伝統工芸

カメオの発祥地はどこ?横顔が多いのはなぜ?

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古代から製作され、ペンダントやブローチなどのアクセサリーでおなじみの「カメオ」。
精巧な技術が必要とされるカメオですが、いつ頃から製作されているのでしょう?今回はカメオの起源をたどり、そのモチーフについても調べてみます。

カメオ技法の発祥

カメオというと石や貝殻に彫られた装飾品を思い浮かべる人が多いと思いますが、元々カメオは彫刻技法を指す言葉です。
材料となる素材の名前をつけて、シェルカメオやストーンカメオと呼ばれます。宝石彫刻の歴史は長く、その起源は古代文明発祥の地メソポタミアにまでさかのぼります。
今から約6000年も前の紀元前4000年頃、すでに高度な宝石彫刻が行われていたのです。

装飾品としてのカメオ

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装飾品に使われることの多いカメオ細工は、紀元前4世紀末頃に生まれました。最古のものは古代エジプトに見られます。
めのうやサンゴ、水晶などの宝石や、貝殻や象牙を使い、めのうや貝の縞を利用して、暗い色層を背景に明るい色層に浮き彫りをします。
古代ギリシャ・ローマでは質の高いカメオが製作され、その後、一時すたれたもののルネサンス期に復活。華やかな宮中文化の中で、貴婦人たちが競って身につけるようになりました。

カメオのモチーフ

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カメオには多くのモチーフがあります。風景や動植物、神話、天使などに加え、人物の顔も題材としてよく使われました。写真の技術が発達する以前、自分の肖像画を後世に残すことは権力の象徴でした。
そのため、皇帝や騎士などの顔が古代よりカメオに多く残されているのです。

女性の横顔

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カメオと聞いてまず思い浮かべるのは、女性の横顔という人も多いのではないでしょうか。
女性の顔のカメオは、古代ローマ時代に流行ったといいます。女性が自分の若い頃の姿を残し、それを自分やパートナーが持てるように彫らせたようです。
正面の顔でなく横顔が多いのは、暗い色をバックに浮き彫りをするため、二層のコントラストによって横顔の輪郭が美しく表現されるからです。

まとめ

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カメオ彫刻の技法は、今から約6000年も前に確立され、紀元前4世紀ごろからは装飾品として使用されていました。
女性の横顔が有名ですが、それ以外にもいろいろなものが存在します。時代が変わっても色褪せない美しさがあるカメオ。機会があれば、精巧な浮き彫りをじっくりと鑑賞してみてください。
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