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盆栽「展」と盆栽「大会」違いを知ってもっと盆栽を楽しもう!

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日本の盆栽展と盆栽大会は、日本だけでなく海外でも人気があります。日本や世界各地の盆栽愛好家数の増加に伴い、盆栽展や盆栽大会も日本だけでなく世界各地でも開催されています。しかしながら、盆栽展と盆栽大会は異なります。それぞれの違いを理解して盆栽展や盆栽大会に参加すると、より日本の盆栽の素晴らしさを感じることができます。

昔から開催されてきた盆栽展

―盆栽展とは?

盆栽展は、一般的に素晴らしい数々の盆栽銘品が出展されている展示会が盆栽展です。伝統ある盆栽展は、高度な技術やレベルの高い盆栽の銘品が一同に展示されます。盆栽展では、展示されている盆栽の銘品、1点1点の素晴らしさや魅力を直接観賞することができます。

日本の盆栽展には盆栽大会より長い歴史があります。日本各地で開催されている多くは盆栽展です。盆栽展の多くは、盆栽愛好家団体、盆栽関係の団体、あるいは盆栽生産者などによって開催されている盆栽展から少人数の盆栽愛好家による盆栽展まで、地理的にも北は北海道から南は沖縄まで開催されています。盆栽展は盆栽の種類や地域にもよりますが、主に秋から春先にかけて開催されています。春の花を楽しむ盆栽展、秋の紅葉の美しさを楽しむ盆栽展など、それぞれの盆栽にとって一番見どころの時期に全国で盆栽展は開催されています。

―盆栽展の魅力

盆栽展の一番の魅力は、ほかの盆栽愛好家の仕立てた盆栽の樹形や盆栽鉢などを直接観賞したり、見たり学んだりすることができることです。チャンスがあれば、作品の出展者との会話を楽しむこともできます。盆栽の経験年数などには関係なく、ほかの盆栽愛好家が仕立てた樹形や鉢の選び方などを参考にしたいという思いがある方もおられると思います。しかも、盆栽展の多くは近隣で開催されることも多いので、盆栽展の会場にも足を運びやすく、情報も得やすいです。一般的に盆栽展では入場料が必要な場合もありますが、無料の盆栽展も多くあります。しかし、有料であっても、盆栽大会よりは比較的入場料が安くなっています。

また、盆栽大会のように規模も比較的小さく、イベント的要素もあまりないですが、多くの盆栽展が開催されている会場では、盆栽の苗木、植木鉢、道具などが販売されているコーナーがあるので、直接専門家から指導やアドバイスを受ける機会もあります。また、盆栽展の規模に関係なく盆栽愛好家たちが集まってくるので、苗木や道具の選び方などを身近に教えてもらえたり、盆栽の情報を交換したり、交流をしたりできる場の役割も盆栽展にはあります。

―四季折々、日本各地で開催される盆栽展

日本で開催されている主な盆栽展として、1月には京都で小品の盆栽展である「雅風展」、2月になると日本で歴史ある盆栽展の国風盆栽展が東京の上の公園内にある東京都美術館で開催されます。この国風盆栽展は、来年の2月には第91回の盆栽展となります。3月は大阪で小品盆栽の「春雅展」が開催されます。

梅の花が咲く頃には、全国各地で梅の盆栽展が開催されます。例えば、岐阜県の長浜で毎年1月から3月まで開催される梅の盆栽展は歴史があります。長浜市内にあるメイン会場には、数百鉢の梅の盆栽が展示され、常に開花時期を迎えた梅の盆栽が展示されています。この梅の盆栽展は開催期間が長いので、全国から盆栽愛好家だけでなく梅の盆栽の観賞を楽しみにしている人達もこの盆栽展会場に訪れて、梅の花や盆栽を鑑賞しながら早春を楽しんでいます。

春先の皐月の花が咲く頃には、皐月の盆栽を中心とした盆栽展が全国各地で開催されます。また、盆栽生産が日本一である高松市では春と秋に盆栽展が開催されます。高松市が発祥である錦松の盆栽や銘品とされている盆栽も多数展示されているので、この時期になると盆栽愛好家が世界各地から集まってきます。

秋になると10月の終わりに東京で「秋雅展」、11月には京都で「日本盆栽大観展」などが開催されます。全国各地で開催される盆栽展の情報は、インターネットやSNSなどを通して、リアルタイムでこれらの盆栽展を楽しみにしている世界の盆栽愛好家の元に情報が届いているので、年々海外でも盆栽展も参加者が増加しています。

また、近年珍しい盆栽展として、オリーブで盆栽を仕立てた盆栽展や樹木が枯れてしまった盆栽を使用した「ドライ盆栽」の新しいモダン要素がある盆栽展も注目されています。

世界規模で開催される盆栽大会

盆栽大会は盆栽展とは異なり、世界規模で開催される盆栽の大会です。盆栽大会の一番の目的は、盆栽の作品の展示や観賞だけでなく、盆栽愛好家の交流、盆栽専門家による盆栽の講習会、盆栽をテーマとした様々なイベントなどがそれぞれの会場で開催されることです。このような盆栽大会は世界各地で開催されています。また、これらの盆栽大会は世界中の盆栽愛好家によって、国際親善、交流などが活発に行われ、日本の伝統文化のひとつである盆栽の普及にも貢献しています。

この盆栽大会は、海外で生まれたイベントスタイルの大会です。近年、盆栽は海外でも人気があり、愛好家も増加しているので盆栽大会は、主催者側だけでなく盆栽愛好家も中心となって開催されています。

初めの頃、盆栽大会は欧米各地で開催されるようになり、年々規模も大きくなってきました。1989年(平成元年)4月、さいたま市で開催された「世界盆栽大会」が日本で初めて開催された盆栽大会でした。この盆栽大会では、約1200人以上の国内外の盆栽愛好家がさいたま市の会場に集まりました。その後、オリンピックと同じ周期で4年に一度、海外の異なった国で開催されています。さいたま市で開催された後は、米国・韓国・ドイツ・プエルトリコ、そして中国の順に開催されてきています。

―28年ぶりにさいたま市で開催される世界盆栽大会

2017年(平成29年)4月すえには、28年ぶりに再びさいたま市で世界盆栽大会が開催されました。この世界盆栽大会は、メイン会場・サブ会場などに分かれて開催されました。

この盆栽世界大会には、世界各国から最高レベルの銘品と称されている盆栽だけでなく、現代の生活文化にもあった新しいタイプの盆栽作品も出店され、世界盆栽大会開催期間中には、盆栽の展示だけでなく、盆栽を中心としたさまざまな関係イベントや専門家による盆栽講習会、交流会なども行われました。

まとめ

盆栽展と盆栽大会は、それぞれ規模や目的などが“多少”異なりますが、盆栽を愛する愛好家にとっては、両方ともとても大切な存在です。盆栽に興味があってもなかなかはじめるチャンスがない人や盆栽初心者の人にとって、規模の大小にかかわらず全国各地で開催される盆栽展や盆栽大会会場を訪れ、展示されている多くの盆栽作品を観賞し、いろいろな人々と盆栽交流をすることは大事なことです。また、このような交流によって、盆栽との距離も近くなり、盆栽の楽しみ方も増えていきます。

日本では四季折々に盆栽展が各地で開催されているので、身近なところで開催されている盆栽展会場に足を運ぶことは、盆栽技術の上達や盆栽の素晴らしさを感じるよい機会となることでしょう。
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