伝統工芸

長崎県の静かな陶芸の街・波佐見! 日常的に使いたい波佐見焼とは?

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九州の陶器と言うと、佐賀県の伊万里焼や有田焼を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
長崎県はどちらかというと、西洋風のガラス工芸品のグラスや吹いて音を出すチャンポンのイメージが強いと言う人もいます。
しかし、長崎県には、日本の食卓にマッチするというよりも、あたり前過ぎて気に留める事も少ない日常的に使用する陶器の食器を作っている場所があります。
その場所が、今回ご紹介させていただく「波佐見」と言う場所です。
町自体も特徴がありますので、順番にご紹介させていただきます。

長崎県の波佐見とはどんな場所?

九州の中心都市とも言うべき福岡県から佐賀県を抜け、ちょうど長崎県との県境に近い場所に波佐見があります。
温泉地で言うと、佐賀県の嬉野温泉から同じ佐賀県の武雄温泉に行く途中で、立ち寄ることができる距離です。
長崎県の玄関口とも言える諫早からは、車で1時間前後の場所ですので、佐賀県から行ったほうが近いです。
この波佐見の特徴と言えば、誰が来てもわかるくらい陶器の町だという事です。
焼き物の窯があちこちに見え、道路沿いには陶器販売の店が立ち並んでいます。
一体、どのくらい前からこのような街並みになっているのでしょうか。
波佐見焼について、少し歴史を紐解いてみます。

・波佐見焼の歴史

波佐見焼発祥の歴史は、豊臣秀吉の時代にまで遡ります。
当時、波佐見地区を治めていた大村藩主が、朝鮮から陶工を連れて帰国しました。
その陶工が登り窯を築いたのが、1598年ですので420年以上の歴史があります。
当時より、高価な焼き物よりも庶民向けの焼き物ということで、江戸時代には特に人気があったということです。
では、波佐見焼とはどんな特徴がある焼き物なのでしょうか。
次項では波佐見焼の特徴についてご紹介させていただきます。

波佐見焼はどんな陶器?

もしかすると、既に日常的に使用しているかもしれない波佐見焼ですが、どのような特徴がある焼き物なのでしょうか。
近所のスーパーやホームセンターのワゴンセールで、たまたま見つけた良さそうな陶器の食器が波佐見焼だったという事があっても不思議ではありません。
今使っているのがどこの陶器かわからないけど、波佐見焼のような気がすると言う方は、調べてみるのも面白いかもしれませんよ。

・波佐見焼の特徴1 リーズナブルな料金で購入できる!

波佐見焼の特徴の一つ目として、お値段がリーズナブルだという事です。
もちろん波佐見焼の中にも、ちょっと高価かもという器はありますが、日常生活で使用することを前提とされているため、お求めやすい料金で販売されています。
また、シンプルなデザインのものや、使いやすい柄のものも多いため、この料理の時はこの器で、今日の気分はこの器など、用途に合わせて器を選ぶこともできます。
箸置きや醤油さしなど、食事の際に使用するちょっとした小物もありますので、今、器は欲しくないという方でも、ちょっとしたインテリア感覚で購入するのも悪くないのではないでしょうか。

・波佐見焼の特徴2 丈夫なものが多い!

波佐見焼の特徴の二つ目として、汁物や飲み物の器としても使用できるくらい耐熱性があり、しかも丈夫だという事です。
大切なお客様が来た時には、高価な陶器の器を使用するという人は多いですが、日常的に高価な食器を使用するという事は一般家庭ではほぼありません。
理由として、高価な食器は観賞用のものが多く、熱すぎるお茶などを入れるとそれだけでヒビが入ってしまうというものもあります。
もちろん、耐熱性があるものもありますが、どれだけ薄く焼けるかということにこだわりを持つ職人もいますので、一概には言えません。
特に国宝級の陶器の焼き物などは、耐熱性があっても使用するのがはばかられてしまいます。
波佐見焼は、庶民の焼き物と言うくらいですので、かなり丈夫にできています。
耐熱性はもちろん、食器の種類によっては木の床に落としても割れないくらい丈夫なものもあります。
丈夫な分、食器としての寿命も長いですので、毎日使用することも可能です。

波佐見の町に湧く温泉とは?

実は波佐見には、知る人ぞ知る温泉があります。
その名も「はさみ温泉」です。
温泉施設とレストランが併設されている場所もありますが、宿泊できる旅館にある温泉もあります。
トロトロ感がある泉質で、入浴すると塩化物泉のポカポカ感が持続する美人の湯でもあります。
また、施設によっては、この温泉に炭酸を含有させて高濃度炭酸泉としている場所もあります。
高濃度炭酸泉は、独特の泡付きがあるのが特徴ですが、心臓の湯とも言われ、体の毛細血管を開く効果が期待できます。
それにより、体の中から温まるという人もいます。

いかがでしたか。
長崎県の陶器の町・波佐見と波佐見焼についてご紹介させていただきました。
今回は波佐見焼がメインですが、知る人ぞ知る「はさみ温泉」もご紹介していますので、陶器を物色して少し疲れた時には、温泉と料理で癒されるのも良いのではないでしょうか。
実は「はさみ温泉」の中には、石窯でピッツアを焼いているイタリアンレストランや温泉施設が併設されている場所もありますので、探してみるのも面白いかもしれませんよ。

プロフィール
小井 明日香(こい あすか)
福岡県生まれ
温泉が好きすぎて大分県別府市に移住
温泉資格の「温泉シニアマイスター」を持っており趣味は温泉巡り
1日に数湯の温泉に入浴することもある温泉マニア
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