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「鶴岡八幡宮」ご利益多彩な源氏の氏神はパワーのみなぎる場所

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八幡神社の代表格。源氏の氏神「鶴岡八幡宮」

鶴岡八幡宮の起源は、源頼朝の5代前の先祖に当たる頼義が、京都にある石清水八幡宮護国寺を由比郷鶴岡(現在の1鎌倉市材木座丁目)に鶴岡若宮を勧請したのが始まりです。前九年の役の戦勝祈願として勧請された鶴岡若宮は、頼朝が平家打倒のために挙兵し鎌倉へ入ったときに、現在の場所へ移されました。社殿を中心に鎌倉幕府の中枢を担う施設が建てられましたが、1191年(建久2年)に社殿は消失してしまいます。改めて石清水八幡宮護国寺を勧請し、上宮・下宮の体制を整え神宮寺を創建したことで、ほぼ現在に近い形に整いました。

豊臣秀吉や徳川家康も参拝した武家の守り神

鎌倉幕府の隆盛とともに武家の崇敬を集めた鶴岡八幡宮ですが、幕府の勢いが弱まるに従ってその規模も衰退していきます。戦国時代には社殿が焼き討ちに遭い焼失しますが、当時の伊豆国・相模国を治めていた北条氏綱によって再建されます。 豊臣秀吉は小田原の北条氏を打ち破り、奥州へ向かう途中に鶴岡八幡宮へ参詣し、その際徳川家康に造営を命じたと言われています。その家康も頼朝を深く尊敬していたと言われ、上杉討伐の際には戦勝を祈願して参詣しました。江戸時代には幕府の庇護も厚く、一時期は東照宮まで存在したほどの規模にまで発展します。 明治の廃仏毀釈によって神宮寺は廃止されますが、鎌倉幕府が終焉を迎えてもなお、数多の武将から変わらぬ崇敬を受け、現在まで続いていることをみても、鶴岡八幡宮の偉大さが伝わってきます。

みなぎるパワーに包まれた鶴岡八幡宮

三方を山に囲まれ一方が海に面した鎌倉は、自然の要塞といえる場所としても有名ですが、風水や陰陽道で「龍穴」と呼ばれるパワーのみなぎる場所でもあります。特に鶴岡八幡宮のある場所は、もともと丸山稲荷神社があり、古くからその地の力が信じられていたことをうかがわせ、日本有数のパワースポットしても有名です。幕府滅亡後も存続し続けられた秘密はここにもあるかもしれません。 鶴岡八幡宮のご利益は、 ・勝運・仕事運 ・生命力・健康運 ・家庭円満・縁結び と、その後の武家社会を切り開いた鎌倉幕府や、幾度か焼失し危機に陥っても再建され、今でも続く鶴岡八幡宮を象徴しているかのようです。

倒れてしまった大銀杏は再生のシンボル

2010年の大風で根元から倒れてしまった、鶴岡八幡宮のシンボルとも言える大銀杏。鎌倉時代にも歴史の舞台となった伝説の残る老木で、パワースポットとしても人気でした。現在大銀杏のあった場所には、親子の銀杏を見ることができます。倒木した大銀杏の幹を再生可能な長さに切断し、元あった場所のすぐ横に根付くように据えられています。元の場所からは新たな芽が息吹き、未来の大銀杏になるべく日々ぐんぐんと成長する姿が見られます。新たな銀杏の新芽「ひこばえ」を見守りながら立つ元の大銀杏の大木の姿は、鶴岡八幡宮の持つ再生のパワーを感じさせる姿です。

せっかく来たなら「一の鳥居」から歩いてみよう

鶴岡八幡宮の石段を登りきって振り返ると、海までまっすぐに続く参道若宮大路を見ることができます。一番遠くにあるの一の鳥居から始まって、二の鳥居・三の鳥居と続き鶴岡八幡宮にたどり着きます。普段は鎌倉駅を降りて若宮大路か小町通りを左へ向かって鶴岡八幡宮を目指しますが、たまには右へ折れて一宮から参道を歩いて行くのもいかがでしょう。
一の鳥居から鶴岡八幡宮に向かう若宮大路は、徐々に道幅が狭くなっており、実際より道を長く見せる遠近法が用いられています。一の鳥居からスタートして横須賀線の手前を右へ折れると、鶴岡八幡宮の元となった由比若宮があります。元八幡とも呼ばれ親しまれている由比若宮は、社殿も大きくなく、道もわかりづらい場所にありますが、鶴岡八幡宮に立ち寄ってみるのもおすすめです。

頼朝の優しさが込められた段葛

二の鳥居から三の鳥居にある段葛は、周囲より1段高くなるよう舗装された道。政子の安産を祈願して頼朝が作ったという逸話もありますが、当時の鎌倉は湿地だったため道がぬかるみやすく、そのため周囲より高く舗装したと言われています。出来上がった当時は一の鳥居まで通じていましたが、横須賀線の開通時に現在の姿になりました。2014年に補修され以前より歩きやすくなっており、左右に植えられた桜の満開になる季節には、多くの人が訪れる人気のスポットになっています。桜の葉も秋には紅葉するので、春だけでなく秋にも鮮やかな紅葉を楽しめます。

頼朝の妻・政子の思いが込められた源平池

三の鳥居をくぐり境内へ入ると、すぐに橋を渡ります。左右にあるのは、政子が作らせたと言われる源平池。左右の池にはそれぞれ島があり、島の数が違っています。平家を表す池には島が4つで「死」を意味し、平家の滅亡を表していると言われてます。対して源氏側の池には3つの島で「産」を意味し、源氏が長く続いていくことを願っていると言われています。源氏の池の島の1つには「政子石」があり、政子が夫婦の円満を願った石という伝説があります。同じ島には縁結びの弁財天社もあり、政子の思いが伝わってくるようです。

目の前で繰り広げられる迫力ある流鏑馬神事

さらに進んで参道と交わる十字路では、毎年4月と9月に行われる流鏑馬の舞台となる馬場があります。流鏑馬は走る馬の上から、弓矢で3つの的を続けて射抜く、戦国さながらの勇壮な行事です。実際に馬場を見ると分かりますが、道幅は思っているより狭く、文字通り目の前で迫力あるシーンが展開されます。毎年多くの人で賑わう理由がわかりますね。

境内ではかわいいリスもお出迎え

本宮や若宮、白旗神社を巡って境内を散策していると、目の端にさっと動くものが見えることがあります。注意してみるとそこにはかわいいリスの姿が。じっと待っているとかなり近くまで寄ってくることもあるので、カメラを構えて気長に待ってみましょう。絶好のシャッターチャンスが訪れるかもしれません。鶴岡八幡宮のパワーをもらい、かわいいリスに癒される。そんな鎌倉散歩に出かけてみませんか。
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