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花しょうぶを小さな鉢植えで育てて楽しむには

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花しょうぶは江戸時代には庶民にも広く栽培されるようになり、現在でも愛好家も多く、開花時期には全国の菖蒲園が毎年大勢の人出でにぎわいます。
花しょうぶは品種も5000種以上あり、広大な敷地に咲き誇る姿は息をのむ美しさですが、一つの花そのものの花もちは3日程度しかないので、広い庭のない人には敷居の高い植物に映ります。

しかし、花しょうぶそのものの育て方はそれほど難しくなく、鉢植えで少しだけ育てることもできます。
自分で楽しむ分には、作法など気にする必要もありません。
自宅で自分のために花しょうぶを一株育ててみませんか。

丈夫で育てやすい品種の花しょうぶを選ぶ

花しょうぶの原種のノハナショウブは丈夫で育てやすい山野草ですが、品種改良が進む中で、育てやすさよりも花の豪華さが追及された品種も多くあります。
傾向としては、豪華で大きな花の咲く品種ほど、育てにくく、枯れやすい傾向があります。

豪華な花のものでも育てやすいものもあるので、はじめて花しょうぶを栽培するのであれば、「丈夫で育てやすい」とおすすめされている品種の中から選ぶようにしましょう。

おすすめは花を見て苗を買って帰り株分けする

花しょうぶの株分けや植え付けの適期は、開花直後か初秋です。
できれば花しょうぶの開花期間に菖蒲園を訪れ、開花している花を見て、気に入った花の苗を購入しましょう。
菖蒲園で購入すると、育てやすい品種かどうか質問することもでき、細かなことも教えてもらえるので、さらに育てやすくなります。

持ち帰ってすぐに葉の長さが20cmくらいになるところで切って株分けして育てるので、切り花として花しょうぶをすぐに楽しむこともできます。

秋は葉っぱしかないうえに、冬になると地上部が枯れてしまい、春に不幸なことに芽吹いてこないこともあるので、育てがいのない結果になることも考えると、花も咲いている苗を買ってくるのが一番です。

春の新芽の時期に購入すれば、春に芽吹いてこないという事態に陥らなくても済みますが、新芽は痛みやすいので通販はおすすめではありません。
通販で購入する場合は、新芽時期よりは初秋に購入するのがおすすめです。

開花直後の株を株分けして植え替える

そのまま株を一回り大きな鉢に植えつけるときは、ポリポットを外して根を水中でできるだけほぐしてから植えつけますが、開花直後の株は株分けしてから植えつけましょう。

ポットを外したら、花茎が付いていたところを中心にして半分に割り、さらに細かく株を分けて1〜3篠ずつに切り分けます。
できれば手で分けますが、難しいときは清潔な鋏で切り分けましょう。
少し切れ目を入れて、手で割くときれいに分かれます。

10.5cm程度の小さな鉢に根茎がぎりぎり隠れるくらいの浅植えにします。
肥料がない土の方がいいのですが、普通の培養土でも構いません。
赤玉土小粒にバーミキュライトを半量ほどブレンドした土がおすすめです。

鉢底から水が流れ出るまで水やりし、鉢皿に1cmほど水をためておきましょう。
2か月くらいして順調に伸びてきたら、18cmくらいの鉢に植え替えましょう。
植え替えるときは根鉢を崩さないようにしながら、普通の培養土を加えて植え替えましょう。

花しょうぶは日当たりのよいところで育てて

花しょうぶは日当たりのよい場所で育てましょう。
少なくとも、半日以上日が当たる場所で育てます。
花しょうぶは、花芽が上がってきたとき、水切れを起こすと花が咲かなくなってしまうので、開花時期前後は水中で育てていますが、本来の花しょうぶは水中ではなく、普通の土壌で栽倍します。
水中で育てるのは花どきだけで、ずっと水の中で育てようとすると根腐れしてしまうので注意してください。

肥料は夏から秋にかけてたっぷりと

花しょうぶは夏から秋にかけて葉っぱで作った栄養を根に蓄え、この養分を使って春に芽を出し、花を咲かせます。
花しょうぶは夏から秋にしっかり肥料を与えることできれいな花を咲かせてくれます。

株分けしない花については、花後直後から、株分けをした株については株分け後1か月ほどしてから施肥しましょう。
肥料は有機肥料に限らないので、液体肥料なら10日おきくらいに、緩効性化成肥料なら1〜2か月ごとにひとつまみまいておきましょう。

植え替えないときは葉っぱが枯れるまで刈り取らない

花しょうぶの葉っぱは、夏〜秋にかけて大きく育ちます。
大きく育っても花が咲くわけではないので、邪魔だと思うかもしれませんが、この時期に栄養をしっかり蓄えるので、しっかり葉に日光を当てて育てましょう。

花しょうぶを植え替えたり株分けしたりするときは、水分の蒸発を防ぐために葉っぱを短く切り取りますが、植え替えない場合は、切らないでそのまま育てます。
葉っぱが枯れてしまうまで刈り取らずに葉っぱを育てて、葉が枯れこんでしまったら地際で刈り取っておきます。

なるべく毎年開花直後に葉を切ってから株分けして

鉢植えで花しょうぶを育てる場合、同じ大きさの鉢で育てる場合は、毎年株分けして育てます。
株分けを行わない場合は、そのまま一回り大きな鉢に植え替えて育てますが、余り株分けをしないでいると生育が悪くなるので、2〜3年ごとに株分けするようにしましょう。

株分けするときは、開花直後に葉を20cmくらいに切ってから株分けします。
花しょうぶは同じところで育て続けると連作障害を起こすので、鉢植えでも毎年植え替えて育てるのが最適です。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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