あっさりなのにコクがある！和歌山ラーメンの魅力

和歌山ラーメンはスープの特徴から大きく2種類に分かれています。1つ目は醤油系。見た目は濃い茶色のスープながら、味はあっさりしているのが特徴。元々は、和歌山市内の中心地にあった路面電車の停車場にあった屋台で提供していた味だそう。

2つ目は豚骨醤油系。豚骨スープを合わせることでまろやかさが加わり、とろんとした甘みのある味わいになっています。和歌山市以外で和歌山ラーメンを食べるときは、この豚骨醤油スープが主流になっているようです。どちらのスープでもこってりしすぎず、胃もたれを気にせずあっさりと食べることができるそう。

麺はストレートの細麺。具材も、チャーシュー、かまぼこ、メンマ、ネギとシンプルなのが特徴です。ただ、かまぼこが和歌山の名物である梅の花の形をしているところが多いそう。目でも和歌山を感じることができますね。

和歌山ラーメンは、和歌山市内では大きく二つのエリアに店舗が集中しています。一つ目は、JR和歌山駅から観光名所の和歌山城までの、電車で3駅ほどのエリア。和歌山ラーメン発祥の地といわれ、新横浜ラーメン博物館にも出店している「井出商店」さんや、市内で複数店舗を構えるほど人気の「ラーメンまるい」さんなど、15店舗ほどが軒を連ねます。

二つ目は紀ノ川河口から和歌山港近くの広域エリア。18店舗ほどが出店しています。店舗が傾いていることで有名になり、和歌山では知らない人はいない！といわれる名店「まる豊」さんや、昔ながらの中華そば屋で有名な「マルキ中華そば」など、こちらも有名店が続々あります。

和歌山市内のお土産屋さんや高速道路のサービスエリアでは、有名な店舗の味を再現した和歌山ラーメンセットが販売されていたり、地方発送やお持ち帰り用の麺・スープを販売している店舗もあります。遠方から和歌山に遊びに行った方や、一度食べてその味の虜になってしまった方など、買いだめしていく方も多いそうですよ。

和歌山ラーメンのもう一つの特徴は、ラーメンの他に和歌山名物のサイドメニューが各店舗に用意されていることです。お支払いの方法も含めてご当地ならではの慣習なので、ご紹介します。

ラーメンをオーダーした後は、座ったテーブルの上やウォーターサーバーなどの横の共有テーブルに、ゆで卵、まき寿司、早寿司（はやずし）、おでん、どて焼きなどが用意されています。値段は50円から200円と大変お手頃。そしてここからがポイントですが、ラーメンを待っている間にセルフでこれらのサイドメニューを取り分けて食べることができます。もちろん何個とりわけしても大丈夫です。

早寿司とは、サバの押し寿司のことで、和歌山の特産品です。発酵させたサバをのせた熟れすし（なれすし）も和歌山の特産品として有名ですが、早寿司はそれに比べて一晩で完成するためそう呼ばれるようになったそう。伝統的にはお寿司をアセという葉っぱで巻いて作りますが、最近ではプラスチック製のものが主流になっています。

ラーメンと一緒にお寿司を食べる習慣は全国的にもかなり珍しいこと。もともと関西ではうどんと一緒にお寿司を食べる習慣があるので、それが派生した文化と言われています。ただし、メインメニューもサイドメニューも炭水化物中心なので、ダイエット中の方は注意が必要です。

サイドメニューとラーメンを食べ終えた後は、「中華そばと早すしを食べました」と自己申告するのが和歌山ラーメン屋さんの慣習。伝票がないなんて、和歌山県民のみなさんのお人柄が表れている慣習ですよね。和歌山ラーメンの麺の量は通常のラーメンに比べて少なめになっていますので、安心してサイドメニューも楽しむことができます。もちろん、麺多めの注文もできますよ。

ひとりじめ狸本舗は狸巻きのみを販売する狸巻き専門店です。
狸巻きは具だくさん。それぞれの具のもつ程よい甘みと甘みがマッチしていて、一度味わってしまったら何度でもリピートしたくなってしまいます。
厚焼きたまごには和歌山県産の卵を使用。厳選した国産の具材を大きめに揃えてたっぷりと巻いています。
柔らかな具材にパリッとしたきゅうりの歯ごたえが絶妙なバランスの一役に。

ひとりじめ狸本舗
■所在地
和歌山県有田郡 有田川町熊井 252-5
■営業時間
8:00～18:00
■定休日
月曜日
■電話番号
0737-52-7819

いかがでしたか？あっさりなのにコクがあり、具材もシンプルな和歌山ラーメン。
地元の人が呼ぶ通り、「中華そば」という命名がぴったりのまた食べたくなる味です。和歌山に遊びに行った際はぜひ和歌山名物の中華そばを食べてみてくださいね。サイドメニューで特産品の早寿司を試してみるのもお忘れなく。