神秘的なオッドアイを持つペットは美しい!体質に影響はあるの?

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左右の目の虹彩が異なった色合いになる「オッドアイ(虹彩異色症)」のペットを見かけたことはありませんか?
オッドアイを持つペットたちの表情は、うっとり見入ってしまうほど神秘的で美しいですよね。でも、ごく一部の種類を除き、正常ならば左右の目は同じ色でなければなりません。色が異なるペットたちは、感覚器官に障害を抱えてしまうことがあるそうです。全く障害のない健康なオッドアイペットも多く存在しているので、全ての個体に当てはまる訳ではありません。

オッドアイが生まれやすいペットの種類と健康上の影響、後天的要因でオッドアイになる可能性についてまとめてみました。

なぜオッドアイになるの?

◇先天性オッドアイ

先天性オッドアイのペットが生まれる理由には、2通りの説が考えられます。ひとつは、遺伝的要因が影響で突然変異を起こし虹彩の色素が欠乏した場合。もうひとつは、母親の胎内で色素形成異常が起きた場合です。人間で発症することは極めて稀で、身近なペットでは犬より猫の方が多い傾向があるとされています。日本で有名なのは白猫のオッドアイで、黄色×青色か淡い銀色の組み合わせです。犬では、目の色が違う個体が多い種類としてシベリアンハスキーが有名ですが、こちらに限っては虹彩異色症ではありません。日光照射が少ない北国が原産で元来ブルーアイの犬種なので、生息地域が南下したことで色素が増えた影響によるものではないかと考えられています。シベリアンハスキーの場合はオッドアイではなく「バイアイ」と区別されており、左右の目が違う色でも正常の範囲内です。

◇後天性オッドアイ

後天性のオッドアイは、生まれつき正常だった虹彩が、病気や事故などの影響により色素異常を起こしたものです。多く見られる原因は、緑内障による虹彩損傷や事故が原因の損傷など。後天性のオッドアイは、人間でも起こり得る症状です。例えば、ミュージシャンのデヴィッド・ボウイ。神秘的なオッドアイを持つ天才アーティストとして世界的に有名ですが、彼の場合も事故の後遺症によるものだったそうです。同じように、犬や猫などのペットたちも、損傷が原因で後天性オッドアイになることがあります。後天性の場合は明らかに損傷なので、高い確率で目に障害が残ることになるでしょう。

◇オッドアイが生まれやすい種類のペットは?

先天性オッドアイが生まれる個体は動物全般に見られますが、身近なペットで比較した方が分かりやすいでしょう。犬より猫の方が多く、薄いカラーの被毛を持つ種類の方が生まれる傾向が高いとされています。オッドアイで生まれた猫は希少価値が高く、日本では古くから「幸運を運ぶ猫」と言われているそうです。中でも白猫は出生率が非常に高く、全体の25%がオッドアイ。白猫はメラニン細胞の生成を抑える働きをする「W遺伝子」を持っている種類なので、その影響により目の色素が不安定になりオッドアイが生まれやすくなるそうです。日本の人気犬種では、ボーダーコリー・シェットランドシープドッグ・ダックスフント・ダルメシアン・シーズー・パピヨンなどが生まれやすいとされています。

オッドアイのペットは体質的に弱い?

◇感覚器官に影響が出る可能性について

オッドアイで生まれた犬や猫は、視力や聴力などの感覚器官が弱くなることがあります。虹彩の色のみで健康上全く問題ない個体も多いのですが、障害が出る可能性もゼロではありません。特に、日光や人工光などによる光の影響を強く受けやすくなります。正常な虹彩を持つ個体よりも眩しく感じてしまうので、光によるダメージが大きいと考えた方が良いかもしれません。ご家庭のペットがオッドアイの場合は、強い陽射しやライトが目に当たらないように注意しましょう。

白猫のオッドアイによく見られるのが、聴力障害です。その割合は3割〜4割とされており、決して低い確率ではありません。白猫に限らず、オッドアイの犬や猫は、視力だけでなく聴力に障害を持って生まれることがあります。全ての個体に当てはまるわけではありませんが、片耳にリスクを持っている可能性もあることを理解しておきましょう。

◇劣勢遺伝による寿命への影響について

オッドアイは劣性遺伝による症状なので、体質的に弱く短命なのではないかと思われがちです。遺伝的疾患として考えると、その可能性はゼロではないでしょう。もし野生動物だった場合は、聴力と視力が弱いだけで天敵から狙われやすくなり、生存競争で負ける可能性が高くなります。でも、人間と一緒に安全な環境で暮らすペットなら、聴力と視力に障害があっても飼い主のサポートで長生きすることが十分可能です。

オッドアイのペットたちは、神秘的な美しさゆえの障害を持って生まれることがあります。しかし、彼らは決して悲観的ではありません。普通の子と同じように、毎日楽しく生き生きと暮らしているのです。もし、オッドアイのペットを迎える機会があったら、美しい目と障害リスクが隣合わせであることを理解してください。もちろん、健康的な体で生まれるオッドアイの子もたくさんいますので、必ずしも悲観的になる必要はありません。もし障害があっても、片方の目と耳は正常なことがほとんどなので、ペット自身は飼い主が思うよりずっと前向きに生きているはずです。神秘的な美しさが魅力の個性的な可愛いペットとして、たっぷり愛情を注いで育ててあげましょう。

監修:ソラノアンジュ

愛するペットと暮らす充実した幸せな人生。その素晴らしさをたくさんの人に伝えたくて、ペットライターの道を選びました。
長年の執筆経験で得た情報を元に、あなたの可愛いパートナーを探すお手伝いができれば幸いです。
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