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雨季と乾季で見どころが違う!アフリカの瀑布ヴィクトリアの滝

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アフリカ南部のジンバブエとザンビアの国境にあるヴィクトリアの滝は南米のイグアス、北米のナイアガラと並んで世界三大瀑布の一つとして知られている滝です。
大地を切り裂くように水が滴り落ちる滝幅は約1700m、落差は108mです。
滝が落ちるザンベジ川の下流にはジグザグ上の険しい渓谷がありますが、これらはかつての滝の跡です。
川の侵食によって長い歳月をかけて滝は少しずつ上流へと移動していき、現在あるのは8つ目の滝です。
現在の滝も数万年後には姿を消し、上流にまた新しい滝が生まれるとも考えられており、壮大な地球の歴史も私たちに教えてくれる貴重な自然遺産となっています。

観光地として発展したヴィクトリアの滝

1855年にこの滝を発見したイギリス人探検家デビッド・リビングストンが母国の女王の名にちなんで「ヴィクトリアの滝」と命名しました。
1900年頃になり、ヴィクトリアの滝周辺へのヨーロッパ人の入植が始まりました。
エジプトのカイロと南アフリカのケープタウンを鉄道で結ぶことを考えたセシル・ローズは通過する列車に滝の水煙がかかる場所に橋を建設すべきと主張し、1905年にヴィクトリアフォールズ橋が完成しました。
現在はこの橋の上からバンジージャンプが行われています。
鉄道が結ばれたことによってヨーロッパ人が簡単に訪れることができるようになり、滝の北側の北ローデシア(現ザンビア)と南ローデシア(現ジンバブエ)はいずれもイギリス領であったこともあり、観光地として人気が高まっていきました。
20世紀後半には内戦が勃発し、観光客は一時、激減しましたが、1980年にローデシアはジンバブエとして独立し、閉鎖されていたザンビアとの国境も開通しました。
平和が回復するとともにヴィクトリアの滝は観光地として発展し、現在は激流を下るラフティングやスポーツフィッシング、乗馬、カヤック、バンジージャンプ、ヘリコプターによる遊覧飛行など多様なアクティビティが観光客を惹きつけています。

雨季と乾季のそれぞれの見どころ

ヴィクトリアの滝を有するザンベジ川流域は11月末から4月初めまでが雨季で、それ以外の時期が乾季になります。
それに2ヶ月遅れて滝の水量が変化していきます。
滝の迫力を体感するのであれば雨季に訪れるのがベストです。
轟音轟く滝から水煙が空高く立ち昇り、大迫力の姿を眺めることができます。
滝の水量が最も多くなるのは4月であり、水煙は800mまで立ち上ることもあり50km離れた場所から見ることができます。
滝の正面にある遊歩道には雨のように水煙が降り注ぎ、崖の淵まで行くと立ち上る水煙によって「下から上へ雨が降ってくる」ような体験ができます。
現地ではモシ・オア・トゥンヤ(雷鳴の轟く水煙)と呼ばれて畏怖の対象になっていますが、それもうなずけるほどの瀑布です。
滝の全容を見るなら乾季に訪れるのがおすすめです。
滝の水量が少なくなるのは11月がピークであり、4月の10分の1の水量となります。
乾季には滝全体を見渡すことができ、滝壺を見ることができます。
水煙が少なくなるため滝の淵にある小島に徒歩で渡ることができるようになり、滝壺に降りることができるのもこの時期です。

デンジャラスなアトラクション、デビルズ・プール

ヴィクトリアの滝で最も刺激的なアトラクションがデビルズ・プールです。これは滝が流れ落ちるその場所にある天然のプールで、9月から12月までの水量の少ない時期に入ることができます。
滝が流れ落ちるギリギリの場所がくぼみとなっており、プールとなっています。
このプールはリヴィングストン島から50mほど離れており、ボートでリヴィングストン島に上陸してからデビルズ・プールまで自力で泳ぎます。
断崖絶壁が目と鼻の先にあり非常にスリリングですが、ヴィクトリアの滝の絶景を最も間近で観察することができます。観光客も多く訪れ写真撮影する者も多いです。
悪魔のプールの名に恥じない、世界一怖いプールです。
死亡事故も何件か起こっているため、十分に注意を払ってください。

滝全体を見渡すことができる遊覧飛行

ヴィクトリアの滝は構造上地上から全体像を見渡すのが難しいです。
そのためヘリコプターで遊覧飛行が行われており、滝の上空のみを飛行する15分程度のコースから国立公園の動物を観察できる30分程度のものまで様々なプランがあります。
上空からは滝の全貌を眺めることができるほか、かつて滝であった渓谷の様子などを確認することができます。

ヴィクトリアの滝周辺の自然

ヴィクトリアの滝を含む国立公園はザンビア側はモシ・オ・トゥニャ国立公園、ジンバブエ側はヴィクトリアフォールズ国立公園の二つであり、滝を挟んで隣接しています。
国立公園には多数の動物や植物が生息しており、多様な生態系が構成されています。
アフリカゾウ、バッファロー、キリン、シマウマなどの野生動物を観察することができ、滝の上流にはカバやワニが多数生息しています。
乾季になるとアフリカゾウが川を渡る姿を見ることができます。
国立公園の動物を観察するプランを組むことができるのもヴィクトリアの滝観光の見所です。
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