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石清水八幡宮とエジソンの意外な関係とは?

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石清水八幡宮とエジソンの意外な関係とは?

神社とは、基本的には和のイメージ、と言うより、古風な良さが漂う場所です。石清水八幡宮の境内もまた例に漏れず、日本という国を守るために作られた神社なだけあって古き良き雰囲気が漂っています。
そんな中にあって、ひときわ異彩を放つものがありました。エジソン記念碑です。発明王として知られる、あのトーマス・エジソンの記念碑が、日本の神社の境内に鎮座ましましているわけです。
記念碑のデザインは近代的で、古風な建造物の多い神社に不自然さを生み出さず、不思議にマッチしています。
何故エジソン記念碑が作られたのか。それは、正規の大発明品とも関係がありました。
エジソンを語る上で欠かせない発明品、それ即ち白熱電球です。子供時代から「たくさん失敗しなさい」という母の教育方針で、どれだけ失敗をしてもめげずに色々な挑戦と発明を続けてきたエジソン。
電球に使うフィラメントの部分もこれでもかと失敗をしました。フィラメントとは何ぞやと言うと、電球の内部に存在し、電気を流す為の金属の線です。失敗した回数、何と数千回。
「この方法がダメだって分かったんだから失敗じゃないよ」と前向きな発言の果て、遂に200時間ほど持つ素材が見つかりました。
それが、京都産の竹です。机に置いてあった竹の扇子を見て「これ意外といけるんじゃないかなあ」と試してみたら大成功。しかし、竹にも種類があります。
今度はより長く電球が持つ竹探しが始まりました。結果、石清水八幡宮に生えていた竹が一番いい、ということで、白熱電球が遂に完成、普及します。石清水八幡宮は思いがけず世紀の大発明に一役買った立役者となりました。明るく、柔らかく夜を照らし出す電球は、国家安泰の神を祀る石清水八幡宮のコンセプトを象徴しています。
勝運、開運、共に白熱電球のように明るい未来です。

『源氏物語』にも登場・紫式部も愛した大原野神社

石清水八幡宮と意外な縁を持つ神社があります。大原野神社です。距離は600mとほど近いので、一緒に参拝するのもいいでしょう。
大原野神社は784年、桓武天皇の皇后、藤原乙牟漏(ふじわらの おとむろ)が藤原氏の氏神を京都の地で祀ったのが始まりです。春日大社から分霊されたため、京春日の異名を持ちます。
1005年に中宮彰子が大原野神社に行啓(天皇や皇后などが出掛けること)の際、藤原道長と紫式部がお伴をしました。
紫式部はこの行啓によってか大原野神社を崇敬し、世界最古のラブロマンス小説にして元祖同人誌とも呼ばれる『源氏物語』にも登場させています。
『源氏物語』の『行幸(みゆき)』なる帖にて、大原野神社へと向かう冷泉帝(光源氏が父帝の妻、藤壺に産ませた子)の一行の様子を書くほどに、感動的な体験だったのでしょう。
ストーリーとしては、源氏の義兄の娘(身分の低い女性を母に持つ)玉鬘が大原野へと向かう行幸を見物。実の父親の姿を初めて見、美男子と名高い光源氏と瓜二つの冷泉帝に見惚れるというものです。
これが元で玉鬘は宮中に上がることになり、物語に新たな美女が参入。美しいが故に運命に弄ばれることとなります。
石清水八幡宮も、実は『源氏物語』には登場していました。元々石清水八幡宮は、皇室にとって伊勢神宮に次いで重要な神社です。帝を父に持つ光源氏が主人公の物語に登場するのも頷けるというもの。
玉鬘が参拝をしたのが、石清水八幡宮です。玉鬘という名前にはちゃんと意味がありました。美しい髪、という意味です。
平安時代、貴族女性の髪は賛美されたものですが、時に髪の毛は体の一部でありながら基本的には自分の思い通りになりません。今でこそ切ったり結んだりできますが、平安時代では兎に角伸ばすのがスタンダードなおしゃれでした。
「どこまでも伸びていく、どうなるか分からない美しい髪の毛」は一寸先は闇の人生そのものという意味を含んでおり、玉鬘の「身分の低い女性から生まれたものの、宮中に上がって父と出会い、思いもよらぬ人生を送る」ことはまさしく「自力でコントロールできない人の性や命運」のシンボルなのです。
平安時代にこのような高度な長編小説を書いていた紫式部は、まさに才女。
後に自選の歌を集めた『紫式部集』において「日野岳の杉林が埋もれんばかりの深い雪に埋まっている。都でも小塩山の松に雪が積もっているのかな」といった内容の歌を選んでいます。

日野岳とは父と共にやってきた出張先で見た人生初の雪山、日野山です。小塩山は都にある山であり、麓には大原野神社があります。
「あの行啓は良かったな。大原野神社はやっぱり最高」との気持ちが伝わってきますね。

所在地:〒610-1153
京都市西京区大原野南春日町1152

パトロンが関係者・正法寺

石清水八幡宮ゆかりの寺社仏閣には、まだまだ歴史上の大物と関わり深いものがあります。正法寺もその一つです。
こちらは石清水八幡宮の神職を世襲で務める志水家の祖先、高田忠邦が開基しました。開基とは、寺院を建てる為にお金を出す、つまりパトロンになるということです。
高田忠邦自体は特に有名ではないかもしれませんが、主人が大物でした。忠邦はあの源頼朝に仕える御家人だったのです。後の神職一族の先祖がパトロンという所に縁を感じますね。
その後徳川家康の側室、尾張徳川家の祖となったお亀の方も志水家の出であり、江戸時代には幕府からの朱印状を得ています。御朱印ではなく、朱印状です。朱印状とはいわば、「ここでお寺をやってもいいですよ」とのサインになります。
大物と関係深い正法寺ですが、実は公開日が決まっていていつでも入れるわけではありません。それでもしんと落ち着いた雰囲気や、四季によっていろいろな表情を見せる庭園、本尊である阿弥陀三尊像など見所は満載です。公開日はネットで分かりますので、是非お立ち寄りを。

所在地:京都府八幡市八幡市水水井73

尚、石清水八幡宮から600mの所にも同じく正法寺の名を持つ寺院が存在します。こちらは最澄が建てた寺院に、空海が入ったとされており、真言宗の寺院として機能。
周囲をくまなく見据える三面千手観音や、丸で走っているようにも見える通称走り大黒などの仏像に出会えます。
庭園もまた美しく、どの季節に行っても自然美を堪能できるおすすめの寺院です。大原野神社のお向かいにあります。

所在地:京都府京都市西京区大原野南春日町1102

自然界を堪能・男山関連

男山八幡宮と称される石清水八幡宮ですが、この男山にはどんなお勧めスポットがあるのでしょうか。

【男山ケーブル】
八幡市駅と男山山上駅を結ぶケーブルカーです。初詣の時によく利用されますので、基本的には空いています。電車のような外観としっかりとした造りで、雄大かつ美麗な自然の中を上っていくのは壮観にして開放感あふれる良い乗り心地と言えるでしょう。
料金は大人200円、子供100円です。これは片道の値段で、往復の際は倍の値段になります。始発は朝の7時40分で、8時代は20分刻み、9時から18時までは15分刻みの運行です。片道は3分なので割とあっという間に着きます。

【男山展望台】
男山ケーブルで上った先にある展望台です。京都タワーや宇治川など、京都の町が一望できます。

所在地:〒614-8008
京都府八幡市八幡平ノ山
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