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『香川県さぬきうどん』の魅力は三ツ星レストランの感動!

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『香川県さぬきうどん』の魅力は三ツ星レストランの感動!

香川県。いつのまにか、「うどん県」とも称して、うどんをキーワードに県の観光をPRしています。1500年代から、讃岐国と呼ばれ、「さぬき」は、今も、息づいています。

バブル経済華やかりしころ、関東から九州へ飛行機に乗ってラーメンを食べに行った、という話を聞いたことがあります。しかし、バブル崩壊以降、そんな話は聞いたことがありませんが、さぬきうどんだけは、うどんを食べに行くためだけに香川に出かける人が、今もずっとずっと続いているようです。飛行機や、列車や、車を使って、遠くから、うどんを食べに行く。何万円も往復に使って、数百円の食べ物を食べに行くのですから、それは、すごいことだと思います。そして、感動して、帰ってきて、また、行きたいと思うのですから、大したものだと思います。人気のうどん店には、行列が絶えることなくできて、店主の家が新築で建って、「うどん御殿」と呼ばれているという話もあります。

普通の名物なら、美味しかったと思っても、そこへ、また出かけたいかという気持ちが生まれるかと言うと、そうではなく、旅の思い出として記憶に残るだけが通り相場でしょう。

これは、「遠くからわざわざ食べに出かける価値がある」ということで、いわば、うどん店は、三ツ星に近いということではないでしょうか。

現に、三ツ星レストランで、取りにくい予約が取れて、何万円もの対価を支払って食べれば、美味しいに決まっている。おいしくなければ、それだけの大枚をはたいてわざわざ食べに行く意義がないですね。高級な食材も何種類も使われて、スタッフも何名もいて、しかもフルサービスを提供していますから、おいしくなければ、高い代金を頂戴するわけにはいかないと思います。

しかし、うどんというものは、庶民の食べ物であって、香川県民にとっては、毎日食べる日常食でもあります。それほど生活に根付いている素朴な食べ物です。しかも、お値段も安い。お昼に食べるいわばファーストフードでもあります。お値段も全国の平均的なラーメン一杯の販売価格を上回ることは絶対にないでしょう。数百円で、三ツ星レストラン級の感動があります。それだけおいしいし、味が衝撃的にうまいということです。しかも、毎日、白米のごはんのように、何回食べても飽きることがない、スーパーフードです。

全国どこにでもある「うどん」という食べ物なのに、なぜ、こうも違うのか。さて、そんな不思議なうどんの旅にあなたとご一緒することにしましょう。

まずは、出かけずに食べる方法

冷凍うどん
さぬきうどんを自宅で、素早く味わう方法を一つご紹介しましょう。これは、真夏の熱くて食欲も落ちそうなシーズンに特におすすめの食べ方です。 冷凍うどんを買ってきて、電子レンジで、3分。おいしいざるうどんの出来上がりです。つゆは、自分の好きな物を使えばよいのです。 冷凍技術の進歩も大したもので、手軽にコシのある麺を楽しむことができます。できれば、製造元は香川県の物をお勧めします。

セブンイレブンのさぬきうどん
裏側に書いてある製造元を見てみると、「テーブルマーク」と書いてあります。ここは、以前、加ト吉という香川県の冷凍専門メーカーがJTに買収されて、社名も変更になった企業ですから、味は期待できそうです。しかも、タイトルに「コシとのど越しが自慢の」と、書いてあります。コシは、全国どこでも使いますが、この「のど越し」の言葉は、香川県では「うどんはのど越し」と言って、食べる時に、あまり噛まずに、飲み込む感覚で味わう、これがのど越しです。あるTVで実験していた映像を見ていると、他県民の方は10回以上噛むのに対して、香川県民は、うどんを食べるのに、4回ほど噛むものの、のみこんでいるという実態がありました。ですから、香川県民のうどんを食べるスピードは速く、お昼の食事時間ではセルフの早さも手伝って、お店に入って5分くらいでぺろりと平らげ終了、というのは、よくある光景です。

チェーン店「丸亀製麺」で食べる

たとえば、「丸亀製麺」。
全国に店舗ができていますが、今では、海外にまで進出し始めた企業株式会社トリドールのうどん店です。これは、地元香川県民にとっては驚き以外の何物でもありません。これまで、うどん屋のご主人が代々、味を伝え、毎日丹念にこしらえてきたものを、機材と人材と、食材があれば、どこでも作れるようにしたのですから、画期的なことです。製麺機も導入し、その店で作ることにこだわったこともすごいことです。

また、セルフ方式に近い形にして、お客さんが、動いて、麺をもらい、好きなトッピングを取っていくのも、雰囲気が味わえますし、人件費の節約にもなり、他の地方にない、食べ方として、普段とは違う場を提供できています。お値段もお手頃価格に抑えていることも、学生や家族連れにも、受けたようです。

また、お店の従業員さんも、一般のファーストフード店のように、若い女性のアルバイトではなく、人間味の出ているベテランの男性、女性を起用していることも本場のうどん店の雰囲気づくりに大いに貢献していると思われます。ちょっとした会話でも、若い女性のマニュアル言葉ではなく、味があるものです。

ただし、生粋の香川県の会社でないことから、たとえると、「札幌ラーメン」を青森県の会社が提供するようなところがありますので、本場風ではあるものの、本当の本場とはいいがたいのがこのお店の実態です。神戸の会社なら、神戸製麺と、名乗ってもらいたかったというのが本音ですが、さぬきうどんを作っている以上、仕方のない選択かもしれません。

しかし、味と店の雰囲気や麺そのものも、本場のうどん店に迫るものがありますので、試してみてください。

また、香川で製麺所と言えば、うどん屋さんと言うよりも、麺だけを専門に作って納めている業態をいい、うどん専門店の屋号としては、普通は使わないものです。そして、近年、名物店として紹介されている「○○製麺所」というところは、麺だけを専門に作っているところで、ついでに、製麺所の一角で食べることもできるというお店です。

その雰囲気をうどん店の登録商標としてうまく使ったいい事例です。
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