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【セルフうどん店に入る前に知っておきたい!】さぬきうどんのメニューを理解しよう

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【セルフうどん店に入る前に知っておきたい!】さぬきうどんのメニューを理解しよう

まずは、香川県でうどんを楽しむために、予備知識としてメニュー構成について触れておきましょう。意外と、お店探訪記はあるものの、こういう形で一般的なメニューの一覧をご紹介する記事は少ないかもしれません。

かけうどん

うどんの基本形ともいうべき「かけうどん」。関西では「素うどん」とか言いますが、香川では「素うどん」とは呼びません。これに、青ネギ、かまぼこの薄切りなどが載せられていることが多いです。小腹を満たすのにはもってこいです。

ざるうどん

こちらも、準基本形の「ざるうどん」。さぬきうどんをしっかりと楽しんで味わうには、一番のおすすめです。おいしいと評判のうどん店では、角のしっかり立った、直角に切られて、艶のある、生き生きとしたコシのある麺が出てくれば当たりです。

うどんのつゆは、濃い目にできていますが、食べ終わったら、少し飲んで箸をおきましょう。「そば」と違って、「そば湯」のようなものは出てきません。

ぶっかけうどん

「ぶっかけうどん」の歴史はそんなに古くはなく、一番古いのは、倉敷のぶっかけうどんのようですが、倉敷の方はあまり有名ではありません。古くはないといっても、50年は経過していますので、それなりの歴史は作られてきていると言えるでしょう。

もともとは、つけ汁を、皿にのせたうどんにかけて食べたことが起源なのでしょうが、 筆者としては「ぶっかける」という、乱暴な表現はあまり好きではありません。日本の食べ物を繊細なお箸で上品にいただく、日本の食文化の中で、食べ物の命名としても、あまり、優れた名称とは言いがたいでしょう。そもそも多くはないメニューの中で、少し、変化を持たせたうどんと言えます。

釜揚げうどん

「釜揚げうどん」とは、文字通り、うどんの麺を「お釜」で一定時間、茹でた後に、小さなたらいの器に、煮汁ごとそのまま入れて、茹でたてを「つけ汁」につけていただく方法です。熱々をいただけるのが特徴ですが、ほかのうどんは、茹でた後、一度、冷水で「しめ」ますが、釜揚げの場合は、しめません。それゆえに、麺が柔らかくしなやかに出来上がり、角の立った感覚は感じづらい食べ方です。この「しめない」という点が、他のうどんの食べ方と、決定的に違うポイントです。一般的には、釜揚げ専門店で、たくさんの量を大きなたらいに入れてみんなでいただくという食べ方が適しているうどんです。

湯だめうどん

「湯だめうどん」は、外観上、釜揚げとよく似ていますが、茹でた後、水でしめることを行います。そのため、うどんのぬめりも取れて、食感は、他のうどんと似ていますが、茹でた後、時間が経過していることが多いため、柔らかめで、腰が少なくなっているとも言えるでしょう。食べ方の変化として、楽しんでいただくとよいでしょう。

しっぽくうどん

他の地方では、けんちんうどんと呼ばれるうどんによく似ています。香川では、主に、冬の寒い時期に提供されるうどんで、かけうどんの中に、野菜とともに煮られた甘いつゆがぽいんとで、寒い季節によく体の温まる食べ方です。香川でも、好んで食べる方はどちらかというと少ないのですが、年配の方はよく食べるうどんです。香川県全域にあるわけではなく、東や中央部に多い食べ方の郷土料理の一つです。

きじょうゆ

香川県でも、年配の、本物の「通」の食べるうどんです。手打ちで、麺に自信のあるお店でしか提供されないメニューと言えるでしょう。 打ち立て、茹でたての麺に、醤油だけをさして、いただきます。「麺で一本勝負」の食べ方です。さぬきうどんの真髄は、うどんの「麺」そのものですので、麺を味わうためには、最適と言える食べ方です。

天ぷらうどん

「天ぷらうどん」は、かけうどんに、天ぷらの載せられたうどんですが、香川県の場合、「天ぷらうどん」というと、「エビの天ぷら」、多くは2本の海老天の載ったうどんのことを言います。エビが大きい場合には、他の地方でもそうだと思われますが、1本のことも多いでしょう。天ぷらうどんの場合は、「海老天」のことですが、香川のおでん種の「てんぷら」は、今度は、「海老天」ではありません。ぜひ、試してみてください。

「大」と「小」と「玉」

うどんの注文の方法にも主流の方法があります。
別に難しくもなんともないのですが、「大」か「小」をつけて、注文することが主流です。セルフや製麺所では、一般的な頼み方で、たとえば、「かけの大」、とか、「ざるの大」と言えば大丈夫です。 たいていは、大食いが多く、うどんだけでおなかを満たそうとすると、「大」を注文する人が多いです。小腹を満たしたいときや、食べ歩きをしたい場合は、「小」を注文するとピッタリです。

どの店も、メニューに、かけうどん(大)180円、とか、書かれていますので、メニュー通りといえば、その通りなのですが。その店なりの、通常の頼み方というものはあるもので、初めての場合は、前の人がどのように注文しているか、気をつけておくと、すぐにわかります。わからない場合は、お店の人に聞けばいいので、何も心配することはないのです。お店の人は、まるっきりの香川の方言ですので、他地方の方は、面食らうことがあるのかもしれません。

カウンターの前に立つと、大体、「なんにするんな?」と、聞かれると思われます。
標準語に翻訳すると、「ご注文は何になさいますか?」に相当する方言です。

近年、「釜玉うどん」なるものがメニューとして、よく「聞かれるようになりましたが、そもそもは、古くからは無かった食べ方です。釜揚げ後の食べ方のバリエーションとして、派生してきたメニューでしょう。スパゲッティでいうならば「カルボナーラ」くらいのもので、どちらかというと、本筋のメニューではないと言えます。

さあ、何を楽しむかは、自由ですが、メニューの成り立ちを知っておくと、少しは参考になるかもしれません。
香川県では、喫茶店のメニューにも、うどんがあったりしますので、やはり、日常食としてとらえておいてくださるとよいでしょう。地元では、いわゆる、ファーストフードの一つです。
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