ランキング徹底比較! いま聴きたい東京の落語家12人衆

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落語は年齢や性別を超えて楽しめる演芸。滑稽噺や人情噺、怪談噺など噺の種類によっても好きな落語家は異なるものです。
とはいえ、初めて落語を聴く人にとっては、誰を聴けば良いのか、安心して聴けるのか、目安が欲しいのも事実ですね。
今回は、ちまたでいくつか公表されている落語家ランキングを独自に比較し、今人気の落語家を選んでみます。

花の東京落語12人衆

柳家喬太郎さん
本名、小原 正也(こはら まさや)1963年11月30日生まれ。東京都世田谷区出身。
1989年10月、柳家さん喬に入門
2000年3月、真打昇進

得意ネタは『夜の慣用句』『ほんとのこというと』『午後の保健室』『死神』『井戸の茶碗』など多数。
まくらが面白い噺家として有名です。古典落語『時そば』は『コロッケそば』として知られる爆笑ネタ。師匠譲りの人情噺はもとより、滑稽噺も得意で、古典と創作の両方をこなし、他の落語家がやらない暗い噺もやり遂げる異才です。

春風亭昇太さん
本名、田ノ下 雄二(たのした ゆうじ)1959年12月9日生まれ。静岡県静岡市出身。
1982年、春風亭柳昇に入門
1992年5月、真打昇進
2006年より『笑点』のメンバー、2016年より司会者

得意ネタは『権助魚』『二番煎じ』『壺算』『力士の春』『ストレスの海』など多数。
古典も新作もこなしますが、古典落語にも創作を加え、独自の世界を作り出すことにかけては天下一品で、明るく突き抜けた落語を演じます。

柳家三三さん
本名、蛭田 健司(ひるた けんじ)1974年7月4日うまれ。神奈川県小田原市出身。
1993年3月、柳家小三治に入門
2006年3月、真打昇進
得意ネタは『居残り佐平次』『甲府ぃ~』『元犬』『鰍沢』など多数。
まくらで「街で見かけたら”ミミちゃん”」と呼んでください、など自分の名前をネタに笑いを取りますが、張りのある声と端正な語り口で、本格派の落語を丁寧に演じる期待の若手です。

柳家小三治さん
本名、郡山 剛蔵(こおりやま たけぞう)1939年12月17日生まれ。東京都新宿区出身。
1959年3月、五代目柳家小さんに入門
1969年9月、真打昇進(17人抜き)
2014年10月、人間国宝に認定

得意ネタ『青菜』『一眼国』『厩火事』など多数。
絶妙の間と熟練の語り口が、枯れた滋味を醸し出しだします。若い頃は「まくらの小三治」と呼ばれ、まくらが面白い落語家として知られていました。バイクに乗って全国を駆け回っていた時期もあるなど、好奇心旺盛な人間国宝です。

立川志の輔さん
本名、竹内 照雄(たけうち てるお)1954年2月15日生まれ。富山県新湊市(現:射水市)出身。
1983年1月、立川談志に入門
1990年5月、真打昇進

得意ネタは『ハンドタオル』『みどりの窓口』『バールのようなもの』『抜け雀』『しじみ売り』『死神』など多数。
入門前には劇団に身を置いていたこともあり、古典落語に演劇的要素を取り入れた斬新な演出を施す一方、新作にも意欲的に取り組んでいます。特に登場人物の会話が誤解によってかみ合わない、人間関係のはざまで立ち往生する人物を描く創作落語は秀逸です。

春風亭一之輔さん
本名、川上 隼一(かわかみ としかず)1978年1月28日生まれ。千葉県野田市出身。
2001年5月、春風亭一朝に入門
2012年3月、真打昇進

得意ネタは『堀の内』『柳田格之進』『お見立て』『青菜』『天災』など多数。
人情噺も滑稽噺も両方こなす古典落語の若手実力派です。とぼけた味とややデフォルメされた人物描写、明瞭で歯切れの良い語り口との組み合わせが絶妙です。

立川志らくさん
本名、新間 一弘(しんま かずひろ)1963年8月16日生まれ。東京都世田谷区出身。
1985年10月、立川談志に入門
1995年11月、真打昇進

得意ネタは『らくだ』『短命』『粗忽長屋』『居残り佐平次』『落語ゴッドファーザー』『鰍沢の呪い』など多数。
映画好きで劇団も主催する多才な落語家です。映画をモチーフにした『シネマ落語』など、創作も得意ですが、客席に「江戸の風」を吹かせるべく古典落語もじっくりと聴かせる実力派です。時折見せる師匠談志のものまねも見逃せません。

柳亭市馬さん
本名、右藤 泰幸(うとう やすゆき)1961年12月6日生まれ。大分県豊後大野市出身。
1980年3月、五代目柳家小さんに入門
1993年9月、真打昇進
2014年6月、落語協会会長に就任

得意ネタは『転宅』『らくだ』『付き馬』『花筏』『掛け取り』など多数。
柳派の正統派落語、保守本流を自他共に認める存在です。声がよく歌も上手いことから、古典落語『掛け取り』に歌手三橋美智也の歌を加えた『掛け取り美智也』は懐メロファンには絶品です。

柳家さん喬さん
本名、稲葉 稔(いなば みのる)1948年8月4日生まれ。東京都墨田区出身。
1967年3月、五代目柳家小さんに入門
1981年3月、真打昇進

得意ネタは『うどん屋』『井戸の茶碗』『笠碁』『猫の災難』『野ざらし』など多数。
日本舞踊の名手だけあって、物腰や仕草がしなやかで色気があり、つやのある声と相まって、落語の味わいを一段高いレベルに昇華しています。

林家たい平さん
本名、田鹿 明(たじか あきら)1964年12月6日生まれ。埼玉県秩父市出身。
1988年8月、林家こん平に入門
2000年3月、真打昇進

得意ネタは『青菜』『明烏』『愛宕山』『紙屑屋』『芝浜ゆらゆら』など多数。
落語の中に得意のものまねを組み入れることもあります。また、美術大学出身で「笑業デザイナー」を自認し、古典落語の他に、新作や古典に独自のアレンジを加えるなど、ユニークな世界を作り出しています。

立川談春さん
本名、佐々木 信行(ささき のぶゆき)1966年6月27日生まれ。東京都出身。
1984年3月、立川談志に入門
1997年9月、真打昇進

得意ネタは『文七元結』『紺屋高尾』『明烏』『芝浜』『居残り佐平次』など多数。
歯切れ良し、威勢良し、演技力良しで、自らを極限まで追いこんで演じる人情噺は迫力満点です。自伝エッセイ『赤めだか』がヒットし、テレビドラマ『下町ロケット』での演技が評価されるなど、幅広く活躍しています。

春風亭小朝さん
本名、花岡 宏行(はなおか ひろゆき)1955年3月6日、東京都北区出身。
1970年4月、五代目春風亭柳朝に入門
1980年5月、真打昇進

得意ネタは『たがや』『試し酒』『池田屋』『愛宕山』『牡丹燈籠』『子別れ』など多数
スマートな語り口と小気味好いリズムが特徴で、華がある噺家の一人です。物心ついた頃から寄席に通い、中学生のときには100以上の落語を覚えていたという天才肌。「六人の会」の結成や「大銀座落語祭」を手掛けるなど、プロデュース能力も抜群です。

まとめ

落語は噺自体が面白いものも多い上、落語家がその時々の時事や世相を入れ込んだり、お客さんによって内容を変えたりするため、同じ噺を同じ落語家が演じても全く同じ内容になることはありません。
聴く側も年齢や立場、その時の境遇などによって感じ方や受け取り方が変わってきます。
こういった事情から、落語家をランク付けすることは非常に難しく、実力や人気がありながら今回のランキングから漏れている人がたくさんいます。ランキングはあくまでも参考として、自分好みの落語家を見つけるための手掛かりとしていただければ幸いです。

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