四字熟語

無我夢中

関連キーワード

一生懸命に何かにたいして集中している様子。
何か一つのことに集中しすぎて我を忘れているような様子。

由来

「無我」という言葉はもともと仏教用語で、何かに対して心を奪われる、そして我を忘れるという意味でした。
自分という枠組みにとらわれることなく超越していくという状態を我を忘れるという表現であらわすようです。本来は人の心の在り方をあらわすものです。人は自分というものにとらわれている人がほとんどです。その自分に対するとらわれ(執着)から離れなければならないという根本的な教えである、修行することで至ることができるとされています。自分という枠組みを一段階超えたところに達する状態のことを「無我の境地」といったりするところからも「無我」ということばの意味がわかります。

「夢中」というのはこれだけでも普通に使われていることばですが、それに集中するあまりに周りが見えないようになっている状態を指します。「無我夢中」というのはこの二つの言葉を掛け合わせてできた言葉なのです。

意味の変遷

あることに自分の心が集中し、他の雑念が頭から消えて、その一つのことだけを考えるようになることという意味で使われます。自分が非常に興味を持っていることがらに熱中しているときや、突然の出来事や驚きに心が奪われているような状態を指します。

何かに熱中するという意味で肯定的に使われることが多い四字熟語ですが、否定的な意味で使われることもあります。その人に何か語りかけたり仕事を依頼しようとしても、無我夢中の状態になっていては何も反応は返ってきません。そのことを注意する際に使用されたり、自分の世界に入ってしまって自分以外の周囲が何も見えていないことを揶揄するようなときにも使われます。どちらも「周りが見えていない」ことを批判しているのです。

使用法、使用例

「晩御飯ができたから食べなさい。」
「・・・・・・」
「だめだ、新しいゲームに無我夢中で何も聞こえてないわ」

「課長、資料ができました。」
「本当かね?まだ3日ほどかかると思っていたが。」
「昨日無我夢中でやってたらできました。」

類似した意味のことわざ

一意専心・・・ひとつのことに対してもっぱら(専ら)心を動かしているということ。

一心不乱・・・何か一つのことがらに対して、他の何からも心を乱されずにうちこんでいくこと。

我武者羅・・・一つの目的に対して、後先考えずに行動する様子。少し「無我」とは離れています。

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