ガーデニング

丸い蕾と和にも洋にもあう花を毎年つける【秋明菊(シュウメイギク)】

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秋明菊は細い茎の先端にコロンと丸いかわいらしい蕾をつけ、ピンクや白のかわいらしい花をたくさん咲かせてくれます。
日当たりのあまりよくないところにひっそりと咲き、優しく風に揺れる姿が美しい、秋を代表する野草の一つです。
日本各地に自生しているものが多くみられるので、日本原産の花と思いがちですが、古い時代に中国から渡来した帰化植物です。

秋明菊は地際に茂った葉っぱの中から細くまっすぐな花茎をのばし、葉っぱがついた節のところで枝数を増やしながらまっすぐ伸びていきます。
花茎の先端ひとつに一つだけ丸い蕾をつけ、白やピンクの花を咲かせます。
中央の花芯はおしべとめしべの集合体で、ピンクや白の花びらに見えるものはガク片で、本来の花びらは退化しています。

秋明菊は、名前に「菊」が入っていますが、キク科ではなく、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物です。
冬になると地上部分が枯れてしまいますが、春になると芽吹いてきて、夏の終わりに長い花茎をのばして咲き誇ります。
土の中でどんどん根を伸ばして分岐していくので、育てている方に一株根付きで分けてもらえば簡単に増やすことができます。

古くから親しまれる秋の七草のひとつ【桔梗(キキョウ)】

桔梗は、節々に小さな葉っぱをつけた繊細で細長い花茎をのばし、先端に紙風船のようなふわっと膨らんだ蕾をつけ、紫や白、ピンクの花を大きく開きます。
桔梗は秋の七草にも含まれる、万葉の時代以前から親しまれている秋を代表する山野草ですが、野生種は絶滅危惧種に指定されています。

桔梗は6月ごろから咲き始めるので、夏の花のイメージもありますが、秋まで長く咲き続けてくれます。
原種は草丈1.5mくらいまで伸びることがありますが、品種改良が進んで草丈が小さいものも増え、15cmくらいまでしか伸びない矮小種まで生まれています。

秋が深まると地上部分が枯れてしまいますが、春になるとまた芽吹いて花を咲かせてくれます。

春に種をまいて育てることもできますが、春と秋に苗が出回るので、苗から育てるのもおすすめです。
日当たりのよい場所で乾燥のし過ぎに気を付けて管理すると、よく育ちます。

明智光秀公の首塚が祭られている谷性寺の門前の「ききょうの里」では、5万本の桔梗が咲き誇る姿を見ることができます。

ききょうの里
〒621-0241
京都府亀岡市宮前町猪倉谷田23-2
https://kikyou-no-sato.com/

秋から育てて冬中楽しめる親しみのある花【パンジー・ビオラ】

パンジー・ビオラは冬の間ずっと花を咲かせ続けてくれるから、冬のガーデニングに欠かせない花の一つですが、ポット苗が並び始めるのが9月下旬ごろからなので、秋にもしっかり花が楽しめる欠かせない植物です。

種から育てるなら夏に種まきしますが、毎年新品種が続々登場しバリエーションが豊富なので、花をつけているのを見てお気に入りのポット苗を育てる方がおすすめです。
秋には特に数多い品種が大量に出回るので、お庭にベランダにパンジー・ビオラを取り入れてみてください。
定番中の定番の花ですが、飽きの来ないかわいらしさ、長く咲き続けてくれるタフさは他の植物には見られません。

11月下旬まで秋のパンジー・ビオラの花を楽しんだら、株元近くまで切り戻します。
花が一時期なくなり、株が小さくなってしまいますが、1か月しないうちにまた花が見られるようになり、春に徒長して姿が乱れることなく大株に育てることができるようになります。

春だけでなく秋にも満開を迎える桜【十月桜】

十月桜は9月ごろに蕾が膨らんできて、10月に一気に開花し、その後4月までぽつりぽつりと花を咲かせながら、染井吉野が咲くころにまた花を多く咲かせてくれる、冬にも春にも楽しめる桜です。
春にも秋にもしっかりと花が咲き、秋以降は寒い中思い出したようにぽつり、ぽつり、と咲きます。
十月桜はエドヒガンとマメザクラの交雑種のコヒガンザクラをもとに江戸末期に作られた園芸品種です。
濃いピンク色の蕾から、花径3cmほどの八重咲きの花が3輪ほど集まって咲きます。
十月桜の花は濃いピンクのものが最も多く、淡いピンク~濃いピンクの花を咲かせますが、ピンク色が濃く出る花も、咲き進むと純白になっていきます。

十月桜が秋に咲くとき、葉っぱがない状態で花を咲かせて、そのまま葉っぱがないままぽつぽつ花を咲かせながら冬を越し、春にも花を咲かせた後、ようやく葉が伸びてきます。
十月桜が植えられている公園などもありますが、盆栽の十月桜は流通量が多く、盆栽でもよく咲いてくれるので、育てて楽しむのもおすすめです。

こんもり丸い姿が赤く燃える【コキア(ほうき草)】

繊細な葉がこんもりと丸まって育つコキアは、夏の間は緑のころころとした樹形を楽しめますが、秋になると真っ赤に染まるので、色の移り変わりも楽しめる植物です。

コキアの種は畑のキャビアと呼ばれる「とんぶり」として食べることもできます。
秋にコキアの株元からこそげるように手でしごくと種がバラバラこぼれるので、庭のあちこちにまいておくと、春になると小さなコキアがあちこちから芽吹いてきます。
コキアはよく発芽し、邪魔なところに生えたものは簡単にきれいに抜き取ることができるので、グランドカバーとしても優秀です。

コキアの和名は「ほうき草」ですが、枯れた枝を箒にできることから名づけられています。
コキアは秋が深まると地上部分が枯れてしまうので、抜いたそのままでも箒として庭履きなどに利用しやすく、使い勝手がいい箒になります。

コキアは栽培が容易なので育てて楽しむのもおすすめですが、「みはらしの丘」では、一面コキアで埋め尽くす絶景を楽しむこともできます。
ネモフィラの咲く丘として有名な国営ひたち海浜公園は、ネモフィラの栽培後コキアの丘に生まれ変わります。
夏の間、一面をこんもりした黄緑色のコキアが覆いつくし、秋になると真っ赤に染まっていきます。

国営ひたち海浜公園みはらしの丘
国営ひたち海浜公園ひたち公園管理センター
〒312-0012
茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4
https://hitachikaihin.jp/hana/kochia.html

優しい香りが秋と開花を告げる【金木犀(キンモクセイ)】

沈丁花・梔子とともに「三大香木」として香りの良さで定評のある金木犀は、9月下旬~10月に甘く優しい香りのするオレンジ色の小さな花をたくさん咲かせます。
金木犀は常緑樹で、大きな葉っぱを一年中茂らせているので、小さな金木犀の花は目立ちにくいのですが、香りが強いので開花したのがすぐにわかります。

金木犀は古くから栽培されている花木なので、日本原産と思われがちですが中国原産で、雌雄異株なのですが、日本にある金木犀のほとんどが雄株であるために、実をつけることはほとんどありません。
金木犀は常緑樹であり病害虫もつきにくく、多少刈り込んでも丈夫なため、生垣にもピッタリで初心者でも育てやすい花木です。
樹高が3~6mまで育つことがあるので、育ちすぎないように頂上部分を切る摘芯を繰り返して伸びすぎを抑えます。

金木犀を育てると、咲き始めの金木犀の花を集めて、入浴剤にしたり、無水エタノールやウォッカなどに付け込んで金木犀の香水を作ったり、自然な金木犀の香りを楽しむこともできます。

監修:きなりのすもも
16年前に趣味でバラ栽培をはじめたのをきっかけに、花木、観葉植物、多肉植物、ハーブなど常時100種を超える植物を育て、弱った見切り苗や幼苗のリカバリー、一年草扱いされている多年草の多年栽培などに取り組んでいます。

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