家庭菜園

玉ねぎの変種「エシャロット」を育てて楽しむ

関連キーワード

小さな玉の玉ねぎようなエシャロットは、フランス料理やイタリア料理で欠かせない食材のひとつです。
エシャロットを炒めると、玉ねぎとにんにくを炒め合わせたような香りが、まろやかに甘く漂います。

現在、徐々にエシャロットもスーパーなどの店頭にも並ぶようになりましたが、国内ではそれほど流通していなかったとき、手に入らないし、玉ねぎの仲間だからということで、小さな玉ねぎを代用品として使うことがよくありました。

現在も、国内で流通しているエシャロットは、ほとんどが輸入品で、国内産のエシャロットはほぼ流通していません。

エシャロットを育てた場合、玉ねぎほど大きくならないため、普通のプランターでもたくさん栽培することが可能です。
国産の無農薬のエシャロットを容易に手に入れためには、自分でエシャロットを育てて収穫するのが一番の早道です。

若採りらっきょう・根らっきょうを「エシャレット」「エシャロット」としたものに注意

土寄せして白い部分が多くなるように育てたらっきょうの、若芽を収穫した「若採りらっきょう」「根らっきょう」が、エシャロットに似ているとして「エシャレット」と名付けて売り出されています。
「エシャレット」は「エシャロット」として売られていることもよくあるため、根らっきょうをエシャロットだと勘違いしている人も多いようです。
本来のヨーロッパでいう「エシャロット」は、若採りらっきょう・根らっきょうとは全く別物なので、気をつけましょう。

らっきょうと混同されないように、エシャロットは「ベルギー・エシャロット」として流通することが多くなりました。
本来のエシャロットは、玉ねぎの仲間なので表面を茶色い薄皮で覆われていて、ラグビーボールに似た形の、小さな玉ねぎのような外観をしています。

エシャロットは中央アジア原産の香味野菜

中央アジア原産のエシャロットは、中東やヨーロッパでは古くから香味野菜としてよく用いられてきました。
スライスしたり、みじん切りにしたり、すりおろしたりして細かくしたエシャロットを、ソースやドレッシングの材料にしたり、サラダに加えたり、煮込み料理やスープに加えたりしました。

エシャロットの保存は、夏場は傷まないように冷蔵庫に入れることもありますが、通常は新聞紙などにくるんで冷暗所で保存します。

エシャロットの育て方は玉ねぎとほぼ同じ

エシャロットと玉ねぎは、育っていく様子が異なりますが、育て方はよく似ています。
玉ねぎは、一つの苗の根に近い部分がどんどん膨らんで大きく育っていきますが、エシャロットは分球して球数が増えていきます。

エシャロットの種球根を購入し、10~15cmずつ間隔を開けて、土に埋もれるように種球根を植え付けて育てます。
エシャロットは、玉ねぎ同様、乾燥気味に管理しましょう。

エシャロットの植え付けはプランターなら培養土を使って

エシャロットを地植えにする場合は、30cmほど掘り起こしたところに、有機堆肥をたっぷり入れ、苦土石灰を少量まいた上で土とよく混ぜ合わせ、土を埋め戻して畝立てしたところに植え付けていきます。
プランターで栽培する場合は、培養土を使うのがおすすめです。
古土を使う場合は、腐葉土を混ぜ込んだ上に苦土石灰を少量混ぜてから、黒いビニール袋などにまとめて入れて、1ヶ月以上寝かせてから使うようにしましょう。
土のリサイクル材・再生材を利用するのもおすすめです。

エシャロットは種や種球根を植えて育てる

エシャロットの種ができない品種の種球根が種として流通していますが、花が咲いて種が取れる品種もあり、種が採れれば種から育てることとも可能です。
本来のエシャロットの種は、エシャロットの種球根以上に流通していないので、入手が困難です。

種から育てる場合は、種を苗床にまいて、鉛筆くらいの太さのネギの状態になったものを10~15cm間隔で植え付け直すようにします。

エシャロットは玉ねぎのように秋植えにするのがおすすめ

エシャロットを種から育てるときは、9~10月に種まきしますが、種球根から育てるときや、苗を植え付けるときは、11~12月に行います。
寒冷地では、10月下旬~11月中旬までに植え付けておきましょう。
土の上に黒マルチを敷いても構いませんが、わらが手に入るのであれば、敷きワラをしておくと保温性も富んで、生育も良くなります。

エシャロットの植え付けと水管理

エシャロットの苗や種球根の植え付けは、植え穴を掘ったところに水を入れた後、苗や種球根を植え、土をかぶせて土をポンポン軽く叩いてなじませた後、もう一度水やりします。
地植えの場合は、根付いた後は自然任せにして水やりはしません。
プランターなどに植え付けた場合は、表面の土がかなり乾いてきたら水やりをするようにします。

5~6月頃になると、ネギの部分が根本から倒れて枯れ込んでくるので、天気の良い日に(土があまり湿っていないときに)収穫をします。
地上部分を軽く引っ張るだけで収穫ができます。

収穫後は風通しの良い場所で保存しましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ