四字熟語

一攫千金の意味・使い方

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意味

一度に多くの利益を得ること。
あまり苦労をせずに大金を儲けること。

由来

もともとは古代中国の話から来ています。春秋戦国時代の終わりごろ、秦の国には後の始皇帝となる政という人物がいました。このころは秦はまだいくつもある国の一つであり、他の国との外交も慎重に行っていました。

政は子どものころには趙の国の人質でした。そうして不遇の時期を過ごしていましたが、あるとき、「呂不韋」という人物がその政を救い出しました。呂不韋はその手柄が秦に認められて丞相に任じられました。これは政治をする役職としては最高位の役職です。実は政の実の父親は呂不韋ではないかという学説もあります。

そしてこのころの政治家や人の人望を集める顔役たちは自分の家に様々な食客を抱えていました。その抱えている数が膨大であるほど大物であるとされたのです。呂不韋の家には常に3000人ほどの食客がおり、召使もあわせると1万人を超えるとも言われていました。食客にもさまざまな人たちがおり、学者や武士、相談役、一芸に秀でた者、芸術家など多種多様でした。学者たちは主人にアドバイスをしたり相談相手になったりします。武士はボディガードのような役割を果たしたりします。呂不韋はそういった人たちに自分の行った業績をまとめるように指示します。こうして完成したのが「呂氏春秋」です。

ここには呂不韋の細かい業績まですべて記されており、また、現在で言う百科事典のような性質のものですべての事柄について書かれているとされました。それを自負する呂不韋は、この呂氏春秋から一字でも追加したり、削除したりすることができた人物には千金を与えると宣言しました。千金というのは平民が一生働いてもみることもできないほどの大金です。ここから「一攫千金」という言葉が生まれたのです。

ちなみに「攫」という漢字が常用漢字ではないので、一般的にはあまり使用されていません。これは「つかむ」という意味の漢字です。一般的には「一獲千金」という漢字を当てています。ただしこれは正式には認められてはいません。あくまでも代替の漢字です。

意味の変遷

現在でもほとんど意味は変わっていません。重要なことは地道に働いてこつこつとお金を貯めていって千金にするのではなく、もっと楽に一気に大金を手に入れるという意味合いで使われているということです。

こうした意味合いから競馬などのギャンブルや宝くじなどで一気に大金を手にすることを一攫千金と表すようになっています。
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