盆栽

早期発見と予防が決め手の初心者の盆栽病気対策

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丹精込めて育てている盆栽が、ある日突然病気になって枯死してしまったら、がっかりしてしまします。

初心者が行う盆栽の病気対策は、早期予防と発見が決め手です。盆栽に発生しやすい「根腐れ病」、「スス病」、「瘤根病」、「斑点病」、「うどんこ病」の5つには、特に注意が必用です。

早期発見と予防が決め手

病気が発生した盆栽が一鉢あると、周りに置いてある他の盆栽も同じ病気が感染してしまう恐れがあります。

その場合は、それぞれの症状にあった消毒薬を撒布して、被害の拡大を防ぎますが盆栽の病気に使う薬剤の多くは、早期発見には効果的ですが病気が酷くなってから使ってもすぐに効果が期待できないです。

そのため盆栽の病気対策には、毎日管理をしながらちょっとした変化にも気づき、病気が発生した場合は、早期対応が大事です。

かかりやすい5つの病気と対策

盆栽は植物と同じように色々な病気にかかります。特に盆栽がかかりやすい病気には、「根腐れ」、「スス病」、「根瘤病」、「斑点病」、「うどんこ病」の5つがあります。

*「根腐れ病」
「根腐れ病」は、字の如く盆栽の根が腐ってやがて樹木が枯死ししてしまう病気です。また、この病気は盆栽の樹種に関係なく起こる病気なので盆栽づくりの経験がある人は、だれでも一度や二度位の経験はする病気です。

盆栽に根腐れ病が発生すると、日頃元気だった葉が色あせたり枯れてきたりして、次第に枝枯れが起こり、やがて樹木が枯死してしまいます。

-発生する4つの原因
「根腐れ病」は、主に4つの原因から発生しますが、日常の盆栽管理の未熟さが一番の原因です。

一つ目の原因は、必要以上に水やりをしたりをした水や雨水がいつも盆栽鉢の底に溜まり、水はけが悪い状態になっていることです。二つ目は、水やりを忘れたりして、逆に土の表面を乾燥し過ぎたことです。三つ目は、適量以上の施肥を与えたことです。4つ目は、植え替えを適期以外に行ったり、植え替えしたりした後の管理が悪かったことです。

これら4つの原因によって、根に腐敗菌が付いて細根が腐ってしまうので、根から必要な栄養成分を吸収できなくなって樹木を枯死させてしまいます。

-根腐れを起こさないための予防と対策
根腐れの予防対策として、木灰や生石灰の上澄み液を作り、梅雨時期と土用明けの頃に少量を鉢土の上から与えることがおすすめです。

根腐れを起こしている場合は、天気が良くても鉢土の表面の乾き具合が悪いので見つけやすいです。このような状態になっている盆栽はほとんど枯死状態なので、細根の毛根から水を吸い上げることが出来なくなっていため、お天気が良い日でも鉢の土が乾燥しないです。

根腐れにより枯死状態の盆栽は、植え替えの適期まで待って、早く植え替えをします。腐った根は残さず切り込み、水はけの良い用土を使って植え替えをします。その際、盆栽鉢は綺麗に洗ってから使います。また、植え替えをした盆栽は、半日陰の場所に半日から1日位置き、葉水も忘れずに与えます。

根腐れを見つけても植え替えの適期から離れていたら、出来るだけ日当たりの良い場所に盆栽を置き、鉢を斜めにして水やりを控え、鉢土が乾くようにします。土が乾いてきたら、元通りに鉢を置き直します。

一度根腐れをしてしまった樹木を元の元気な状態に戻すとは難しいので、日頃の盆栽管理をする際は、水かけ、施肥、適期の植え替え、用土などに注意をしながら盆栽を育てることが大事です。

*「スス病」
「スス病」は、盆栽の葉や枝に黒い煤のようなものが付き、やがて枝枯れを起こしてしまう病気です。

梅雨の時期から盛夏の8月頃までの間、陽当たりと風通し不足の場所で盆栽を管理すると、この病気にかかりやすいです。

-発生原因と早期予防
スス病が発生する原因は、樹木に付いたカイガラムシやアブラムシの排泄物に発生する菌です。

スス病の予防対策は、日当たりや風通しの良い場所で盆栽を管理することが一番です。同時に、原因となるカイガラムシやアブラムを樹木に寄生させないことも大事です。もし、これらの害虫を見つけたら、すぐに駆除をします。

もし、スス病の発見が早く枝先位に発生した場合は、その部分の小枝を切って焼却処分をして、ダイセンやボルト液を発生した部分を中心に散布します。しかし、この病気の発見が遅く、太枝まで拡散した場合は、薬剤を樹木全体に丁寧に散布します。この作業を5日位に1回の割合で3~4回位行うと効果的です。

スス病は、原因となるカイガラムシやアブラムシが樹木に寄生しないように管理をしますが、虫が付いてしまっても早期対策が大事です。

*「根瘤病」
「根瘤病」は、盆栽の樹種の中でバラ科のカイドウ、ボケ、チョウジュバイなど、花もの盆栽に多く発症しやすい病気です。

根瘤病にかかった樹木は、根の部分に瘤状の塊ができ、この瘤をこのままの状態にしておくと根が養分を吸収することが出来なくなってしまうので、枯死してしまいます。

-瘤ができる原因と予防対策
根瘤病が発生する原因は、土の中に生息しているバクテリアの感染と言われているので、植え替え以外に発見することができないです。また、この病気は伝染病なので、根や土をそのまま置いておくと、他の盆栽や庭木なども感染してしまいます。そのため根瘤病にかかった根は必ず全て切り取り焼却処分をして、鉢土は焼土します。

しかし、この病気の確実な予防対策はないで、盆栽の苗木や樹木を購入する際は、信頼のおける盆栽店や園芸店などで購入することが予防の第一歩です。また、昨今の住宅環境のなかで焼却処分をすることが難しい場合は、ビニール袋に入れて地域のごみ出しのルールに従って処理をします。

根瘤病が発生した盆栽の樹木はすぐに枯れたりしないですが、元通りに回復するまでは時間がかかったり、再発をしたりする可能性が高いので、挿し木や取り木などをして、新たに盆栽づくりをはじめることも一つの方法です。

*斑点病
斑点病は、盆栽の樹種の中で雑木盆栽に発生しやすく、葉に褐色、灰色、黒色などの斑点が生じます。また、葉だけではなく果実にも生じることがあり、落葉時期でもないのに葉が落ちたり、果実も熟したりしていないのに落ちたりしてしまいます。

斑点病の原因は、陽当たりと風通し不足により発生したカビや細菌です。この病気の予防には、日当たりと風通しが良い場所で盆栽を管理して、落ちた葉、枝、果実は出来るだけ早く集めて焼却処分をすることです。

また、置き場所の管理だけでなく枝や葉が混んでいる場合は枝や葉をすかします。また、ポルドー液や石灰硫黄剤を散布したりして、感染の拡大を防ぎます。

*うどんこ病
うどんこ病は、雑木盆栽のもみじやソロがかかりやすく、3月から5月頃、梅雨時期、9月から10月上旬頃に発生しやすい病気です。この病気にかかると葉や新梢などが白くなり、うどん粉をかけたようになってしまいます。

うどんこ病の原因は、他の病気と同じように陽あたりと風通し不足によるカビの発生です。

予防対策として、陽当たりや風通しの良い場所で盆栽の管理をして、落ちた葉は、焼却処分をします。うどんこ病を見つけたら、即時に薬剤のベンレートを散布すると効果的です。

盆栽の病気対策は、日頃からしっかりとした病気予防対策を行い、ちょっとした変化にも気づく早期発見が決め手です。
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