伝統工芸

自然の木の持つ美しさを活かす漆 山中漆器「彩庵」

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山中漆器は、石川県加賀市山中温泉の大聖寺川源流の真砂(まなご)町(現在廃村)が発祥の地といわれています。
永禄2年(1559年)の越前朝倉氏から下された免許状と、天正8年(1580年)正親町(おおぎまち)天皇から賜った綸旨(りんじ…天皇の意向が書かれた文書)の写しが残っています。

真砂村の木地師は、トチやケヤキなど良材を求めて深山に入り轆轤(ろくろ)でお椀、お盆などを作り、原木が尽きるとほかの山にうつる生活をしていたようです。ですので、原木伐採の自由を求めた綸旨や諸役免除と商いを認めた免許状は、彼らにとってきわめて大事な文書であったようです。

真砂に伝わった轆轤(ろくろ)技術は、江戸時代の初め頃には、すでに九谷の村にも伝わっていたことが、最近の九谷での発掘調査で作りかけのお椀が出土したことから確認されました。元禄時代には、山中温泉まで轆轤(ろくろ)技術が伝わり、湯治客への直売も行われました。
さらに蒔絵の技術も加わり漆器の特産地としての地位を固めました。明治になると海外へ輸出するようにもなりました。

特徴の一つ 美しい木目(拭き漆、すり漆)

山中漆器は、基本的にその木の持つ美しさ、木目を生かすために漆には、色を付けず生漆(きうるし・なまうるし)のまま塗っています。
艶が出るまで何度も塗っては、拭いて(摺りこんで)又塗っては、拭いてを繰り返し艶を出していきます。
出来上がった当初は、拭き漆もちょっと黒っぽいのですが時間がたつにつれ、透明度が増して木の色になっていきます。

熱伝導率が低いので熱いものは冷めにくく、冷たいものは、冷たさが長く続きます。
木材は、中国産の場合「なつめ」「樫」 国産の場合「けやき」「とち」「さくら」「くり」「杉」を使用しています。木を、しみ込み、汚れ、腐敗から守る堅牢かつ極めて安全性の高い素材です。 木にこだわり安全な漆を使い、きちんと下地や下塗り、上塗を施した「彩庵」の商品はお子様からご老人まで幅広く安全にご利用いただけます。
日々の暮らしに日本の伝統と安全性をもちあわせた漆の製品を取り入れてみませんか?


山中漆器「彩庵」
https://cutlery-saian.com/
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