神社

【熱田神宮】三種の神器に見る三貴神の象徴性

関連キーワード

日本における象徴、天皇。その天皇は天孫との異名があります。これは天照大神の子孫という意味です。
天皇の位の譲渡に関し、重要とされるのが有名な三種の神器ですが、これは天照大神を始めとする三貴神を象徴するものでもあります。

【八咫鏡】
天照大神を象徴するとされます。御神体としての鏡は丸く、光り輝くので太陽神の天照大神にはぴったりの神器です。天孫降臨の際瓊瓊杵尊に持たせたとの伝承があり、天照大神自身の御霊が宿っているとされます。この鏡は元々天岩戸の物語にも登場していました。
「天照様に出てきていただかないと、空が暗いままだ。といって、強引に外にお連れするわけにもいかない。御自ら出てきていただこう」として一計を案じたのが思兼神(おもいかねのかみ)です。
岩戸の前でお祭りを始めました。これにはさしもの天照大神も驚きます。「私が隠れているのに何で楽しそうなの?外は暗いはずでしょ?」と尋ねると、「新しい神様をお迎えしているのです」との返事。思兼神は「こちらの方です」と八咫鏡を差し出しました。
「これが新しい神?」とよく見ようと身を乗り出したところで手力男神(たぢからおのかみ)が一気に岩戸を開けたという逸話です。
日食のお話とされていますが、ある意味では知恵を用いて世界を再び太陽の下に照らし出すきっかけになった鏡と言えます。
八咫鏡は知恵や徳、権威を表すともされていますが、最高神としての権威、徳、知恵は確かにゆるぎないものとして存在しているようです。
「天岩戸から出したのは思兼神の知恵ではないか」と思われるでしょう。しかし、輝ける神、天照大神が隠れたことで世界が暗くなったこの神話は、「大いなる知恵の光が消えた」というシンボリックな見方をすることもできます。天岩戸は単なる日食現象ではなく、あらゆる「光」が隠れて困った、と言うお話なのです。
ちなみに「どんな鏡かな」と興味を持つのは良いですが、一般人が無理に見ようとしてはいけません。祟られます。というかそもそも厳重に警備されているので、まず見られません。
「八咫鏡」の「八咫」は「ものすごく大きい」という意味で、八咫鏡は直径が15cmほどあります。人知で計れない知恵と徳を感じさせますね。

【八尺瓊勾玉】
月読命を象徴するとされます。一説には慈悲や仁を表すとされていますが、月読命自身にあまり目立った神話がないため、具体的にどのような神様なのかはっきりと言えないというのが実情です。
しいて言えば月の神とされていることくらいでしょうか。性格などは文献によって異なりますが、そこは満ち欠けをする月を象徴しているようでもあります。
月という観点から見ると、何となく勾玉は三日月などの形状に見えなくもありません。
勾玉は胎児を表すといった説もあります。月読命は男神とされますが月の神として見るならば、出産や妊娠にも関わって来るという「月」のシンボルとして十分機能していることが見て取れるでしょう。

【草薙剣】
素戔嗚尊を表し、言うまでもなく武勇を表します。素戔嗚尊は大蛇を一人で退治したり、泣いて暴れただけで地震が起きるほど力が有り余っているので、武を表す神としてはまさにうってつけです。
文献によっては神に仕える人物を殺したり(事故)姉の社に粗相をしたりしていますが、元をたどれば顔も知らない母親に会いたいとの気持ちから来るもので、芯からの悪気はありませんでした。

「天叢雲剣が正式名称」というのは間違いだった?

草薙剣という名称が一般的ですが、本来の名は天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)。これは通説になっていますが、「間違いではないのか」とする説も存在します。というか全くの別物とする説がありました。
時系列を整理すると、こうなります。八岐大蛇を退治した素戔嗚尊は、オロチのしっぽから剣を発見。「この剣は自分が持つものではないな」とした素戔嗚尊は姉の天照大神に剣を献上しました。この時点での剣は天叢雲剣という名前です。手にする者の頭上に群れる雲が発生するから叢(くさむら)のように雲が現れる剣としてこの名前がつきました。
その後、日本尊が火攻めに遭った時に草を薙ぎ払い、難を逃れたため草薙剣と呼ばれるようになります。
これが大まかな三種の神器の一つ、草薙剣にまつわる伝説です。天叢雲剣と草薙剣を別の剣と見るのは、『古事記』における記載から来ていました。
『古事記』によれば、草薙剣は真っすぐな直剣。それに対し、天叢雲剣は反りのある剣だというのです。
また『古事記』では大蛇退治の時に剣の名前は記されておらず、日本尊のシーンで名前が出た程度でした。
この形状の違いが単なる記載ミスなのかは今となっては何とも言えませんが、「同じ剣で呼び名が違うだけ」とする説も根強くあります。
熱田神宮に祀られているのが実物かどうかもはっきり分かっていないとまで言われており、真相はまさに神のみぞ知る状態です。

勾玉池の福寄橋で恋愛祈願

武勇のシンボルともいえる草薙剣をご神体とする熱田神宮ですが、清水社など女性に人気のスポットを数多く持ちます。
勾玉池の服より行けも、そんな女性におすすめのスポットの一つです。
その名も勾玉池。その名が示す通り、勾玉を表しています。
ここにはみなも神殿と呼ばれる結婚式がありますが、その結婚をするにはまず恋愛をしなくてはなりません。
好きな相手はいるけど、あと一歩のところで告白ができない。そんな状況の方はいませんか?
そういう時には熱田神宮の勾玉池に向かいましょう。勾玉苑と呼ばれる場所に、その池はあります。池には橋が架かっており、赤橋と呼ばれる橋の上で愛を誓い合えば恋が叶うと言われています。
「そもそも相手を連れていく勇気がない」と言うなら、まずは一人で行ってみて読経を付けるのもいいでしょう。この橋の名前は福寄橋(ふくよせばし)。
いい結果をもたらす為の力を授けてくれるはずです。

楊貴妃の正体は熱田大明神だった?

世界三大美女の一人とされる中国の楊貴妃。絶世と謳われた美貌の主を持って玄宗皇帝を虜にし、国を傾けさせた怖ろしいと言えば怖ろしい人です。美しいだけで国を滅ぼしてしまうのですから。
そんな楊貴妃の正体が、実は熱田大明神の化身だったという説があります。実は、玄宗皇帝は日本を侵略しようとしていました。日本の神々はこの球場を察知。資格を差し向けようとなりました。神通力でエイヤッと倒した方が早い気もしますが、「日本の神に殺された」と言われては後の外交問題になると考えたのか、熱田大明神が絶世の美女に化けて向かいます。
結果は大成功。玄宗皇帝はすっかり楊貴妃の魅力にメロメロになり政治をほったらかすようになりました。
「何をしているんだ皇帝!」と謀反が起きて玄宗皇帝は捕縛されて死亡。楊貴妃は役目を終えたので、熱田神宮に戻ったとされています。
尚、楊貴妃は玄宗皇帝により自決を命じられておりますが、「あなたを恨んだりはしません」と言ったそうです。元々日本侵略をさせないのが目的なので恨むも何もない、という事なのでしょう。
このように、色々な角度から見られるのが、歴史や考察の面白い点です。
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ