黒区の「目黒のSUNまつり」では宮城県気仙沼で水揚げされたさんまを使用しており、それぞれ旬に合わせて焼きたてのさんまを堪能することができます。

まとめ

いかがでしたか?落語の演目はさまざまなものがあり、それぞれ魅力あふれるものばかりとなっています。実際に落語を聞きに行きたい、という人は、事前に演目を調べておいても新しい観点から楽しめることでしょう。ぜひ参考にしてください。

その他の記事

    • Facebook
    • Twitter
    • hatena

      ▲ページトップ