盆栽

初心者でも出来る盆栽の剪定の仕方を習得し、盆栽づくりにチャレンジ!

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自分で剪定した盆栽を身近なところに置いて、四季の移り変わりを楽しみたいと思っている方も多いです。しかし、盆栽初心者の多くは、剪定の仕方が分からないので間違って枝などを切ってしまったら新しい枝がすぐに生えてこないので、どうしたら良いのか不安を抱えています。また、盆栽初心者にとって盆栽の剪定は難しいイメージがあります。

確かに盆栽を育てていく上で、盆栽の剪定は必要不可欠な作業です。しかしながら、その必要理由を理解して剪定の基本的な仕方や剪定の時期を把握することで、盆栽初心者でも簡単に盆栽の剪定をして、自分で剪定した盆栽を楽しみながら観賞することができます。

剪定が必要な理由

盆栽に剪定が必要な主な理由として、2つあります。

最初の理由として、剪定は盆栽の伸びた枝や乱れた樹形を整えるために必要な作業です。一般的に盆栽の枝の先端に付いている数芽の成長は活発ですが、枝の下の方にある芽は休眠状態です。そのため、先端の枝や成長が活発な枝を切ることで枝の下にある芽の成長も活発になり、新しい枝も増えてくるので、盆栽全体にバランスのよい枝配りが期待できます。この剪定を行わないと枝が伸びて樹高になってしまい、盆栽がまとまりのない乱れた樹形になってしまいます。

2つ目の理由として、盆栽も植物なので、剪定により新しい新芽が出てくることで葉が増え、栄養分も増加して盆栽の成長が活性化されます。剪定によって、盆栽の内側まで陽当たりが良くなるので盆栽にも養分がいきわたり、風通しも良くなり、虫も付きにくくなります。

初心者でもできる剪定の仕方

盆栽の剪定の基本は“切る”(剪定)ことです。盆栽の樹種、樹齢や状態、季節によって剪定の仕方も異なります。
盆栽初心者でもできる基本的な剪定として、「芽吹きや枝を増やす剪定」と「根の剪定」の2種類あります。「芽吹きや枝を増や剪定」には間引き剪定、強弱剪定や切り返し・切り込み剪定がありますが、いずれも基本的な剪定作業なので、簡単に行うことができる剪定作業です。

・「芽吹きや枝を増やす剪定」

―間引き剪定
間引き剪定は、基本的に混んでいる枝を枝元から間引く(切る)ことです。この剪定を行う時期は、一般的には春から初夏にかけての生育期が良い時期に行いますが、盆栽の種類によっては冬の休眠時期でも行うことができます。この剪定は盆栽の樹形を作ったり、整えたりするために行われる剪定です。間引き剪定をする“コツ”は、剪定を始める前に盆栽の忌み枝(不要な枝)を見つけて置くことが大事です。事前に剪定をする忌み枝を把握しておくと、残しておく必要な枝などを切ってしまう心配もないです。そして、盆栽全体を見ながら枝が混んでいる部分を間引く「枝すかし」をします。その際の注意点として、例え弱っている枝でも必要な場合は切らずに残し、樹の生長がしやすい状態を作ります。

―強弱剪定
強剪定と弱剪定は、盆栽の葉や切り落とす枝の量によります。強剪定は、沢山伸びた枝や葉を剪定するので、新芽が出やすくなります。この強剪定は、成長が著しい若木の樹形を作る際は必要です。また、この強剪定は沢山枝を切るため葉の量が少なくなってしまうので、状態の良くない盆栽や古木にはあまりおすすめできません。

弱剪定は沢山芽吹きはしませんが、ある程度の枝や葉の量が残っているので、盆栽は少し大きくなります。

―切り返し剪定と切り込み剪定
切り返し剪定も間引き剪定と同じように、枝を途中から切るので芽吹きが良くなり、新しい枝を増やす効果があります。切り込み剪定は、枝を切ることによって幹を太らせ樹の高さを低くするので、枝ぶりが細くて細い枝が沢山ある樹形をつくる場合は、この剪定を行います。

・「根の剪定」

盆栽の剪定は、観賞する鉢の上の部分に出ている幹や枝だけではありません。土の中にある「根の剪定」も枝や幹を良い状態で維持していく上では、欠かすことができない剪定です。この剪定をしない場合、強い根などが伸びすぎて根詰まりをおこし、葉、枝や幹などの生育に悪い影響を与えてしまいます。根の剪定の仕方は、強い根や弱っていたり腐ったりしている根を切り詰めることです。この剪定によって“支根”の生育を助け、この新しい支根から出てきた細根によって水や栄養分が幹や枝などにいきわたるようになります。せっかく水や肥糧を与えても根の状態が良くなければ、それらを吸収して枝や幹などに届けることもできません。我々も栄養のあるものを食べても体に吸収されなければ同じです。

根の剪定は、一般的に盆栽の植え替えをする春の時期に行いますが、枝などの剪定と異なり一年の内に複数回することはできません。盆栽の種類や状態、そして樹齢にもよりますが、通常年に1回あるいは2~3年に1回くらいを目安として、植え替えをする時に一緒に行います。

太根を切るときは、出来れば消毒してあるナイフなどで綺麗に切ることが大事です。痛めた状態になっていると細菌が入ったり腐ったりする原因になります。また、支根から出てくる細根は、太根を支える大事な役割を果たしていますが、数か月くらいで新しい根と交代しながら生長しています。そのため、植え替えをする際は、盆栽鉢の土を2~3割くらいの目安で取り除くぐらいで、根の剪定をすることが出来ます。

季節ごとの剪定

季節ごとに行う主な盆栽の剪定として、枝を増やすために春に行う剪定と樹形の乱れを整える秋に行う剪定の2つがあります。盆栽の種類にもよりますが、常に盆栽を良い状態で維持するためには春と秋だけでなく他の季節でも剪定を心がけることが大事です。

・春に行う剪定
春に行う盆栽の剪定は、枝を増やすために新芽や根の剪定と樹形を整えます。この剪定は新しく伸びた新芽を2~3節残して先端を切り、伸びすぎた枝や混んでいる枝を間引き樹形を整え、植替えの際に行う根の剪定です。特に、寒さに弱い松柏や雑木類の盆栽の剪定は春が大事な剪定時期です。秋かの終り頃剪定をすると樹の勢いが衰退してしまうので枝や切り込みなどの剪定は、新芽が出てくる春の季節が適期です。

・夏に行う剪定
夏に行う剪定は、徒長枝やひこばえ(ひこばえ=樹の根元から出てくる孫芽)を切ることが主な作業です。この時期は徒長枝やひこばえの伸びが早いので、早めに剪定作業を行うことが大事です。徒長枝の剪定の仕方として、基本的には幹の基部から切ることが一般的ですが、枝を切る際は毎回1芽残しながら剪定をすることで、新しい節の詰まった枝になります。一方、実や花をつける盆栽は夏の時期が「花芽形成期」です。盆栽によっては翌年の花や実をつける時期になるので、遅くても6月から7月の初めまでには剪定を終わらせることがポイントです。もし、この時期に剪定が出来なかった場合は、無理に剪定をしないでそのままにして、来年の剪定時期まで待つことが大事です。

・秋に行う剪定
秋に行う剪定は、基本的には乱れた樹形を整えて維持することです。春から伸びた枝に花芽が付いている場合、その先端を切り戻します。また、一般的に植え替えや根の剪定は春に行いますが、根頭癌腫病になりやすいボケやカイドウ等の盆栽は、この時期にこれらの作業を行うことで、この病気の予防をすることができます。

・冬に行う剪定
冬に行う剪定は、主に落葉樹が中心です。冬の時期になると落葉樹は葉が落ちてしまい枝や幹だけになるので、樹形がわかりやすく剪定がしやすいです。もし、少しでも葉が残っている場合、切った枝から樹液が出て止まらなくなり枝が枯れてしまう可能性があるので、全ての葉を取ってから剪定を始めることが大事です。また、この時期は、松柏や雑木などの休眠状態の盆栽は既にかけてある針金を整えます。冬の時期は多くの盆栽の樹木は活動が休眠状態なので、枝を切ったりすると夏の時期と異なりダメージも強く回復力も弱いたので、思い切った剪定は春まで待って行います。

近年、日本の盆栽はお子さんから年配の方まで幅広く人気があり、海外の愛好家数も増加の一途を辿っています。
盆栽は、絵画や他の美術芸術品とは異なり、四季折々の自然の美が鑑賞できる “命のある芸術”として、沢山の魅力を持っています。
その盆栽のもつ魅力について、いくつか探ってみたいと思います。

盆栽鉢の中で鑑賞できる自然の風景美

盆栽の魅力の一つは、季節の移り変わりや美しい大自然の風景が盆栽鉢の中で鑑賞できることです。盆栽に使用されている植物は主に松柏、雑木、花もの、実ものや草ものの5種類に分類されます。これらの植物は身近なところにある日本原産のものが盆栽に使用されているので、親しみやすいです。

例えば、盆栽の幹や枝などの樹形を楽しむ盆栽には、常緑樹である松、真柏やヒノキなどの盆栽があり、これらの盆栽を通して、大自然の中にいるような雄大さや神秘を感じることができます。

また、花や実を楽しむことができる盆栽は、美しい花と香りで春の訪れ知ることができ、花が終わったあと実をつけるので、さらに自然の風景や季節の移り変わりを感じることができます。新緑や紅葉を楽しませてくれる盆栽も同じように四季折々の自然の美を感じさせてくれます。

どの盆栽も異なった良さがある

盆栽は樹齢数が数十年のものから数百年のもの、小さいものから大きいもの、そして落葉樹や常緑樹のもの等、盆栽の樹齢年数、樹種や樹形など多種多様の盆栽があります。また、観賞する時期が異なるものや通年を通して鑑賞できる盆栽もあります。全く同じ盆栽はないので、どの盆栽にもそれぞれ異なった“独自の良さ”があることも魅力です。

例えば、樹齢数百年の盆栽を鑑賞していると、時間が過ぎることも忘れ、まるで山の中でこの樹木を眺めているような感じを持ってしまいます。そして、その盆栽の幹や枝ぶりから季節の移り変わりや自然の光景を感じ取ることができます。

一方で、樹齢年数が少なく、手のひらの中に入るくらい小さな盆栽でも、日頃の愛情ある管理や手入れによって、四季折々の自然の美を感じ取ることができます。盆栽の種類にもよりますが、春には花、初夏には新緑の葉、秋は紅葉、そして冬には落葉した幹や枝を楽しむことができます。小さなサイズの盆栽でも仕立の工夫や置く場所を選ぶことで自然の美しさが感じられることも魅力です。

自由に育てることができ、心が癒される

盆栽愛好家にとって、盆栽を自分の好きなように自由に育てることができることも魅力です
。盆栽は自分で種をまいたり、挿し木をしたり、あるいは苗木から育てたりしながら、鑑賞することができます。小さな盆栽は庭のないマンションのベランダでも育てることができるので、自分の生活空間に合わせた盆栽を選び、自由に育てながらその成長や変化を鑑賞できることも魅力です。

また、忙しくストレスが多い毎日の生活の中で、大自然に囲まれて生活することは憧れです。たとえ現実的に大自然に触れることができなくても盆栽を自由に育てたり鑑賞したりしていると、自然の変化や季節の移り変わりを直接に感じることができるので、心も癒されます。

例えば、盆栽の新芽が出たり、枝がほんの少し伸びたり、花が咲いたりすることは、毎日の生活の中ではとても“小さなこと”かもしれません。しかしながら、この盆栽の“小さな成長や変化”が、“心の潤滑油”として、素朴な感動を私たちに与え、私たちの心が癒されることも魅力です。

富裕層コレクターが買い占めている!?ヨーロッパで大人気【日本の盆栽】

日本語の[BONSAI]で通用するくらい日本の盆栽はヨーロッパの国々で人気があり、若いお子さんから年配の方まで幅広い年齢層の人々に親しまれています。

また、日本各地で開催される盆栽展や生産地で芸術性の高い盆栽を求め、直接買い付けをするために来日するヨーロッパの盆栽愛好家や輸入販売業者の数は年々増加しています。そのためヨーロッパにおいて、今後の日本の盆栽需要は年々増加しています。

日本の盆栽はすでにヨーロッパでは人気や知名度があり芸術性も高く評価されていますが、日本の盆栽が現地の人々に受け入れられた歴史的背景や人気の理由は、意外と知られていないです。

歴史的背景

日本の盆栽人気がヨーロッパで広がった歴史的背景には、パリと大阪で開催された2つの万国博覧会の影響があります。

1900年のパリ万博会場で展示された日本の盆栽は、ヨーロッパの人々が日本の盆栽を知るきっかけ与えました。その後、ヨーロッパでは日本の盆栽の専門書などが数多く出版され盆栽の認知度はヨーロッパ各地に広がり、盆栽愛好家や関係団体も増えていきました。さらに、70年後の1970年に開催された大阪万博会場でも日本の盆栽は、ヨーロッパ各地からの来訪者の間でも注目を集めました。

その結果、ヨーロッパの人々の間でも日本の盆栽文化が受け身近に入れられるようになったので、お部屋のインテリアや親しい人へのプレゼントとしても人気に拍車がかかりました。

人気がある理由

日本の盆栽がヨーロッパで人気がある主な理由は、2つあります。

一つは、性別を問わず幅広い年齢層に日本の盆栽が浸透しているため、盆栽愛好家や関心のある世代もお子さんから高齢者まで年齢層の幅が広いことです。

これらの多くは純粋な盆栽愛好家であるため、芸術作品として高い盆栽だけを買うのではく、自分に合ったレベルの盆栽を購入したり種や苗から盆栽を育てたりしながら“自分の盆栽”の成長や変化を毎日楽しんでいます。

例えば、ファションや芸術の国として有名なイタリアは、ヨーロッパの中でも日本の盆栽に人気がある国の一つです。イタリアの盆栽愛好家の中には、雄大は自然が小さな鉢の中に凝縮されている日本の盆栽に魅力を感じている人も多く、友人や知人に自分の育てた盆栽を披露するたにパーティーを開く愛好家もいます。

2つ目は、ヨーロッパの盆栽輸入販売業者が、日本の盆栽人気ブームに大きな影響をもたらしていることです。

ヨーロッパ各地にある日本の盆栽の展示施設は、愛好家や富裕層のコレクターの購買意欲を沸きたてたり、一般の人でも盆栽に関心をもったり、プレゼントしたり、ニーズが異なった多くの盆栽消費者に対応ができるような“仕掛け”があることです。そのため、現地の盆栽輸入販売業者によって、様々な盆栽消費者に対応できる盆栽ビジネスが成長しています。

ヨーロッパの盆栽市場

近年、ヨーロッパの盆栽市場は需要が期待されているので現地の盆栽輸入販売業者たちは、日本の盆栽生産者と協力しながら高度な技術や専門知識を持った盆栽愛好家や富裕層に対して、日本の高級盆栽の売り込みを積極的に行っています。一般の人や盆栽初心者に対する市場拡大も大事ですが、芸術性が高く評価されている高級な日本の盆栽は高値で取引されるため、ヨーロッパの盆栽市場を拡大していく上では、必要不可欠です。

さらに、日本の専門家や生産者がヨーロッパ各地で開催される盆栽講習会に講師として招かれ、盆栽の仕立て方や手入れの仕方、管理方法などを直接現地の愛好家に指導しています。このような講習会はいつも人気があり正しい盆栽の知識や情報を共有することができるので、新たな盆栽愛好家の増加も期待できます。

また、日本では、お子さん対象の盆栽教室はあまりないですが、ヨーロッパでは既にお子さんを対象とした教室も多数開催され、小さい頃から盆栽を親しむ機会が与えられています。このような講習会参加者の中には将来の盆栽愛好家や消費者が含まれているため、今後のヨーロッパの盆栽市場拡大に期待ができます。

今後の展望

今後、ヨーロッパで人気のある日本の盆栽は、愛好家や富裕層のコレクターが日本の盆栽を見るレベルが高くなり高級品を求める傾向があるので、今以上に芸術性が高い日本の盆栽の需要はヨーロッパでは増加していくことでしょう。また、近年は日本から輸出された盆栽だけでなくヨーロッパで生産された樹木や植物を使った“現地”の盆栽生産の取り組みも行われています。この取り組みにより日本の盆栽文化が現地で根付くことで、盆栽愛好家も増えることでしょう。

さらに、ヨーロッパでは、日本の盆栽をビジネスとして捉えている盆栽輸入販売業者の増加によって盆栽需要や活発な広報活動も期待できます。

日本の伝統文化の一つである日本の盆栽は、これらもヨーロッパの人々にその素晴らしさや魅力を伝えていくことでしょう。

盆栽展と盆栽大会の違い

日本の盆栽展と盆栽大会は、日本だけでなく海外でも人気があります。日本や世界各地の盆栽愛好家数の増加に伴い、盆栽展や盆栽大会も日本だけでなく世界各地でも開催されています。しかしながら、盆栽展と盆栽大会は異なります。それぞれの違いを理解して盆栽展や盆栽大会に参加することにより、日本の盆栽の素晴らしさを感じることができます。

昔から開催されてきた盆栽展

―盆栽展とは?

盆栽展は、一般的に素晴らしい数々の盆栽銘品が出展されている展示会が盆栽展です。伝統ある盆栽展は、高度な技術やレベルの高い盆栽の銘品が一同に展示されます。盆栽展では、展示されている盆栽の銘品、一点一点の素晴らしさや魅力を直接鑑賞することができます。

日本では盆栽大会より盆栽展の方が、歴史が長いです。日本各地で開催されている多くは盆栽展です。盆栽展の多くは、盆栽愛好家団体、盆栽関係の団体、あるいは盆栽生産者などによって開催されている盆栽展から少人数の盆栽愛好家による盆栽展まで、地理的にも北は北海道から南は沖縄まで開催されています。盆栽展は盆栽の種類や地域にもよりますが、主に秋から春先にかけて開催されています。春の花を楽しむ盆栽展、秋の紅葉の美しさを楽しむ盆栽展など、それぞれの盆栽にとって一番見どころの時期に全国で盆栽展は開催されています。

―盆栽展の魅力

盆栽展の一番の魅力は、他の盆栽愛好家の仕立てた盆栽の樹形や盆栽鉢などを直接鑑賞したり、見たり学んだりすることができることです。チャンスがあれば、作品の出展者と会話を楽しむこともできます。盆栽の経験年数などには関係なく、誰でも他の盆栽愛好家が仕立てた樹形や鉢の選び方等は、参考にしたいという思いがあります。しかも、盆栽展の多くは近隣で開催されることも多いので、盆栽展の会場にも足を運びやすく、情報も得やすいです。一般的に盆栽展は入場料が必要な場合もありますが、無料の盆栽展も多くあります。例え、有料であっても、比較的盆栽大会より入場料が安いです。

また、盆栽大会のように規模も比較的小さく、イベント的要素もあまりないですが、多くの盆栽展が開催されている会場では、盆栽の苗木、植木鉢、道具などが販売されているコーナーがあるので、直接専門家から指導やアドバイスを受ける機会もあります。また、盆栽展の規模に関係なく盆栽愛好家たちが集まってくるので、苗木や道具の選び方などを身近に教えてもらえたり、盆栽の情報を交換したり、交流をしたりできる場の役割も盆栽展にはあります。

―四季折々、日本各地で開催される盆栽展

日本で開催されている主な盆栽展として、1月には京都で小品の盆栽展である「雅風展」、2月になると日本で歴史ある盆栽展の国風盆栽展が東京の上の公園内にある東京都美術館で開催されます。この国風盆栽展は、来年の2月には第91回の盆栽展となります。3月は大阪で小品盆栽の「春雅展」が開催されます。

梅の花が咲く頃には、全国各地で梅の盆栽展が開催されます。例えば、岐阜県の長浜で毎年1月から3月まで開催される梅の盆栽展は歴史があります。長浜市内にあるメイン会場には、数百鉢の梅の盆栽が展示され、常に開花時期を迎えた梅の盆栽が展示されています。この梅の盆栽展は開催期間が長いので、全国から盆栽愛好家だけでなく梅の盆栽の観賞を楽しみにしている人達もこの盆栽展会場に訪れて、梅の花や盆栽を鑑賞しながら早春を楽しんでいます。

春先の皐月の花が咲く頃には、皐月の盆栽を中心とした盆栽展が全国各地で開催されます。また、盆栽生産が日本一である高松市では春と秋に盆栽展が開催されます。高松市が発祥である錦松の盆栽や銘品とされている盆栽も多数展示されているので、この時期になると盆栽愛好家が世界各地から集まってきます。

秋になると10月の終わりに東京で「秋雅展」、11月には京都で「日本盆栽大観展」などが開催されます。全国各地で開催される盆栽展の情報は、インターネットやSNSなどを通して、リアルタイムでこれらの盆栽展を楽しみにしている世界の盆栽愛好家の元に情報が届いているので、年々海外でも盆栽展も参加者が増加しています。

また、近年珍しい盆栽展として、オリーブで盆栽を仕立てた盆栽展や樹木が枯れてしまった盆栽を使用した「ドライ盆栽」の新しいモダン要素がある盆栽展も注目されています。

世界規模で開催される盆栽大会

盆栽大会は盆栽展とは異なり、世界規模で開催される盆栽の大会です。盆栽大会の一番の目的は、盆栽の作品の展示や鑑賞だけでなく、盆栽愛好家の交流、盆栽専門家による盆栽の講習会、盆栽をテーマとした様々なイベントなどがそれぞれの会場で開催されることです。このような盆栽大会は世界各地で開催されています。また、これらの盆栽大会は世界中の盆栽愛好家によって、国際親善、交流などが活発に行われ、日本の伝統文化の一つである盆栽の普及に貢献しています。

この盆栽大会は、海外で生まれたイベントスタイルの大会です。近年、盆栽は海外でも人気があり、愛好家も増加しているので盆栽大会は、主催者側だけでなく盆栽愛好家も中心となって開催されています。

初めの頃、盆栽大会は欧米各地で開催されるようになり、年々規模も大きくなってきました。1989年4月、さいたま市で開催された「世界盆栽大会」が日本で初めて開催された盆栽大会でした。この盆栽大会では、約1200人以上の国内外の盆栽愛好家がさいたま市の会場に集まりました。その後、オリンピックと同じ周期で4年に一度、海外の異なった国で開催されています。さいたま市で開催された後は、米国、韓国、ドイツ、プエルトリコ、そして中国の順に開催されてきております。

―28年ぶりにさいたま市で開催される世界盆栽大会

来年、2017年には、世界盆栽大会が28年ぶりに、再びさいたま市で開催される予定です。さいたま市で開催される世界盆栽大会は、メイン会場、サブ会場などに分かれて開催されます。また、海外から訪れる盆栽愛好家や関係者用の宿泊施設なども完備される予定です。このような世界盆栽大会は、一般的に登録料を払えば誰でも参加でき、メイン会場やサブ会場へは、シャトルバスなどが運行されるので、各会場への移動も便利です。

この盆栽世界大会には、世界各国から最高レベルの銘品と称されている盆栽だけでなく、現代の生活文化にもあった新しいタイプの盆栽作品も出店されるので、世界の盆栽愛好家だけでなく日本の人々にとっても期待されている盆栽大会です。この世界盆栽大会開催期間中は、盆栽の展示だけでなく、盆栽を中心とした様々な関係イベント、専門家による盆栽講習会、交流会なども予定されています。

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