伝統工芸

日本の四季を彩る扇の世界

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外出先でも気軽に持ち運べる扇。最近ではそのファッション性の高さから海外でも「ジャパニーズファン」として親しまれるようになりました。気温の上がる春から夏場にかけて大活躍する扇は桜や波模様といった柄が人気ですが、実は秋や冬を題材とした扇もたくさん出ており、四季それぞれの楽しみ方が出来るアイテムです。今回は四季折々の扇とともにその種類やマナーについて紹介します。

扇の種類

扇の種類は生地によって分けることが出来ます。紙を使用した「紙扇子」は伝統技術を用いた扇が楽しめ、「生地扇子」はプリント加工が可能なためデザイン性に富んでいると言われています。そして最近では扇にフレグランスをつける方もいますが、そんな方におすすめなのが「白檀扇子(びゃくだんせんす)」。白檀の甘い香りがほのかに香る趣のある扇です。用途によっては茶席で利用する「茶扇子」、お祝い事に使われる「祝儀扇」なども存在します。一口に扇といっても込められた思いや技法が異なるため、お供となる扇について勉強するのも楽しみ方の1つです。

扇のマナーをおさらいしよう

扇のマナーの基本も抑えておきましょう。扇の開き方は親骨を両手でもって右側に1本ずつずらします。また完全に開かず2、3本残すのが良いとされています。閉じ方も同じく1本ずつゆっくり閉じましょう。男女ともに4本指で持つのは一緒ですが男性は右手で持つ場合、親指を右側に出すように持ち女性は親指が左側に入るように持つのが良いとされています。

春・夏の扇の世界

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扇の中でも人気の高いデザインと言えば春の桜。お祝いの際にも重宝されています。そして同じく紅白の梅も春らしいデザインです。ピンクの麻の葉模様の扇もよく目にしますが、麻の葉の成長の早さから子供の成長を願う意味が込められているのです。そして夏の扇はやはり涼しさを感じられるデザインが人気。波と千鳥が合わさった「波千鳥」は荒波を越えることから家内安全の意味があります。他にも夏の季語である金魚や鮎の扇もたくさん種類があり、ホタルをあしらったデザインではラメが入った扇なども登場しています。

秋・冬の扇の世界

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秋や冬に扇を使うイメージはあまりないかもしれません。しかし折り畳める利便性から室内の温度が高いときに仰ぐ、また昨今の飛沫対策として扇で口元を抑える方もいらっしゃるようです。秋であれば紅葉柄の扇は外出先で風景とともに写すと「映える」こと間違いなし。またトンボ柄は季節にマッチしているだけでなく「勝負に勝つ」という意味もあるため試験や大会を控える方へのプレゼントにも喜ばれます。冬の扇は雪結晶やうさぎ柄が人気です。深い青と白のグラデーションが素敵な愛染めの扇も冬場のイメージにあっているのではないでしょうか。洋服と同じように四季に合わせて扇を持つことで季節感を感じさせるワンポイントアイテムになるのです。

まとめ

扇は利便性とデザイン性を兼ね備えた優れものです。春夏秋冬どの季節でも雰囲気に馴染む扇が必ず見つかるはず。今年は1本、お出かけのお供として扇を持つ習慣を作ってみてはいかがでしょうか。
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