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本場さぬきうどんの名店「一福」神田店の店長が語る美味しいうどんの秘密とは!?

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さぬきうどんの名店として香川県で多くの人に知られている「一福」。うどんは細麺タイプながら、伸びるようなコシの強さと喉ごしの良さがあり、地元で高い人気を誇っています。

その暖簾分けとして東京に進出した「一福」の開店から1年が経過しました。サラリーマンの街として賑わう神田で、今では客足の絶えない評判の店として多くの人から愛されています。

今回は、店長である勝山直様に、この1年の取り組みや「一福」のうどんの美味しさの秘密などについてお聞きしました。

Q:昨年8月のオープンから1年が経ちましたが、どのような感想をお持ちですか。

香川県の本店からの暖簾分けということで、東京で同じ味を出すためにはいろいろと難しい部分がありました。環境や水など、うどんにとって最も重要な部分が、香川県とは大きく違いますので、味を近づけることに苦労しました。お客様の入りについても、本店のほうは、いつも行列の絶えない大人気店ですので、そこと比べるとまだまだと考えています。東京は香川県の人とはまた好みの方向も違いがあると思いますので、試行錯誤しながら続けています。

一福 本店

Q:東京進出へと至った経緯を教えてください。

私はうどんとは関係のない会社に勤めていたのですが、たまたま会社の方針として「さぬきうどんをやってみよう」という話になったのです。
それで、私に白羽の矢が立ち、香川県に行ってうどんを食べ歩いて「一福」に辿り着きました。いろいろと食べてみたのですが、東京で合うのはいわゆる「さぬきうどん」というイメージの太麺で強烈な弾力があるうどんよりは、のびるようなコシがあって、心地良い食感でするすると入っていく「一福」のようなうどんではないかと感じたのです。サバ節とうるめいわしを使った出汁がシンプルなのも特徴で「一福」のお店では、小さなお子様からお年寄りまで、幅広い年代の人がうどんを楽しんでいたのがとても印象的でした。

そこから会社と相談をして、暖簾分けしてもらう話がまとまってから、本店で私とスタッフがうどんの作り方を教わるために修行をして、東京での開店となりました。

Q:うどんづくりにおいて最もこだわられているところはどこですか。

それは「全部」というのが正しい答えだと思います。
気温や熟成時間、水など全ての部分で考えなければいけません。例えば気温が変わると、うどんも変わります。分かりやすく言うと、寒いと硬くなり、暖かいと柔らかくなるので、作り方はその日ごとにバランスを変えていかなければなりません。
温度を一定に保っておける熟成庫にうどんの生地を保管しているので、ある程度管理はできていますが、そこから調整をしていくことになります。また水については、軟水のほうが美味しいうどんができるのですが、東京の場合は硬水なので、それに対応しなければなりません。今は軟水から硬水に変えることのできる機械もあるので、それを使って、できるだけ香川県と同じ条件でできるようにしています。

Q:看板メニューはどれになりますか。

冷たいかけうどんの「ひやかけ」です。水でしめているので、コシがあって喉ごしも良く、うどんの美味しさを存分に味わっていただけます。

Q:本店にはない、東京だけの一品であるカレーうどんについて教えてください。

うちのオーナーが日本を代表するフレンチのシェフ・北島素幸さんと知り合いで、カレーうどんのことを相談したら協力していただけるということになりました。
お店に来ていただいて、当店の麺にはどのようなカレーが合うのかを1ヵ月ほどかけて吟味していただいて、できあがりました。
時間をかけて煮込んだ肉や野菜による深いコクを楽しめるカレーうどんは、とても贅沢に感じていただけるのではないかと思います。出汁も付けていますので、最初はそのまま食べていただき、頃合いを見計らって出汁をかけていただくと和風テイストになり、2度楽しんでいただけるようになっています。

Q:サイドメニューについては、いかがでしょうか。

ゲソやとり、野菜盛り合わせなどの天ぷらがあります。衣は銀座にある日本料理店からアドバイスをいただいて、うどんに合う味付けの衣であげています。おでんは、本店のものと基本的には同じ味付けですが、少し薄味になっていて、香川県流に特製味噌をつけてお召し上がりいただけます。
Q:うどんの魅力は、どのようなところだと思われますか。

うどんを食べていて「いいな」と私が思ったのは、香川県で朝から外で食べていたときのことです。周りの素朴な景観を眺めながら食べていると、とても幸せな気分になりました。このように気軽に食べられるうどんは、シチュエーションを選ばないのも良いところで、人によって様々な楽しみ方できるところが大きな魅力だと思います。

Q:最後にこれから目指されていることについてお聞かせください。

「一福」の味をしっかりと守っていき、たくさんの人に食べていただいて「美味しい」と感じていただきたいと思っています。多くのお客様に来ていただいていますが、さらにたくさんの人に味わっていただけるよう精進していきます。
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