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スーパー健康食!韃靼そばをご存知ですか?

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韃靼蕎麦は、スーパー健康食

ソバの種類は大きく分けると、普通蕎麦・韃靼蕎麦・宿根蕎麦の3種類。これらの中で食用となっているのは、普通蕎麦と韃靼蕎麦です。私たちが普段食べている日本蕎麦は普通蕎麦ですが、これは生産性が低い在来種を品種改良して作られた改良品種。ひとくちに改良品種といっても品種によって大きさや味が異なります。
もう1つの食用ソバの韃靼蕎麦は、別名「苦蕎麦」とも呼ばれ、色は黄色く、茹でると黄色がより強くなります。ヒマラヤやプータンでは、団子状にして煮たり、ホットケーキのように焼いて食べるといいます。また、中国では、乾麺・パンの他、蕎麦茶として愛飲されたり、味噌・醤油・お酢・酒などの発酵や醸造食品、医薬品などにも利用されています。

ヘルシーフードとしての観点からみると、普通蕎麦よりも韃靼蕎麦の方が栄養価が突出しています。
韃靼蕎麦の実に含まれるルチンの含有量は、日本で食される普通蕎麦の約100倍もあるからです。
さらに、韃靼蕎麦には動脈硬化を防ぐルチンを含む、次のような様々な栄養素が含まれており、まさにスーパー健康食といっても過言ではありません。

韃靼蕎麦の栄養素

(参考文献「ダッタンソバの高齢者高脂血症に及ぼす臨床効果」)

■ルチン:血管を強化し、血中の糖やコレステロール・血圧などを下げる。

■ケセルチン(ポリフェノール):動脈硬化・脳梗塞・老人性痴呆症・リウマチ性疾患・心筋梗塞・痛風・糖尿病・癌の予防。

■ビタミンE:美容効果。

■脂質(オレイン酸・リノール酸などの不飽和脂肪酸):
◎リノール酸:悪玉コレステロールを減らして動脈硬化の原因となる血栓の生成を防ぐ。
◎オレイン酸:悪玉コレステロールを減らすが、善玉コレステロールは減らさない。

■シス・ウンベル酸:メラニン色素の生成を抑制し、シミとソバカスを防止。

■食物繊維:排便を促す、コレステロールを排泄し、糖尿病を予防。

■タンパク質:不眠症や情緒不安定、免疫力の低下、肌あれなどの防止。

■カルシウム:骨を丈夫にする。

■鉄分:肌の血色を良くし、病気に対する抵抗力をつける。

韃靼蕎麦の効果的な食べ方

1日に必要とされるルチンの摂取量は、30mg~50mg位とされています。
韃靼蕎麦の場合、100gあたりに含まれるルチンは500mg~1400mgといわれているので、1食=100g程度で充分に健康維持に必要な効果があるといえるでしょう。なお、ルチンは、過剰摂取しても体外に排出されるので、摂り過ぎても健康の害になる心配はありません。

前述の通り、ルチンは水溶性のため、蕎麦を茹でた蕎麦湯に溶け出してしまうので、蕎麦を食べた後に蕎麦湯も飲むことが望ましいとされています。
特に、韃靼蕎麦の場合、普通蕎麦の約100倍ものルチンが含まれることから、その実を使った韃靼蕎麦茶はボトル飲料として市販されるなど、ヘルシーフードとして高く評価されていることがうかがえます。

蕎麦粉で決まる蕎麦の種類

蕎麦は、製麺前の麺生地に含まれるソバの割合で、十割蕎麦、二八蕎麦、外二八蕎麦、逆二八蕎麦と呼称が異なります。
十割蕎麦は、その名の通り、小麦粉などのつなぎを一切使わず、蕎麦粉だけで作られます。お湯を加えて蕎麦粉のデンプンの糊化を促進させることで生地のまとまりをよくしますが、別途、蕎麦粉を糊化させたものをつなぎとして使用する場合もある。その他、微細製粉により手打ち十割蕎麦をつくる方法や押し出し麺の製法によって作るする方法、粗挽き蕎麦粉の水練りによって製造する熟練の手打ち製法などがあります。ちなみに、十割蕎麦は小麦粉をつなぎに使った二八蕎麦よりも切れやすいため、江戸時代では蕎麦は茹でず、蒸篭に乗せて蒸して、そのまま客に提供していました。現在も使われている「せいろそば」は、その名残です。

二八蕎麦は別名「内二八蕎麦」とも呼ばれ、蕎麦粉8:小麦粉2で打った蕎麦を指しますが、名称の由来は粉の割合であるという説と、江戸時代後期に値段が16文であったことから九九かけ算の「二×八」に由来するという説があります。ボソボソした食感の十割蕎麦に対して、喉越しの良さから二八蕎麦は江戸時代に爆発的な人気を博したと言われています。

外二八蕎麦の配合は前者とは少し異なり「蕎麦粉10:小麦粉2」で打った蕎麦の総称。
例えば、蕎麦を打つ粉の総量を1kgとするとソバ粉800gと小麦粉200gだと二八蕎麦で、ソバ粉1kgに小麦粉200gを加える総量1kg200gにした場合は外二八蕎麦になります。

さて、最後に控える逆二八蕎麦ですが…。実はこれ、立ち食い蕎麦屋で出される蕎麦や市販の乾麺などを指しています。
二八蕎麦の逆の配合で「蕎麦粉2:小麦粉8」ということなのでしょうが、実際にこの配合で作られているというわけではなく、この呼称は、ソバ粉はほんの僅かしか使われておらず、ほとんど小麦粉を練った“色付うどん”という皮肉を込めた意味合いのようです。

蕎麦湯も提供するというこだわりを見せています。
こうした立ち食い蕎麦屋が、どんどん増えていって欲しいものですね。

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