ガーデニング

俳句の季語に詠われるスカビオサの上手な育て方!花言葉に注意!

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花の形が個性的なスカビオサは、古くから秋を季語とする俳句に詠われる風情のある花です。
マツムシのなく頃に咲くので、和名はマツムシソウと呼びます。夏越しを上手にできれば秋もまた花を楽しめます。

スカビオサの特徴

秋の初め、マツムシが鳴く頃に花を咲かせるスカビオサ。そんな時期に咲くことから和名はマツムシソウ(松虫草)といいます。地方によってはリンボウギクなどを呼ばれることもあります。スイカズラ科マツムシソウ属。学名はScabiosaです。

小さな花が集まって大きな花の形を作り、外側の花弁が大きく広がった個性的な花の形をしています。ブルー系の花色がポピュラーですが、種類によっては白、濃い赤紫色、ピンク、黄色など花を咲かせる種類もあります。

■原産国はアジア、アフリカ、ヨーロッパ
原産国はアジア、アフリカ、ヨーロッパと広い地域で、そもそもは高原を彩る草花として観賞されていました。日本では風に吹かれる姿に風情があるといわれ、古くから俳句の秋の季語として詠われている花です。スカビオサは品種によって20cmほどの低い種類もあれば、1mくらい高く伸びるものもあります。背の高くなる品種は庭に地植えしたり、切り花として楽しむのがおすすめです。背の低い種類は寄せ植えに最適です。

■暑さに弱いので一年草として楽しむことが多い花!
スカビオサは種類によって多年草、一年草、二年草があります。耐寒性は強く育てやすい花ですが、暑さや湿気に弱いので、暖地では多年草の種類でも夏越しできず一年で枯れてしまうものもあります。そのためスカビオサは一年草として楽しむのが一般的です。

■開花のピークは春と秋
開花の時期は品種や地域によって異なります。春咲きのもの、秋咲きのもの、四季咲き性(適温のであれば次から次に花を咲かせる)の品種などがありますが、日本でガーデニングを楽しむ種類のほとんどは春と秋に開花のピークを迎えます。

スカビオサの種類

スカビオサ属の種類はなんと世界に約80以上もの種類が分布しています。
その中でさらに園芸品種もつくられています。世界のスカビオサの種類を見ると花色も豊富です。日本には2年草のマツムシソウが自生しています。栽培用に使われる種類は、このマツムシソウのほかに、一年草のセイヨウマツムシソウ(S. atropurpurea・アトロプルプレア)や多年草のコーカサスマツムシソウ(S. caucasica)などですが、その他にもたくさんの種類があり、用途に合わせて庭植えにしたり寄せ植えにしたり、切り花としても楽しめます。

■マツムシソウ(Scabiosa japonica)
日本の山野に自生している日本固有種のスカビオサです。草丈が高くなる高性種で二年草と言われますが、日本の気候では夏越しするのが難しく一年草として扱われています。開花は8~10月。花色は薄紫の綺麗な花を咲かせます。変種に花色が白いものや、草丈の短い矮性種も知られています。

■セイヨウマツムシソウ(S. atropurpurea)
ヨーロッパ南部から西アジアや北アフリカに分布するスカビオサです。本来は多年草の種類ですが、日本の気候の下では夏越しが難しいので一年草、もしくは二年草として扱われています。春咲きの種類で、枝分かれしながら生長し、次々と花を咲かせ、開花期が長いのが特徴です。花の色はブルー系から、ピンクや濃い赤紫、白など、花色はとても豊富です。数多くの園芸品種があります。

■コーカサスマツムシソウ(S. caucasica)
コーカサス地方から西アジアに分布しているスカビオサです。本来は多年草の種類ですが一年で枯れてしまうことが多いため一年草扱いにされている場合が多いです。環境の生育に必要な最低気温があれば、1年間に何度も繰り返して花を咲かせる四季咲き性の種類です。5~8cmくらいの大きな花を次々に咲かせます。花の色は薄いブルー系。品種によっては濃いブルーや純白い花色のものもあります。様々な園芸品種が流通しています。

■コルンバリア(S.columbaria)
地中海沿岸から西アジアに分布しているスカビオサ。草丈の高い高性種や短い矮性種がありますが、草丈短い矮性種のものは寄せ植えによく利用されます。ポット苗や鉢物は、この種類の園芸品種のものが流通していることが多いです。

■ステラータ(S.stellata)
ヨーロッパに分布しているスカビオサの種類です。花は比較的小さく、花の色は白や薄いブルー系です。切り花としてもよく使われます。花が咲き終わった後できるこの花の実は、ステルンクーゲル(星の球)と呼ばれ、ドライフラワーにして楽しみます。

暑さが苦手なスカビオサの上手な育て方

スカビオサはポット苗もありますが、種から育てることも簡単です。
ほとんどの植物の育て方に共通することですが、スカビオサも日当たりがよく、水はけのよい、風通しのいい場所で管理します。特にスカビオサは蒸れに弱い花なので、水はけのよいことと、風通しのいい場所であることは大切な点です。

暑さの対策以外は、スカビオサを育てるにはそれほど難しいことはありません。耐寒性は高いのでよほどのことがない限り、防寒対策の心配はいりません。たとえば寒冷地のように土まで凍るような環境や、気温がものすごく下がった場合は、藁やビニールなどで根元を覆い、根の凍結を防いであげてください。冬越しはそれほど心配はいりません。

■暑さが苦手なスカビオサ!さてどのように対策するか!
高温多湿が苦手なスカビオサは、二年草や多年草の種類でも、夏越し出来ずに一年で枯れてしまうものが多いため、一年草として扱われる場合が多いです。暑さに弱いスカビオサの二年草や多年草の種類を上手く夏越しさせる方法は、鉢植えは夏の時期は半日陰の涼しい場所に移し管理するようにすること、また地植えのものは根元を敷き藁などで覆い地面の温度上昇を防ぐのも一つの手段です。

また風通しが悪いと葉や花などにシミのような斑点ができる灰色カビ病になってしまうので、風通しの良い場所を選んで管理することは大切なポイントです。ちなみに灰色カビ病になってしまった個所は早めに患部を切り取り、拡大を防ぎましょう。

■土壌や用土で水はけのよい環境作りも大切
鉢植えの場合は市販の草花用培養土を利用すると便利です。赤玉土(小粒)を使うなら腐葉土を6:4くらいの割で配合した用土使います。また鉢植えの場合、二年草や多年草の種類で上手く夏越しさせる一つの方法として、用土に山野草の培養土を利用してみるものおすすめです。

庭などに地植えする場合は、土壌に腐葉土を混ぜて水はけの良い環境を作ります。またセイヨウマツムシソウとして売られている種類は、酸性土壌を嫌いますので、定植するときは予め土壌に苦土石灰を撒いて、アルカリ性土壌の環境を作っておいてください。

鉢植えで使用する市販の培養土にはすでに必要な元肥が含まれていますが、地植えの場合は定植する土壌に予め元肥となる有機質の堆肥を混ぜて耕します。そうすることで追肥する必要はほとんどありません。追肥するとしたら、秋や春の気温が低めの日が続くようなときは、少しだけ緩効性化成肥料を置き肥するようにします。

■種まきは9月中旬~10月が最適!
種まきの季節は秋の初めです。9月中旬~10月に種まきします。寒冷地は春の季節(3月中旬~4月)が最適です。箱に種を撒いて発芽させます。大きめの種なので撒いたら5mmほど土をかぶせておきます18℃くらいが発芽の適温。発芽までは水を切らさないように施して管理します。種を撒いてから7~10日で発芽します。発芽したら日なたで管理し生長させ、本葉が出たらポットに移し、根が回ってきたら定植します。

定植後草丈の高くなるものは支柱を立てて茎を支えてあげましょう。また花芽になっていない枝は切り取り、挿し葉(切った茎をそのまま土に挿しておくこと)にするとそこから根が出て繁殖します。

夏越しの難しい植物ですが、育てる環境、用土や土壌を整え、適切な環境の下で管理すると夏越しも夢ではありません。

■暑さが苦手!でも水のやりすぎは禁物!
定植してからは地植えのものはほとんど水を施す必要はありません。自然の降雨にまかせるので大丈夫です。鉢植えのものは用土が乾いときにたっぷりと水を施しましょう。暑さが苦手でも冷たい水が欲しいわけではありません。湿気を嫌うので水の与えすぎには十分ご注意ください。

花束にして贈るときに気をつけたいスカビオサの花言葉とは

種類の豊富なスカビオサはガーデニングや鉢物、寄せ植えなどで楽しめるほかに、切り花にしてもお洒落に飾れます。
グリーンやほかの花と一緒に花束しても可愛い花。でも人に贈るときはスカビオサの花言葉に要注意!西洋では紫色のスカビオサは伴侶を亡くした未亡人に贈られる花なのだとか。日本では風情のある花と観賞されているスカビオサですが、スカビオサはなんと「不幸な愛」「私はすべてを失った」という花言葉を持ち合わせています。

園芸品種も増え、花色も色々ありますが、スカビオサというとブルー系の花色がポピュラーです。
ギリシャ神話の中で大量の血を流して死んでしまった美少年の血から、紫色のヒヤシンスが咲いたと言い伝えられていますが、そのことが由来しブルー系のスカビオサも「死」にまつわるちょっと悲しい花言葉を持ち合わせているようです。

可愛い花ですが、花束やアレンジメントに加えて、プレゼントするときは用途と花言葉を考えて贈るようにしましょう。

スカビオサを上手に育ててみよう

花の形がユニークなスカビオサは暑さと蒸れに弱いので夏越しするのが難しく、二年草や多年草の種類でも夏越し出来ずに枯れてしまうものが多いため、一年草として扱われていることがあります。育てる環境を整えてあげると夏越しも夢ではありません。寒さには強いので暑さと蒸れに気をつけて、上手に育ててみてください。

監修:Toshie.s
植物の成長はあわただしい毎日を癒してくれます。
ビオラが店頭に並び始める時期になると、毎年購入して寄せ植えを作っていたけれど、ある年から種を採り春に種まきして増やし続け、今では自宅で育ったビオラでクリスマスの寄せ植えを作成。
種から育てた花々に植物の生命力を実感し、それが自分のパワーになっている今日この頃です。夏野菜のキュウリやトマト、冬は白菜、園芸って楽しいですよ。近年人気の多肉植物の不思議な成長にはあっぱれです。そんな園芸の楽しさを皆さんにお伝えできれば幸いです。

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