盆栽

初めてのチャレンジ、赤松の盆栽のリフレッシュ

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赤松の盆栽の「リフレッシュ」はあまり聞き慣れないことかもしれません。
しかし、リフレッシュをすることにより樹の新陳代謝も良くなり、鉢合わせをしたり飾って観賞したりして、赤松の盆栽の新しい楽しみ方を見つけることができます。

リフレッシュが必要な“理由”

リフレッシュは人間だけでなく同じ生き物である盆栽も必要です。長年手入れをしていない盆栽は、新陳代謝も悪い状態に陥ったり、不必要な芽が先へと増える腕伸びをして樹形が乱れたり、古葉と新葉が混じっていたり、病害虫が発生したりしているものもあります。また、長い間放置された盆栽は、針金が外されていないので枝や幹などに食い込んでしまったりしているものもあります。

さらには、数年前に園芸店などで購入したままの状態の盆栽、家族(祖父)などが大事にしていた盆栽、友人などからプレゼントされた盆栽など、手入れの仕方が良く分からなかったり忙しくて手入れが出来なかったりした盆栽などは、再度手入れしてリフレッシュすることによって、再び美しい盆栽に甦えさせることができます。

園芸店などで素焼きの鉢に植えられた盆栽仕立ての鉢植えを購入した場合でも樹の魅力が引き立つ盆栽鉢に植えかえたりしただけでも新たな盆栽の魅力や美しさを楽しむことができます。

そのため赤松の盆栽は冬がリフレッシュの適期なので、この時期に盆栽のリフレッシュをすることをおすすめします。

リフレッシュをするための3つの作業

赤松の盆栽をリフレッシュするためには、「植えかえ」、「枝すかしと葉すかし」、「針金外し」の3つの主な作業が必要です。

* 植えかえ作業
長年放置されたままの松の盆栽は、根が鉢の中で詰まっているので植えかえにより、根と土の新陳代謝が良くなります。また、赤くなったりしている古い赤葉や枯れてしまった枝なども丁寧に取り除く「掃除」も一緒に行います。

植えかえに使う用土は通常の植えかえ用土と同じなので、赤玉土と桐生砂を6~7対4~3の割合で混ぜたものを使います。また、必要に応じで鹿沼土や腐葉土を少し混ぜたりすると土が固まりにくくなり、水はけも良くなります。

植えかえの手順は、最初に根株の周りにある鉢土を半分から7割位崩し、ハサミを使って根を半分位から7割位に切り詰めます。根を崩す際は、根の周りについている土を強引に取ろうとしたりすると必要な根まで傷めてしまうため、力を入れて無理やりひっぱったりしないで丁寧に時間をかけて根の土を取り除くことが大事です。

根の処理が終わったら用土を入れて植えかえをしますが、植え作業は盆栽のリフレッシュの役割も担っているので、出来るだけ丁寧に土入れ作業をして樹に負担がかからないように行います。

植えかえが終わってリフレッシュした赤松の盆栽は、最後に鉢土の上に苔張りをして化粧をします。盆栽用の苔は、盆栽店や園芸店などで手軽に購入することができます。苔張りをすると鉢土が落ちにくくなるので、室内での鑑賞をする際も土が落ちる心配がないです。

* 葉の掃除
赤松の盆栽の古くなって赤くなった赤葉をピンセットや指を使って取り除きます。その際、新しい新芽を痛めたりしないように注意をしながら根気よく丁寧に作業をします。

赤松の葉の掃除は、しただけでも盆栽をリフレッシュすることができるので、大事な作業の一つです。

* 「枝すかしと葉すかし」
長年放置していた赤松の盆栽の枝や葉は混み合っている状態になっているので、枝や葉をすかす作業をします。

最初に古葉を取り除き、上を向いている立ち枝は針金かけをして樹形を整えます。この針金かけの作業をすることにより陽当たりや風通しが悪かった部分が改善されるので、新しい新芽も出やすくなってきます。

葉すかしをする際は、2番芽が2芽になるように切り詰めます。また、前年度の6月に芽切りをしていない場合は葉の長さが異なるので葉の長さを揃え、樹形を乱している葉も切り詰めて揃えます。この作業によって、混み過ぎて重たい感じがした下部の枝の部分がすっきりとしてきます。

枝すかしは、立ち枝や枝の輪郭から飛び出している枝を切り詰めて整えます。

葉すかしと枝すかしをした赤松の盆栽は、樹形全体のバランスが良くなり、重たい感じがしていた下部もすっきりするので、上部とのバランスも良くなります。

* 針金外し
一般的に赤松を含めて松柏類盆栽は、針金かけがされているものが多いです。園芸店などで販売されている赤松の盆栽なども、針金がかけられたものが多いです。

針金がかけられている赤松の盆栽は、最初に針金切り専用のハサミを使って針金を取り除きます。しかし、長年放置されていると幹などに巻かれた針金は食い込んでいることが多いので、針金切りバサミが使えない場合があります。その場合は指を使って丁寧に外していきます。

針金を外す際は、針金がかけられている状態を良く観察して、指で押さえることができるポイント(位置)を最初に見つけます。そのポイントを片方の指で押さえてからもう片方の指を使って針金を丁寧にゆっくりと外していきます。

また、針金外しは、樹の上の部分に巻かれた細い針金の部分から外すことが基本です。針金を外す際は、他の枝や葉を傷めないように時間をかけて気持ちに余裕を持って行うことが大事です。

リフレッシュされた赤松の盆栽の楽しみ方

リフレッシュされた盆栽は赤松に限らず、新たな鉢合わせや飾って観賞する楽しみを味合うことができます。

* 鉢合わせを楽しむ
人間が髪型を変えた場合は、その髪型にあった洋服選びを楽しむことができます。同じように植えかえによってリフレッシュされた赤松の盆栽は、樹と調和する鉢合わせえを楽しむことができます。その楽しみ方も観賞する場所、季節、用途によって異なるので、楽しみ方も沢山あります。

また、リフレッシュされた赤松の盆栽を複数の盆栽鉢の中に置き、色々な角度から観察して、樹の魅力が一番引き立つ鉢を選びます。実際、色々な異なった盆栽鉢で試してみて、樹と鉢映りが調和するものを選びます。

* 飾って観賞を楽しむ
リフレッシュされた赤松の盆栽は、単品で飾って観賞することも楽しいですが、赤松の盆栽を引き立たせるために「添え」や「下草」などを使った飾り方も楽しいです。

例えば、赤松の盆栽を主木とした場合は、「添え」に実物盆栽、「下草」にシダ類のものなどを使った3点飾りがおすすめです。季節にもよりますが、冬の時期の「添え」として、赤い実がついている花物盆栽のピラカンサなどがあります。また、「下草」には、葉に優しさと柔らかさがあるコガネシダなどがあります。尚、3点飾りは不当辺三角形に飾ることが基本なので、「主木」となる赤松と「添え」のピラカンサが同じ直線状に並び、コガネシダはピラカンサと赤松双方を結ぶ位置に飾ります。また、葉の彩が同じ赤松とコガネシダだけの2点飾りも風情と趣があります。

さらに添えには盆栽や下草だけでなく、風情のある置物や季節感が感じられる野菜などを飾っても赤松の盆栽を楽しむことができるので、自分の好みや目的に合わせて色々な飾り方を楽しむことができます。

長年手入れがされていなかったり園芸店で購入したばかりの赤松の盆栽が身近にあったりしたら、盆栽のリフレッシュをして赤松の盆栽の新しい楽しみ方を見つけてみませんか。
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