ガーデニング

さわやかな香りのハーブ・ベルガモット(モルダナ)を育てて楽しむ

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ベルガモットは、香りがベルガモットオレンジに似ていることから「ベルガモット」と名づけられたハーブですが、シソ科モルダナ属に分類されるので、「モルダナ」とも呼ばれています。

「ベルガモット」と呼ばれるモルダナは、「タイマツバナ」の和名のある「モルダナ・ディディマ」のことをさしますが、「モルダナ」というと、ベルガモットも含めたモルダナ属すべてをさします。
しかし、ベルガモット以外のモルダナも、ベルガモットとして流通していることがあります。

モルダナとはどういう植物なのか、開花時期や性質も含めてご紹介するとともに、ベルガモットについて詳しくご紹介していきましょう。

モルダナは真夏に花を咲かせる丈夫な植物

モルダナは、冬には地上部分がなくなりますが、春になると芽を出し、夏には開花する、北アメリカを原産地とする多年草で、赤や白、ピンク、紫など豊富な花色があります。
モルダナは約20種ありますが、それらの交配種や自然交雑種が多数あり、多年草以外に、一年草の品種や暑さに弱いために一年草扱いになっている品種もあります。

主に栽培されているモルダナは、ベルガモット(モルダナ・ディディマ)と、「ヤグルマハッカ」の和名のある「モルダナ・フィスツローサ」と、この2種の交配種です。
ベルガモットの赤い花は、松明が赤々と燃えているように見えることから「タイマツバナ」の和名がつけられました。

モルダナの花期は夏真っ盛りの6~8月で、まっすぐに伸びた茎の先端に、小さな花が寄り集まってできた4~6cmの「頭状花」を咲かせます。
一つ一つの花は小さな筒状になって上を向いていて、先端が上下に分かれ、まっすぐに上に伸びた部分とリップ状に広がった部分に分かれます。

モルダナはハーブティーにぴったりのさわやかな香りがある

モルダナの香りは品種によって違いもありますが、花だけではなく、葉っぱや茎など、全草にさわやかな香りがあります。
フレッシュなままでもドライにしても、ハーブティーに用いることができます。

ベルガモット(モルダナ・ディディマ)は、名前の由来の通り、ベルガモットオレンジに似たさわやかな柑橘系の香りがします。
レモンベルガモット(モルダナ・シトリオドラ)はレモンに似たすっきりとした香りがするのでレモンベルガモットと名づけられています。

紅茶アールグレイの香りづけに用いられるベルガモットは、ハーブのベルガモット(モルダナ)ではなく、柑橘類のベルガモットオレンジの方ですが、ベルガモット(モルダナ・ディディマ)のハーブティーは、アールグレイに似た香りになります。

モルダナは春か秋にポット苗か株分けして植えて

モルダナは夏の暑さに強いだけでなく、-15℃まで耐える耐寒性の高さも持つため、一度植えると枯れることなくどんどん広がっていきます。
モルダナは丈夫さゆえに市場にあまり出回らないため、苗を取り扱っている園芸店も少なく、モルダナの苗を手に入れるには、育てている人に株分けしてもらうかポット苗をネット購入するのがおすすめです。

モルダナは種でも流通していますが、発芽率が高いうえに繁殖力も弱くないので、種まきすると広がりすぎることがあるので気を付けましょう。
種まきの適期も、苗の植え付け適期と同じく、春と秋になります。

モルダナはハーブですが、肥料分を好むので、普通の培養土に植えるか、庭土に腐葉土をたっぷり混ぜ込んだ土で栽培しましょう。
春と秋に緩効性化成肥料をまいておきましょう。

日当たりが悪いと花が咲かなくなるので、日当たりのよい場所で育てます。
モルダナは土がからからに乾くのを嫌うので、表面の土が乾いてきたらたっぷりと水やりし、真夏は乾燥しすぎないように注意しましょう。

ベルガモットを夏前に切り戻すとコンパクトに育てられる

ベルガモット(モルダナ・ディディマ)は、特に花の少ない初夏~秋にかけて、鮮やかな真っ赤な花を咲かせるので、ハーブティーや料理に使われるだけでなく、切り花としても重宝します。

モルダナの草丈は60cm~1.5mと品種によってばらつきがあり、ベルガモットは80cmくらいになりますが、夏前に切り戻して草丈を低くしておくと、コンパクトな草丈で花を咲かせることができます。

ベルガモット(モルダナ・ディディマ)は地下茎で横へ横へと広がっていきます。
鉢植えで育てる方が広がりすぎを防げますが、すぐに鉢の中が根でいっぱいになって根詰まりしやすいので、2年おきぐらいには植え替えるようにしましょう。

真夏の炎天下では花色が悪くなってしまうことがありますが、気温が高くならない寒冷地では夏の花色はきれいになります。
花が終わったら早めに花殻摘みをしておかないと、種がついて次の花が咲きにくくなってしまいます。
種をとってもかまいませんが、こぼれ種でどんどん増えすぎて困ってしまうことがあるので、できるだけ種をつけないようにしましょう。

秋になって地上部分が枯れてきたら、地際でばっさりと切り落としておきます。
地上部が枯れても地下部の根が越冬して春になるとまた芽吹いてくれます。
しかし、根まで凍ると枯れることもあるので、寒冷地で凍結が心配な場合は、敷き藁などの防寒対策をしておきましょう。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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