うどん

おしぼりうどんをご存知? 強烈な辛さの後のほのかな甘みが絶妙な、長野の郷土料理

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(写真提供 インスタグラムID:sachijie)


「おしぼりうどん」という料理をご存知でしょうか? おしぼりうどんとは長野県埴科郡坂城町や千曲市などで昔から食べられてきた郷土料理で、手を拭くための「おしぼり」とは全く関係がありません。今回はおしぼりうどんとはいったいどんな料理なのか、詳しく紹介していきたいと思います。

大根の絞り汁につけて食べる「おしぼりうどん」

おしぼりうどんは、ねずみ大根と呼ばれる大根をすりおろして、その搾り汁に信州みそを溶かしたつけ汁に釜揚げうどんを浸けて食べるローカルフードです。大根おろしではなく搾り汁を使うというのが最大の特徴で、信州みそのほかにかつお節やネギなどの薬味をお好みで入れて食べます。

味は使用する大根にもよりますが、基本的にはとても辛いので、初めて食べた方はその辛さにむせかえってしまうかもしれません。しかし辛さの後にほのかに甘さが感じられ、何とも言えないうまみも楽しめます。ちなみにねずみ大根やおしぼりうどんのように辛さの後に仄かな甘みが感じられることを、地元では「あまもっくら」という方言で表現するそうです。

おしぼりうどんのつけ汁は、そのまま口にすると強烈な辛さに襲われますが、その味をマイルドにしてくれるのが信州みそです。辛いつけ汁に少しずつ信州みそを溶かしていくと、段々強烈な辛さが和らいでいき、初めての方でも食べやすくなります。寒い日に熱々の釜揚げうどんをおしぼりうどんにして食べると、この辛さが体を芯からポカポカと温めてくれるそうです。

長野県のほかの地域では「おしぼりそば」も

「おしぼり」という名前からは想像がつかないという方も多いかもしれませんが、このユニークな名前の由来は大根おろしを布巾やガーゼで絞ることから来ていると言われています。地元では昔から賓客をもてなすための料理として親しまれており、来客時には家族総出でねずみ大根をおろしたと言われているほど地域に根付いている「おしぼりうどん」。そのメイン材料となるねずみ大根は、古くから坂城町の一部で栽培されていた地大根です。
形状がねずみの尻尾の似ていることから「ねずみ大根」と呼ばれるようになったと言われており、現在は坂城町の特産品としてさまざまな料理に用いられています。

ちなみに長野県の戸隠周辺では、同じくねずみ大根の絞り汁に、うどんではなく蕎麦を浸けて食べる「おしぼりそば」も存在します。こちらは冷たいそばをくぐらせて食べる郷土料理で、おしぼりうどんと同様にとても辛いです。

辛さがクセになる本場「おしぼりうどん」を食べに長野・坂城町へ

(写真提供 インスタグラムID:ushy2012)


いかがでしたか? 坂城町ではおしぼりうどんをいただける飲食店が数多くあるほか、ねずみ大根を使ったドレッシングや漬物、お菓子なども購入することができます。おしぼりうどんは長野県ならどこでも食べられるわけではないので、「食べてみたい」という方は坂城町へぜひ足を運んでみてください。
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