フランスの伝統工芸、カルトナージュの魅力!

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カルトナージュとは、ダンボールのような厚紙の表面に布や紙を貼り付けて装飾する技法のこと。起源は、古代エジプトにまで遡ぼります。カルトナージュは、葬儀用品であるミイラのマスクや棺桶の表面に用いられました。箱や容器の表面にパピルスやリネンなどの材料を何層にも重ね、石膏などの接着剤で固めてつくります。その表面をペイントして故人に似せることで、死者は永遠に生き続けるとされていたのです。

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19世紀半ば、こうしたカルトナージュの技法はフランスで蚕の卵や茶葉の保存箱に応用されるようになります。厚紙でできた紙箱は、丈夫で、吸湿性に長けていることから品質を損なわず保存するのに適していたのです。
まもなくして、このカルトナージュは娯楽の一つとして上流階級の女性を中心に広まるようになります。貴族が参加するお茶会では、カルトナージュを用いて美しく装飾された茶箱が頻繁に披露されたのです。そこに目をつけた商人は、カルトナージュを用いたジュエリーやチョコレート、パフュームボックスなどを競って製作し始めたのです。

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こうした歴史の中で、カルトナージュはフランスの伝統工芸として急速に成長していきます。厚紙で作った表面に色とりどりの模造紙や布を張り合わせ、リボンやレースで装飾して仕上げていきます。現在では、フランスのみならず、イギリス、アメリカ、ロシア、ブラジルなど世界中に広がってきています。
それぞれの国によって色使いや素材が異なるところもカルトナージュの魅力です。特に、フランス流の色使いや繊細なデザインは世界中で人気があります。イギリスでは、パッチワークのように貼り合わせたカラフルな模様、日本では、和紙や着物を使ったデザインも誕生しました。
カルトナージュは、特別な材料や道具を必要とせず、家にあるものから始めることができます。用意するのは、箱を作る厚紙と布や色画用紙の2つだけ。厚紙は牛乳パックを代用したり、お菓子やジュエリーなどの空箱をリメイクすることもできるのです。
カルトナージュ作りで大切なポイントは、しわや凹凸ができないよう丁寧に布や模造紙を貼り付けていくことが重要になります。特に箱の角部分は処理が難しく、折り紙のように折り畳みながら貼り付けるテクニックが必要です。近年では、カルトナージュの教室や本など多くの情報を参考に学ぶことができるようになりました。
カルトナージュの良さは、自分好みに合わせて好きなデザイン・大きさで自由自在に作ることができること。ギフト用の小箱やダストボックスのような大きなものまで形もさまざま。既製品では得られない、手作りならではのあたたかみを感じることができ、作るのも使うのもワクワクします。
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