プラバン

今更聞けない・・・プラ板とは?失敗しないコツとマストアイテム。

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プラバンとは?

クラフトの定番となって久しいプラバンですが、今から始める人にとってはどのようなものかピンとこないかもしれません。
プラバンは『プラスチックの板』の略で『プラバン』とも表記されます。クラフト用に使用されるプラスチックはポリスチレンまたはスチロール樹脂と呼ばれるものです。アクセサリーやキーホルダーなどの作成に使われるものは縮むタイプのプラバンで『延伸ポリスチレン』と呼ばれます。
工作のプラモデルやミニチュア作成にも使われるものはプラ=プレート、プラシートとして区別されています。本記事でも『プラバン』=『縮むタイプのプラバン』として説明していきます。
元来の大きさを薄く伸ばしてシート状にしているので、熱を加えると元の形に戻る特性があります。その特性を利用して、薄い状態の時にはさみなどで簡単にカットし、加熱によって元の丈夫な厚みに戻すのがプラバンです。『プラ板』や『プラパン』とも表記されます。

プラバンは大きく5種類に分かれます。

1 透明タイプ:両面に特に加工がない透明タイプのプラバンです。スタンダードで一番流通しているのがこのタイプです。約0.2mm〜0.5mm厚さにも種類があります。

2 やすりがけタイプ:片面にやすりがけされ、ざらざらしています。着色剤が接着しやすくなっておりこの面にクレヨンや色鉛筆などで着色します。

3 色付きタイプ:シートに色がついています。白・柄がプリントされているものも販売されています。表面はツルツルしているので油性ペンなどで柄を入れたりします。

4 蓄光タイプ:暗いところで淡く光る蓄光タイプのプラバンです。

5 印刷用タイプ:家庭用プリンターで印刷できるように加工されています。イラストを描くのが苦手でもハイクオリティーなものができます。また、写真をプリントできるのが印刷タイプの最大の特徴です。

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プラバンの作り方は?

基本的な流れとして、『描く』『カット』『加熱(縮む)』『形を整える』『冷ます』の5つの過程があります。着色のタイミングは使用するカラーリング素材によって加熱前と加熱後に変わります。

マストな材料は?

・オーブントースター(またはエンボスヒーター、オーブン機能付きのレンジ(通常のレンジ不可です))

・クッキングシートかアルミホイル:プラバンを縮ませるときに使います。プラバンを加熱すると一度丸まって平たく元の形に戻ります。この状態はとても熱くくっつきやすくなっています。クッキングシートとアルミホイル、どちらにもメリットとデメリットがあります。

・アルミホイル:クッキングシートに比べて安価で焦げることがないので半永久的に使えます。ただ、そのまま使うと加熱によって柔らかくなったプラバンがアルミホイルの表面にくっついてしまいます。一度丸めてくしゃくしゃにし、表面に凹凸を付けましょう。
ホイルとプラバンの間に隙間が沢山出来るので加熱直後でも簡単にホイルからはがすことができます。プラバンをまっすくするときにはアルミオイルから外します。そのまま圧をかけるとアルミホイルの凹凸面が表面に移ってしまいます。

・クッキングシート:メリットはプラバンがくっつかないので加熱直後の扱いが容易であることです。そのまま出し入れしてプレスすることもできます。一方ですぐに焦げてしまうので消費が激しいのがデメリットです。クッキングシートの下にアルミホイルを挟むと若干使用期間を延ばすことができます。

・はさみ:プラ板を切るときに使います。厚みがあるプラ板ははさみの向きを変えたり、はさみを最後まで閉じると亀裂が入ってしまうことがあります。
なるべく刃が薄く、切れ味の良い丈夫なものを用意しましょう。

・油性ペン
・もしくはポスカ:通常の水性ペンではプラ板の表面でインクがはじかれてしまいます。ポスカのような水性ペンであれば使用できます。

・本:プラ板を加熱して小さく縮めた後に、真っ直ぐする時に使います。表面に凹凸のない固いものであれば基本的に何でもできますが、素材によっては表面にくっつくこともあるので注意です。

・お箸やピンセット:プラ板の出し入れに使います。加熱直後はインクが不安定で写りやすいので、インクの付いていない端を挟むのに使います。もしくは基本的にプラ板をのせたままクッキングシートを出し入れすることもできますが、拾うときにあると便利です。
加熱時にはトラブル対策としても身近に置いておきましょう。

あったら便利な材料は?

エンボスヒーター:成形に少し失敗したときに熱を加えて微修正ができます。

レジンやニス:プラバンの表面のデザインを保護します。インクをむき出しにしておくより長持ちします。

穴あけパンチ:キーホルダーなどを作るときに金具につなげる穴を作ると気に使います。加熱前に穴をあけておきます。

除光液:油性ペンで絵を描いて失敗したときに重宝します。完全に乾く前にインクを使うと滲んでしまうので、しっかり乾燥させてから作業を再開します。

どれくらい縮むの?

プラバンは加熱して縮んで厚みが出ます。大体加熱前に比べて1/4〜1/5のサイズになります。個体差はありますが、縦より横の方がよく縮みますので、実際に作る前に正方形や円形を描いてみてどの程度縮むのか把握しておくとよいでしょう。

また、加熱時の設定温度が低いと左右の収縮率に差が出やすいようです。使用するプラバンの説明書に従ってそれぞれのシートにあった温度で作業をするとベストな結果が得られるでしょう。

ちなみに・・・オーブントースターはしっかり予熱しましょう!しっかり温まっていない段階で入れると、均等に熱が伝わらないため綺麗に縮みません。

着色のタイミングって?

多くのものでカラーリングができるプラ板ですが、材料によってタイミングが異なります。

加熱前

ポスカ:アニメのようなポップな色付けができます。

油性ペン:なるべく細いものが繊細なラインを表現できます。色を埋める場合は太いもので塗りつぶすのもよいでしょう。

パステル・クレヨン・色鉛筆:やすりがけタイプのプラ板のざらざらした面に最適です。ツルツルしている方の面だと色が定着しません。自分でやすりで傷をつけることもできます。淡いやわらかい雰囲気に仕上がります。

加熱後

アクリル絵の具:乾燥後は水にも強く、発色もよいです。加熱後のポスカのような仕上がりになります。加熱前にポスカで塗るには広範囲と思われる部分に、加熱後に使用するとよいでしょう。

レジン:レジンに色を付けて仕上げることができます。

マニキュア:表面がツルツルしているとはがれやすいので、やすりがけをした面に使いましょう。

最後に

プラバンが丸まって縮んでいくのは少し焦ってしまいますが、大丈夫です。
思ったよりもすぐに縮んで落ち着くので途中で取り出さないように気を付けましょう。プラバンといっても紹介したように様々な種類があるのでそれぞれの特徴をつかんで楽しく始めてみましょう。

監修:ポピー
刺繍を機に手芸に目覚める。『作れそうなものは作ってみる』という精神でUVレジン、プラバン、裁縫、編み物、ビーズ、ミニ革細工、ドールハウスやミニ家具などの簡単木工DIYを浅く広く探求して15年。複数の手芸を掛け合わせたり素材を組み合わせながら自宅を飾っていくのが趣味。
海外のDIYトレンドを参考にすることも多い。日本と欧米の手芸における常識やテクニックの違いなどを検証しつつ多くの方法を共有していく。
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