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皆に親しまれる「すみよっさん」住吉神社とはどんなところ?

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南海本線・住吉大社駅を出ると、すぐ目の前に建っているのが住吉大社です。
路面電車があり、情緒ある町中に建っている住吉大社は大阪の人々から厚い信仰を寄せています。
大阪人が初詣でお参りする神社といえば、住吉大社といっても過言はありません。
三が日の参拝客数が毎年200万人を超える不動の人気を誇る神社なのです。
住吉大社と言えば古来より航海の神様として知られていますが、実は他にもいろんな顔を持っているって知ってましたか?
「大社」の名の通り、社格が大きく、何人も受け入れるような優しい雰囲気がある住吉大社。今回は住吉大社の魅力に迫っていこうと思います。

住吉大神は万能の神!?

住吉大社のご祭神は底筒男命(そこつつのおのみこと)・中筒男命(なかつつのおのみこと)・表筒男命(うわつつのおのみこと)の3柱なる住吉大神と、神功皇后です。
日本最古の歴史書「古事記」によると、伊邪那美大神(いざなみのおおかみ)が火の神様を産んで亡くなり、黄泉の国(死者の国)に行ってしまったときのこと。 夫・伊邪那岐大神(いざなぎのおおかみ)は諦めきれず、黄泉の国まで会いに行きましたが、変わり果てた妻の姿を見てショックを受けて地上に帰ってきます。 その時、穢(けが)れた心身を清めようと、海に入って禊(みそ)ぎを行いました。
その時に産まれたのが住吉大神です。

そして、神功皇后は第14代仲哀天皇の后であり、子供を身ごもったまま三韓征伐(朝鮮半島の広い範囲を服属下においた戦争)で指揮をとった勇敢な女性だったのです。 神功皇后は住吉大神の神託で征伐を成功させたと言い伝えられ、また、住吉大神は自分を住吉の地に祀るようお告げになったことが創建の由来になっています。 神功皇后は卯の年、卯の月、卯の日だったことから、ウサギが住吉大神の神使と言われています。

○お祓い・航海安全の神
住吉大神は禊祓によって産まれたので、「お祓い」の神様です。
そして、海で産まれたことから「航海安全」の神様でもあります。
奈良時代、遣唐使の派遣の前には、必ず海上の無事を祈祷したと言われています。
今では漁師さんや釣り人からの信仰が厚い神様なのです。

○和歌の神様
住吉大社のある地は、老松が浜辺に茂る美しい場所と知られ、たびたび和歌にも登場していました。そして、住吉三神も人の姿になって、和歌にのせて神託をした、という言い伝えもあるのです。
ですから、住吉大神は和歌の神様だと言われていて、文章を書く仕事をする人は参拝するといいと言われています。境内にはたくさんの歌碑や句碑が奉納されていますので、一度見てみてくださいね。

○農耕・産業の神様
住吉大社のあらましでは、住吉大神は草を敷かずに苗代をつくる方法を教えたという伝説があります。
農耕は日本人にとって古来、産業を代表するもので、住吉大神は農耕・産業の神様と言われるようになりました。

○相撲の神様
実は、住吉大神は相撲の神様でもあるのです。
相撲は元々、神事で神様に奉納するものでした。
「住吉松葉大記」にも、住吉大社の「相撲会の神事」は年中行事の中で一番盛り上がった、と記述もあります。弘仁年間(810年~823年)には、最も強いといわれた力士・ハジカミがいて、誰も勝てる者がいませんでした。そんな時、行司が住吉大社神前の注連縄をハジカミの腰に巻いて、「この注連縄の垂れに手をかけた者を勝ちとする」と提案しました。しかし、誰も手をかけられず、ハジカミの強さをよりいっそう際立てました。これが「横綱」の起源になったと伝えられています。
平成25年からは大相撲大阪春場所に先立ち、住吉大社にて横綱土俵入り(手数入奉納)が行われています。上記の横綱伝説にちなみ、第一本宮前のご神木に横綱が注連縄を奉納する神事も行われています。

○武運の神様
神功皇后が住吉大神の神託により、三韓征伐を成功させたことから、武運の神様と言われています。今では、スポーツの試合で勝ちたいときや取引を勝ち取りたいときに参拝する方が多いでしょう。

あなたも探してみて!「五・大・力」の石!

住吉大社の第一本宮と若宮八幡宮の間に「五所御前」と呼ばれる祠があります。
神功皇后が住吉大神をお祀りするのに適した場所を探していると、杉の木に白鷺が3羽止まったことから、この地に住吉大社を創建したと伝えられています。

そして、その杉の木を囲むように石の玉垣があり、砂利が敷き詰められています。
この砂利にある小石には「五」「大」「力」と一文字ずつ書かれていて、3文字1組をお守りにすると、寿(命)力・福力・体力・智力・財力の運力を授かると言われています。 集めた石は授与所でお守り袋をいただき、入れておきます。連日、たくさんの人がお参りをし、字の書かれた石を探しにきています。そして、願いが叶った人は近所の小石に自分で「五」「大」「力」と書き、拾った石とともに返しに行ってくださいね。次の人にも福が訪れるように、願いをこめて書きましょう。

ちなみに「五大力」とは元々、仏教の5人の明王のことをいいます。
不動明王・大威徳明王・軍荼利明王・降三世明王・金剛夜叉明王です。
神仏習合の名残が残っているんですね。

あなたの願いは叶う? 叶わない? おもかる石に願いを聞いてもらおう!

「おもかる石」と言えば、京都・伏見稲荷神社にある石が有名です。
最初に石を持ち上げて重さを覚え、次に叶えたい願いを込めてもう一度持ち上げて、軽いと感じれば叶う、重いと感じたらまだまだ努力が必要だ、といういわば占いのような石のことです。この「おもかる石」が実は住吉大社にもあるのです!
境外社の大歳社の中に「おいとしぼし社」という神社があり、おもかる石が3つ並んでいます。
そして、どれか1つを選び、願いが叶うかどうかを占ってみます。

占い方法は、
1 まず二拝二拍手一拝
2 霊石(おもかる石)を持ち上げ、重さを覚える
3 霊石に手を当て祈る
4 再び持ち上げた重さの感じが
軽い=叶う
重い=好転するよう努力
結果を真摯に受け止め、二拝二拍手一拝します。

皆さんも自分の願いが叶うかどうか、神様に聞いてみてください。
今回ご紹介したもの以外にも住吉大社には住吉大神ゆかりのたくさんの摂社・末社があります。大阪人も愛してやまない住吉大社に、あなたもぜひ参拝してみてくださいね!

■所在地
〒558‐0045 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目9‐89
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