盆栽

初心者におすすめの盆栽に適した置き場所

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初心者におすすめの盆栽に適した置き場所は、陽当たりが良く、自然の微風、雨、夜露があたる場所が理想です。また、適した置き場所で盆栽を育てることも大事ですが、盆栽鉢の置き方も同時に大事です。

盆栽に適した置き場所の基本的な5つの条件

盆栽に適した置き場所の基本的な条件は、5つあります。

一つ目の条件は、朝から日没まで良く陽があたる場所で、朝からお昼頃まで柔らかい陽の光が当たる場所が最適です。また、春から秋までの盆樹の培養期間中は、元気な盆栽を育てるために少なくても一日に4時間前後の直射日光があたる場所に盆栽を置いて管理をすることが基本です。

二つ目は、西日も大事な条件です。「西日」と聞くと、盆栽に悪影響を与えてしまう夏の西日のイメージがありますが、時には西日も大事です。都会で盆栽を育てる場合は、住宅環境により狭くて陽当たりがあまり良くない環境のなかでは、西日も大事な日光です。例え西日であっても都会では日光に変わりはないです。そのため西日であっても日光のあたる窓辺、ベランダ、玄関先などを探して盆栽の置き場を見つけて管理をします。

三つ目は、東南には日光を遮る建物や樹木がなく、西北には風邪を防ぐ塀などがある場所です。この条件に当てはまる場所は、陽当たりが良く強風が当たらないので、盆栽の置き場所としては、理想的です。

四つ目は、適度な微風が通り、空気が綺麗な場所です。適度な微風が通っている場所で盆栽を管理すると害虫が付着しにくいので、害虫被害を予防することができます。また、微風によって鉢土が乾燥するので根腐れの心配がなく、微風が当たることにより枝や幹が自然の美しい線や樹形になり、葉も微風によってしっかり育ちます。

五つ目は、盆栽の管理がしやすく目のとどきやすい所です。盆栽は毎日の水やり、定期的な剪定、施肥、消毒などの作業が必要なので、これらの作業がしやすく、いつでも目の届きやすいところで管理をすることが置き場所として理想的です。身近で見やすい場所で盆栽の管理をすると作業がしやすいだけでなく、ちょっとした変化にも敏感になって気づきやすくなります。

自然の微風、雨、夜露も必要な盆栽の置き場所

盆栽に適した置き場所には、ある程度の自然の微風、雨、夜露なども必要です。

*台風などの強風はダメ
適度な微風が通っている場所での盆栽管理は、害虫が付着しにくくなるので害虫被害を予防することができます。また、微風によって鉢土が乾燥するので根腐れの心配がなくなり、枝や幹が自然の美しい線や樹形になり、葉もしっかり育ちます。

一方、高層マンションなどのベランダで盆栽を育てている場合は、強風が心配になります。盆栽の樹種にもよりますが、多くの盆栽の場合はあまり心配がないです。むしろ風通しの悪い場所で盆栽を育てるよりは、良い環境ですが、鉢が強風に飛ばされないように紐でしばったり、鉢から幹元が抜け出さないようにしたりする対策は必要となります。

しかしながら台風などで強風が吹いたりする場合、植え替えをしたばかりのもの、樹勢が弱っているもの、柔らかくて葉が大きいもの、実や花が付いているもの、挿し木や取り木中のものなどは、室内や強風の当たらない場所に一時的に移動します。

*時には必要な雨
初心者が盆栽作りを始めると、毎日の水やりは大変なので雨降りの日は、水かけの必要がなくなるため、ほっとした気持ちになるものです。また、盆樹の生育を良くするためには、時として雨も必要です。

毎日の水やりは人工的なものですが雨水は盆栽にとって、自然の恵みであり自然環境の中では当たり前の出来事です。雨は、人工的な灌水とは異なり、空気中の栄養分を含みながら降るので、盆栽だけでなく他の植物にとってある主の栄養素です。また、雨水によって汚れた葉や枝、そして幹や鉢まできれいに洗い流してくれるので呼吸がしやすくなり、生育も良くなります。

日頃、雨水がかからない場所で盆栽を管理している場合は、雨が降った日は出来るだけ雨水に濡れる場所に置いて管理をすることをおすすめします。また、雨水に濡れた盆栽も風情があります。

しかしながら盆栽の置き場所に雨が降った場合の注意点は、3つあります。一つは、台風による強風と同じようにあまりあまり強い雨は避けます。二つ目は、雨が降っても雨水が鉢の底まで浸透しなかったり、風向きによって雨があまりかからなかったりする場合があるので、水不足の状態を引き起こすことがあります。3つ目は、夕立や小雨の時は、鉢土の表面だけ濡れても鉢の中は乾燥している場合があります。そのため雨があたる場所で盆栽の管理をしても、必ず鉢土の乾き具合を確認することが大事です。

*盆樹の生育に必要な夏の夜露
夏の酷暑が続く時期、夏の夜露は夏の酷暑で疲れた盆栽を回復させてくれる働きがあるので、この時期は出来るだけ夜露が当たる場所で管理をすることが大事です。

しかし、最近では車の排気ガスや自然環境の変化により、都会では夜露が降りないところもあります。夜露の降りない場所で盆栽を管理する場合は、夕方に行う葉水かけが夜露の代行をしてくれるので、盆樹の葉に霧吹きを使ってかけると効果的です。

適した置き場所では「置き方」も大事

盆栽は、適した置き場所で管理をするだけでなく、「置き方」も大事です。

置き方のポイントは、盆栽を直に置かないことです。せっかく適した置き場所で盆栽を管理しても鉢を直に置いてしまうと盆樹に悪影響が出てしまいます。鉢を直に置いて管理をすると、4つの悪影響が生じてしまいます。一つ目は、鉢が直に置いてあるので鉢底の風通しが悪くなって湿気が多くなり、鉢土も乾きにくくなり、枝や葉が徒長しやすくなるので、下枝の生育が悪くなってしまいます。

二つ目はいつも鉢が直に置かれているので湿気が多いため、ナメクジ、アリ、ミミズ、カタツムリなどの害虫が付着しやすくなり害虫の被害を受けやすくなってしまいます。

三つ目は、近くに雑草や庭木の種などが盆栽鉢に飛んでくると芽を出して生長してしまいます。

四つ目は、雨が降ると雨水や泥が跳ねたりして、幹、枝、鉢が汚れてしまいます。特に葉が汚れてしまうと、植物の「同化作用」が上手に出来なくなってしまいます。

半日陰と日陰の違い

初心者が盆栽の置き場所の一つとして、「半日陰」について良く耳にしますが、どのような日陰なのでしょうか。

「半日陰」は、半日だけ日陰で残りの半日は陽が当たるような環境の意味では“ない”です。半日陰とは、“自分で”半日陰の状態を作ることです。夏の日差しが強い時期は、直射日光を避けるためにヨシズや寒冷紗などを使って強い日差しを弱くして半日陰の状態を作り、その状態の中で盆栽を管理します。

初心者が盆栽作りを始めると、時として盆栽を半日陰の環境下での管理が必要になる場合があります。夏などの日差しが強い時期になると暑さに弱い盆栽の樹種は「夏バテ」を引き起こしてしまうので、強い直射日光から樹木を守るために半日陰の状態を作ります。

昨今の住宅事情では、盆樹の生育を良くするための理想の置き場所を確保して盆栽作りを楽しむことが難しい場合もありますが、色々工夫をすると自分で盆樹に適した理想の置き場所を作ることができます。自分で作った「理想の置き場所」で盆栽を育ててみませんか。
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