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諏訪神社が全国に多い納得の理由。武田信玄との繋がり

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全国に約10000社あるといわれている諏訪神社は、諏訪大社を総本社とする神社のことです。
諏訪大社は長野県の諏訪湖近辺に鎮座する4宮のことで、7年目ごとの寅年と申年に行われる御柱祭が有名な神社です。
諏訪大社を中心とする諏訪信仰が全国的に広がったため、諏訪神社が全国に点在しています。
なぜ、こんなにも諏訪神社が多いのかご存じでしょうか?
そして、どうやって諏訪信仰は広がっていったのでしょうか?
今回はその謎を解きながら、諏訪神社をご紹介します!

諏訪神社のご祭神とは?

諏訪神社に祀られるご祭神は、主に建御名方神とその后神・八坂刀売神です。 中には「諏訪大神」や「諏訪明神」として祀られている神社もあります。

建御名方神は出雲大社のご祭神・大国主命の御子神です。 大国主命とともに葦原中国(人間たちが住む地上世界)に住んでいた建御名方神でしたが、ある日、武甕槌命という神様が高天原(神様が住む天上世界)から降りてきました。
武甕槌命は浜辺に十束剣を立て、切っ先にあぐらをかいて座りました。
そして、「日本の最高神である天照大御神の孫神・瓊々杵尊が葦原中国を治めるべきだ。ただちにこの国を譲りたまえ」と、いってきたのです。 大国主命は自分で答えを出さず「子供たちに聞いてみよ」というと、武甕槌命は長男の八重事代主神の元へ行くと、彼は恐れて海の中にある青柴垣に隠れてしまいました。
すると、次男の建御名方命は国譲りに反対し、武甕槌命に力比べを持ちかけました。 建御名方命は彼の手を持とうとすると剣や氷に変わったので、ひるみました。そのすきに武甕槌命は建御名方命の手を取って、投げ飛ばしたのです。これが相撲の起源といわれています。
そして、建御名方命は諏訪の地まで逃げ出しました。追いかけた武甕槌命は建御名方命を殺そうとしましたが、彼は諏訪の地から出ないことや大国主命と八重事代主神に従うこと、そして葦原中国を天津神(高天原に住む神様)たちに譲って、命令に従うことを約束しました。 こうして国譲りが終わり、建御名方命は約束の通り、諏訪の地に留まりました。

なぜ、諏訪信仰が全国に広がっていったのか?

諏訪神社は諏訪大社が鎮座する長野県を中心に、全国に点在しています。その背景には「諏訪信仰」が存在します。

その起こりは、諏訪の地に住んでいた諏訪氏が氏神として諏訪大社を信仰していたことがはじまりです。 古代には風や水を司る龍神、または霊蛇の信仰がありました。諏訪明神が巨大な蛇になって現れるという伝説も残っています。 風や水にご神徳があることから、「農業の神様」として広がりました。 また、諏訪神人とよばれる遊行者たちによって、信濃(現在の長野県)を中心に広がっていきました。 次第に、龍神や霊蛇だった諏訪信仰は「武神」として全国に広まっていきました。 諏訪明神は神功皇后の三韓出兵に神助したり、征夷大将軍となった坂上田村麻呂が東夷征伐のときに諏訪大社に祈願すると成就したという伝説があったからです。 また、高天原の遣いとして現れた武甕槌神の国譲りに屈することなく、戦いに挑んだ建御名方神。
そのご神徳にあやかろうと、関東や東北の豪族たちが勧請しました。 さらに、鎌倉幕府の御家人(将軍家と主従関係を結んだ家臣のこと)が領地に諏訪神社を建てていきました。 諏訪明神は「日本第一大軍神」とよばれるようになり、特に武田信玄は戦陣で「諏訪南宮法性上下明神(諏訪明神の別称)」ののぼりを使うほど深く信仰していました。以降、その武田氏や徳川氏の守護神として崇められるようになり、そのほかの戦国武将も信仰していきました。 「農業の神」だった諏訪明神はいつしか「武勇の神」として絶大な信頼を寄せられていきました。
国譲りを迫ってきた武甕槌命に立ち向かい、葦原中国を守ろうとした建御名方神の”何事にも立ち向かう”勇敢な強さがあったからなのかもしれませんね。

現在では、「開運招福」「五穀豊穣」「諸願成就」の神様として、多くの人々に愛されています。 こうして、諏訪神社は全国に広まり、現在では「生命の根元」や「生活の源」を守る神様として信仰されています。

全国にある諏訪神社にお参りしよう!

ではここで、全国にある諏訪神社をご紹介します。
あなたの近くの神社はどこでしょうか?

○北海道
〒065ー0012
札幌市東区北12条東1丁目1ー10

○青森県
〒030ー0903
青森市栄町1丁目4ー26

○岩手県
〒024ー0034
北上市諏訪町1ー3ー9

○宮城県
〒982ー0003
仙台市太白区郡山5ー13ー8

○秋田県(秋田諏訪宮)
〒019ー1404
仙北郡美郷町六郷字本道町19

○山形県
〒990ー0033
山形市諏訪町1ー1ー55

○福島県
〒979ー0201
いわき市四倉町字西3丁目61番地

○茨城県
〒307ー0021
結城市大字上山川61ー1

○埼玉県
〒357ー0213
飯能市坂石町分661

○千葉県
〒270ー0132
流山市駒木655番地

○東京都
〒169ー0075
新宿区高田馬場1ー12ー6

○神奈川県
〒251ー0032
藤沢市片瀬2丁目21ー16

○岐阜県
〒505ー0015
美濃加茂市下米田町今元入会地5

○長野県
〒380ー0873
長野市新諏訪2丁目12ー1

○山梨県
〒400ー0311
南アルプス市曲輪田1077

○愛知県
〒477ー0037
東海市高横須賀町北屋敷59

○静岡県
〒430ー0937
浜松市中区利町302ー5

○新潟県
〒957ー0055
新発田市諏訪町1丁目8ー9

○富山県
〒937ー0056
魚津市諏訪町1ー16

○三重県
〒510ー0086
四日市市諏訪栄町22ー38

○京都府(尚徳諏訪神社)
〒600ー8163
京都市下京区下諏訪町351

○大阪府
〒536ー0021
大阪市城東区諏訪2丁目15ー16

○兵庫県
〒650ー0006
神戸市中央区諏訪山町5ー1

○岡山県
〒709ー3717
久米郡美咲町原田308

○鳥取県
〒689ー1402
八頭郡智頭町智頭

○島根県
〒691ー0022
出雲市別所町72

○徳島県
〒770ー0033
徳島市南佐古三番町字諏訪山21番

○佐賀県
〒849ー5131
唐津市浜玉町浜崎1181

○長崎県
〒850ー0006
長崎市上西山町18ー15

○熊本県
〒863ー0037
熊本県天草市諏訪町8ー3

○鹿児島県
〒890ー0008
鹿児島市伊敷8丁目7ー5

今回ご紹介したのはほんの一部です。
ぜひ、あなたの近くの諏訪神社にお参りしてくださいね。

いかがでしたか。
諏訪神社は私たちのすぐそばにあります。
農耕の神として、水の神として、そして武運の神様として広大無辺のご神徳を私たちに与えてくれています。
ぜひ、諏訪神社や諏訪大社へ行ってみてくださいね!
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