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全国約8万社のトップ!一度はお詣りに行きたい「伊勢神宮」

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平成25年、三重県にある伊勢神宮は式年遷宮を迎えました。
式年遷宮とは20年に1度、正殿や諸社殿、鳥居や神宝などすべてを新調するお祭りです。
パワースポットブームもあり、伊勢神宮の式年遷宮は大いに盛り上がりました。
そもそも、伊勢神宮はどういう神様が鎮座しているのか?
そして、他の神社と何が違うのか?
その謎を紐解けば、ブームに乗っかってお参りするには大変もったいない神社だとわかります!
そこで、伊勢神宮の魅力をたっぷりご紹介します!

伊勢神宮は1つだけじゃない!?

実は、「伊勢神宮」とはあくまで通称であり、正式名称は「神宮」です。
そして、日本全国8万社あると言われている神社のトップに君臨する特別な存在なのです。
日本の最高神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る「皇大神宮(内宮)」と、天照大御神の食事係であり、産業の神・豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀る「豊受大神宮(外宮)」、両宮の別宮、摂社、末社などすべてを含めた125社の総称が「神宮」なのです。
伊勢に鎮座するので、親しみをこめて「お伊勢さん」と呼ばれています。
そして、伊勢神宮を参拝する時は、外宮⇒内宮の順番で参るのがならわしとされています。
片方しかお参りしないことを「片参り」といって、昔から失礼なこととされてきました。
ですから、訪れる際は時間に余裕をもってどちらも参ることにしましょう。

◆天照大御神と豊受大御神とは?
神社をお参りするとき、「ここは縁結びに御利益がある」とか「あそこは受験に効く」と、私たちはどうしても願いを叶えてほしいという思いで参拝することと思います。
しかし、神様からすれば「誰だかわからないけど、願いを叶えてね」と訪ねられても、「知らんがな!」ですよね。
神様は広い心をお持ちですが、せっかくならどういった神様で、どういった願いを叶えやすくしてくれるのかを知って参拝するようにしましょう。

○日本の最高神・天照大御神
天照大御神は皇室の祖神であり、日本国民の総氏神です。
氏神とは元々、”氏”という同族集団が祀る神様のことですが、今は人々が住む地域に祀られている神様のことを言います。
ですから総氏神とは、日本全体の神様というわけです。
日本最古の歴史書「古事記」には、日本で初めての夫婦神・伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)と伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)が日本列島や800万もの神様を誕生させたと記されています。
しかし、伊邪那美大神は火の神様を産んだときに、ヤケドを負って亡くなってしまいました。
そして、妻を諦めきれない伊邪那岐大神は黄泉の国(死者の国)まで会いにいきますが、変わり果てた妻の姿を見て必死で地上に逃げ帰りました。
心身ともに穢(けが)れてしまったと思った伊邪那岐大神は、禊(みそ)ぎ(海や川の水で罪や穢れを清めること)をすると、左目から小さな女の子が産まれました。それが天照大御神です。

成長した天照大御神は父の伊邪那岐大神から、神様たちが住む天の世界・高天原(たかまがはら)を統治するよう命じられ、日本の最高神となりました。
”アマテラス”の名の通り、太陽の神様でもあるのです。

○産業の神・豊受大御神
外宮のご祭神・豊受大御神は元々、丹波国に住む天女でした。
古墳時代のある日、第21代雄略天皇の夢の中で、すでに伊勢に鎮座していた天照大御神が立ち、「独り身でなにかと大変で食事もまともに作れないから、丹波国にいる豊受大御神を呼んでほしい」と言ったことから、豊受大御神が伊勢に移ったという言い伝えがあります。

そのため、豊受大御神は衣食住の恵みを与えてくれる産業の神様とされるようになりました。

なぜ、伊勢に神宮があるのか?

さて、ここで疑問なのが、なぜ神宮は現在の首都・東京や歴代の首都であった京都や奈良ではなく、三重の伊勢なのか。

天照大御神が祀られている内宮のご神体は、三種の神器の1つ・八咫鏡(やたのかがみ)です。
この鏡は代々、皇居の中で天皇によって祀られていました。
しかし、第10代崇神天皇の時、あまりにも天照大御神の力が強く、日本国内で災害や疫病が相次ぎました。
第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命(やまとのひめのみこと)は、天照大御神を祀るにふさわしい土地を探すことになりました。
ある日、伊勢に入ると、天照大御神が「この神風の伊勢国は、遠く常世から波が幾重にもよせてはかえる国ね。都から離れた国ではあるけれど、美しい国だわ。この国にいようと思う」と、言ったことから伊勢に鎮座することになったのです。

確かに伊勢は海がキレイで、海の幸もたくさん穫れる場所です。
天照大御神もたいそう気にいった伊勢の景色を楽しんだり、おいしい食べ物をお裾分けしてもらうのもいいかもしれませんね。

内宮ではお願いしてはいけない!?

実は、伊勢神宮の中でも内宮では個人的なお願いをしても叶わないと言われています。
内宮は日本の最高神・天照大御神を祀る日本でもっとも大きく、尊い神社。
ですから、日本はもとより、この世の中が良くなるように大きなお願いをするのがいいのです。
たとえば、「日本が平和で繁栄しますように」とか、「国民一人一人に尽くせるよう精進します」など、日本全体を考えたお願いや誓いを伝えるのといいでしょう。
そして、伊勢神宮まで来ることができた感謝や日々の感謝を述べるのも忘れないでくださいね。
すると、日本全体を見守っている天照大御神は、「この人はちゃんと周りの人のことまで考えているのね」と、めぐりめぐって国民である自分の願いも叶えてくれるようになります。
もちろん、願いを叶えてほしいからといって、「内宮にはありがとだけでいっか」なんて軽く考えないでくださいね。
心をこめて感謝する人、人のために尽くす人をちゃんと見ているのですから。

そして、外宮では、「食べることに困らず、住むところにも困らず、着るものにも困らない生活を送れている」と、衣食住に恵まれていることを伝えにいきましょう。

ちなみに、内宮外宮ともに正宮には、「御帳(みとばり)」と呼ばれる白い布がかけられています。
これは神様を直視しないためにかけられているカーテンのようなもの。 しかしながら、風によってふわっとめくり上がる時があり、自分が参拝した時にめくれ上がると、「神様が歓迎してくれている」というしるしなのです。 参拝する時はなんだかドキドキしますね! そして、外宮では、「食べることに困らず、住むところにも困らず、着るものにも困らない生活を送れている」と、衣食住に恵まれていることを伝えにいきましょう。 ちなみに、内宮外宮ともに正宮には、「御帳(みとばり)」と呼ばれる白い布がかけられています。

お願いしたい時は、別宮に行こう!

「せっかく大きな神社に来たのに、お願いしたかったな・・・」と、思う人もいるかと思います。
そんな人は、内宮と外宮にそれぞれある「別宮」と呼ばれる所でお願いをしましょう!
別宮とは、伊勢神宮の中で荒御魂(あらみたま)をお祀りしている神社のことで、天照大御神や豊受大御神が鎮座している正宮に次いで尊い神社です。 内宮の別宮は「荒祭宮(あらまつりのみや)」、外宮の別宮は「多賀宮(たかのみや)」と呼ばれています。
別宮は正宮のそばにありますので、ぜひお参りしてくださいね。

ちなみに神様には4つの魂(和御魂(にぎみたましい)、幸御魂(さきみたましい)、奇御魂(きみたましい)、荒御魂)があると言われています。
別宮に祀られている荒御魂は、荒々しく高ぶった神様の心のことで、前へ進むためのパワーがどの魂よりも大きい状態なのです。
穏やかな気持ちの時もあるし、気分が高ぶっている時もあるなんて、日本の神様は実に人間っぽいんです。
ですから、自分の願いを叶えるために力がほしい人はぜひ、別宮へ!

伊勢神宮は日本で1番の神社だということがお分かりいただけたでしょうか。
伊勢音頭でも「伊勢へ行きたい、伊勢路が見たい、せめて一生に一度でも」と、歌われてきました。
大昔から日本人が親しみ、尊敬の念を抱き続けた日本一の神社。

あなたも一生に一度、参拝してみてはいかがでしょうか。

■所在地
内宮(皇大神宮)三重県伊勢市宇治館町1
外宮(豊受大神宮)三重県伊勢市豊川町279
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