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八重桜の花の時期と種類は?

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桜の中でも「八重桜」と言うとまた雰囲気も異なる印象ではないでしょうか。「八重桜」はいつ頃咲いて、どんな種類があるのか、意外と詳しい情報を知っていない人も多いでしょう。
八重桜の魅力について、ちょっと詳しくご紹介していきます。

そもとも八重桜とは?

「八重桜」とは、そもそも桜の品種ではなく、八重咲に咲く桜のことを表します。通常のソメイヨシノなどは5枚の花弁ですので、それより多い6枚以上の花弁の桜のことを「八重桜」と呼びます。

もっと詳しく分ければ、6枚~15枚までの花弁ですと「半八重咲」、5枚の花と6枚~10枚の花が1本の枝に一緒に咲いている木もあって、それを「一重・八重咲」と言います。とても不思議な桜の木ですよね。

そして、20枚~70枚までの花弁を持つものを「八重咲」、100枚以上になると「菊咲」と詳しくは分けられます。「そんな風にいろいろな桜の咲き方があるというのはあまり知られていないことではないでしょうか。菊咲」の場合には、「八重桜」と呼ばれる以外に「菊桜」とも呼ばれますよ。

八重桜の花の時期は?

八重桜の花の時期はと言うと、ソメイヨシノなどに比べて1~2週間ほど遅く咲きます。ソメイヨシノと入れ替わって咲き始めると言っていいでしょう。花見ができなかったと思っている人も、八重咲の桜を見つけることで遅い花見もできるようになりますよ。

そして、八重桜はソメイヨシノなどと比べて花の期間が長いのも嬉しい特徴です。花は八重咲ですので、ふんわりと丸い形状に見える花が咲きます。「ボタン桜」とも別名では呼ばれています。

八重桜の種類は?

八重桜の種類についてですが、多くの品種があります。「カンザン(関山)」や「イチヨウ(一葉)」「フゲンゾウ(普賢象)」「ヤエベニシダレ(八重紅枝垂れ)」などの品種があります。

「カンザン(関山)」や「イチヨウ(一葉)」は、丈夫で美しいのでも有名です。また、室町時代の古い時代からあったのが「フゲンゾウ(普賢象)」「ヤエベニシダレ(八重紅枝垂れ)」です。北海道の「松前公園」と関東の「新宿御苑」、関西の「大阪造幣局」が八重桜の名所としてよく知られている場所です。

特に北海道の「松前公園」ですが、江戸時代松前藩の時代の松前町由来の伝統的な桜と掛け合わせることで八重桜が作られています。昭和20年代から、桜の研究家かつ教職員の浅利政俊さんが品種改良によって、松前独自の桜を100種類以上も作っています。それらが八重桜も含めた「松前系」と呼ばれる品種と言われるものです。

「松前公園」では、日本最後の日本式城郭「松前福山城」のお城もあり、桜の種類を学ぶことができる「さくら見本園」もあります。また、桜を4月上旬~6月上旬まで2か月に渡って長く楽しむことができる公園として有名です。早咲き、中咲き、遅咲きの桜が見られると言われる貴重な公園です。

「松前公園」では、4月下旬から「松前公園」を代表する「(ナデン)南殿」、別名「松前早咲(マツマエハヤザキ)」が咲きます。中でも一番数が多い品種で、淡紅紫色の花弁が12~15枚の半八重咲の八重桜が咲きますよ。

そして、5月も後半になると八重桜が本格的に沢山咲き始めます。「イトククリ(糸括)」という江戸時代からある古い品種の桜が咲き、ピンクの手毬のような花が特徴です。濃いピンクの代表的な八重桜「カンザン(関山)」も咲きます。また、真っ白なのが「アマヤドリ(雨宿)」、少し緑っぽい「ウコン(鬱金)」などの花を次々と見ることができます。

あらためて桜の歴史と八重桜の魅力とは?

北海道の「松前公園」などでは、沢山の八重桜が見られることをご紹介しましたが、あらためてこうした、「八重桜」の魅力も考えてみたいと思います。

「八重桜」は、実は歴史が古い桜です。平安時代に多くの人々が庭に桜を植え始め、そこから原種を掛け合わせたものが多く登場。その中から、花弁の多い「八重咲」や「枝垂れ咲き」が誕生したと言われています。

そして、その後の江戸時代に「ソメイヨシノ」が誕生し、明治になって実際に「ソメイヨシノ」と呼ばれるようになっています。実は、「八重桜」の方が「ソメイヨシノ」よりも、とても古い歴史を持っていると言えます。

そんな歴史のある「八重桜」の代表的な品種が「カンザン(関山)」です。「カンザン(関山)」は、25枚~40枚の花弁があり、濃いピンクの花色をしています。花の咲く時期が元来遅い「八重桜」ですので、花が咲いている際には、葉っぱも出ているのが「八重桜」の特徴です。

「ソメイヨシノ」などは、花が咲いてから、葉っぱが出ますが、「八重桜」は花が咲くころには葉も出ているのが特徴と言えます。花と葉を一緒に見ることになります。ふっくらとした八重咲の花が咲く様子は、可愛くて魅力的ですよね。

歴史のある八重桜!ゆっくりと花見はいかがですか?

「ソメイヨシノ」とはまた異なる魅力の「八重桜」と言えます。平安時代から愛されてきたという、長い歴史も感じながら見てみてはいかがでしょうか。
また「八重桜」の魅力も新たに感じることができるでしょう。ゆっくりと遅い花見を楽しみたい「八重桜」です。

監修:トマト
毎日いろいろな発見をさせられるガーデニングです。
長年のガーデニング経験から育て方の難しさもそれぞれの植物に学んでいます。
今は多肉植物などにも凝っていて、新しい発見と成長を見ていきたいと思っています。

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