西洋画

重要人物、ミケランジェロが遺す世界最高の傑作達

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ルネサンスの巨匠と呼ばれている、イタリアきっての大芸術家のひとりが、「ミケランジェロ」です。
彫刻家として名を馳せている彼ですが、画家、建築家、詩人など数多くン顔を持っていたことでも知られています。ローマ、フィレンツェなど、イタリア芸術で最も重要な土地での芸術活動を続けており、『最後の審判』に代表される、世紀に遺すべき素晴らしい作品を数多く手掛けていることでも有名です。

今回、ここではミケランジェロの作品のいくつかを紹介、解説していこうと思います。

ピエタ (Pieta)

『ピエタ (Pieta)』は、バチカンにあるサン・ピエトロ大聖堂に所蔵されている、ミケランジェロが1499年に手掛けた大理石彫刻の作品です。

憐憫や敬虔を意味しているイタリア語のピエタは、まるで絵画のような繊細で精緻なテクニックで生み出されている傑作です。ピエタの持つストーリーとしては、聖母マリアの姿が我が子であるキリストの死を慈しみ、抱きかかえている様子とされています。

この『ピエタ (Pieta)』ですが、初期のミケランジェロの作品として有名ですが、人間離れした芸術性の高さからも、当時から高い評判を獲得し、高い名声を手に入れました。『ピエタ (Pieta)』自体は、さまざまな彫刻家が挑戦し、そして制作をしていたものですが、齢23歳という驚きの若さでこの『ピエタ (Pieta)』を作り上げ、繊細な衣服のニュアンス、ドレープ、筋肉の力強さなどが見事に表現されている傑作です。

今でも、このミケランジェロの作品を超えるものはおらず、まさに世界で最も有名な彫刻作品のひとつとして、今でも崇められているのです。

ダヴィデ像(David)

ダヴィデ像(David)は、ミケランジェロの代表作はもちろんですが、イタリアルネサンス芸術を象徴している名作として知られています。人物をモチーフとした彫刻の中では、世界最高傑作な作品として知られているものです。

この作品ですが、紀元前10世紀頃のイスラエルの国王であり、救世主の系譜を継ぐものとして崇められていた人物の一人として知られています。アルテ・デッラ・ラーナという人物に依頼されて制作した作品ですが、本来こういったものをつくる時は勝利時のポーズを描くことが定石でした。

しかし、ミケランジェロはそういった常識を打ち破り、決戦に臨む前の緊張感を表現した、ということで、これも大きな賞讃を得た理由として知られています。

肌質の細かな描写などの精緻さはもちろんですが、コントラポストといったバランスを取る技術がふんだんに使われていることでも知られており、彫刻の域を超えた非常に自然体の人間を表現したということでも評価されています。今でも、さまざまな芸術様式に多大なる影響を与えていることは間違いなく、これからも語り継がれるであろう、重要な作品となっています。

リビアの巫女 (Sibilla libica)

「リビアの巫女 (Sibilla libica)」は、ミケランジェロがバチカンにある、システィーナ礼拝堂に1512年に完成した作品として知られています。こちらは、4年間をかけて制作されている世界最大の壁画としても知られている名作です。

こちらの作品は、『預言者と巫女』というシーンでリビアの巫女をモチーフとして描いている作品であり、沈黙をはじめ、熱狂や対話といった数多くのポーズで精神状態を現している、という深みのあるシーンを描いています。

巫女の非常に力強い筋肉の隅々が描かれているだけではなく、それと対照的である繊細な衣類の揺れ方など、ミケランジェロらしい素晴らしいコントラストで描かれているところが注目に値します。

また、構図展開が独特であり、全面に押し出されている巫女と、その背後の風景の位置、明暗の使い分けなども大変芸術的であると言わざるを得ません。まさじ、ミケランジェロが力強く、生命に溢れている芸術家であったかを知ることができる、名作が「リビアの巫女 (Sibilla libica)」なのです。

聖家族と幼児洗礼者ヨハネ(トンド・ドーニ)

フィレンツェをこよなく愛していたミケランジェロですが、そんなフィレンツェ時代にドーニ家から依頼されて仕上げた作品が、『聖家族と幼児洗礼者ヨハネ(トンド・ドーニ) 』という作品です。

中央に描かれているのは、聖母マリアとキリストであり、その周囲を家族たちが囲んでいるという、聖家族をモチーフとしているシーンの描写です。母なるマリアの慈愛とキリストの無邪気とも取れる、幸せな構図で描かれていますが、裸体の青年群像は異教的を表現しており、そのキリストは新約の世界に生きている、という境を表現しているい作品だと言われています。

そして、その仲介役風に描かれている洗礼者聖ヨハネは、その読み通り、異境的世界、そしてキリスト教の仲介をなすための存在として描かれている、ということが言い伝えられている、重要な作品となっています。

アダムの創造 (Creazione di Adamo)

ミケランジェロが描く、人間の筋肉美における繊細な表現を余すところなく描ききっている、という作品のひとつが、『アダムの創造 (Creazione di Adamo)』です。この作品も、バチカンにあるシスティーナ礼拝堂天井画に描かれているものとなっています。

このシーンは、地上の支配者として神に創造されたアダムをモチーフとして描いており、指先が触れているところは。

神からアダムへと生命が伝達されているところを表現して描かれている、ということで知られている作品です。イブと禁断の実を食べて追放される、という最後を遂げているアダムなのですが、その前、上に誓いと忠誠心を立てているかのような、凛々しい姿が描かれています。

躍動感に溢れた描写というだけではなく、どこか人間らしさを感じさせるような、人間の鼓動を感じさせる作品となっています。淡い色合いとなっているので、力強さをほど良く調整しており、優しさをも感じさせます。

最後の審判 (Giudizio Universale)

ミケランジェロきっての最高傑作として知られているのが、『最後の審判 (Giudizio Universale)』です。

教皇パウルス3世によって依頼されたこの作品は、一度は制作が頓挫したものの、力強い熱望により再開し、1536から1541年にかけて制作された、世紀の大作のひとつとして知られています。

新約聖書、旧約聖書、マルティン・ルターの異教的思想など、さまざまなモチーフから影響を強く受けている作品として知られており、非常にさまざまな人間模様が描かれている作品となっています。裸体を描く、ということをわいせつである、とされた時代に制作されたため大きな物議を醸し出し、画家ダニエレ・ダ・ヴォルテッラによって衣類が被せられたり、40回を超える加筆が行われたことでも知られています。

ミケランジェロは、この作品をダンテの神曲の一節『死者は死んでおり、生者は生きているよう』をイメージして描かれたと言われています。

世紀の大作を生み出し続けたミケランジェロ

ミケランジェロは、芸術界において多大なる功績を遺した、神に最も近い芸術家のひとりです。今後も、数多くの芸術家たちに多大なる影響を与え続けることは、間違いないでしょう。
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