垂れ耳が可愛い「スコティッシュフォールド」は温厚な甘えん坊さん

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スコティッシュフォールドは、顔の前面に折れた小さな耳が可愛いイギリス原産の猫種です。
1960年頃にスコットランドで発見された突然変異の白い猫が祖先だとされています。最初に交配が行われたのはスコットランドですが、後に子孫がアメリカへ輸出され品種改良が行われました。それから、アメリカンショートヘアなど数種類との交配を経て、遺伝的異常の影響を小さくすることに成功し安定していったそうです。
スコティッシュフォールドという品種名で登録されたのは1994年。正式登録されてからの歴史は浅いですが、近年ではとても人気が高い猫種です。
顔と目がまんまるで小さい垂れ耳の容姿と、人懐こく温厚な性格で、日本人の心をがっちり掴みました。

虜になる愛猫家が急増しているスコティッシュフォールドの魅力と、育て方のポイントについてご紹介します。

スコティッシュフォールドの特徴と性格について

◇長毛種と短毛種の2種類が存在する

アメリカでの交配過程で短毛種の血が多く混じっているので、スコティッシュフォールドの多くは短毛種です。
原種の猫が白い長毛だったため、近年でも低い確率で長毛のスコティッシュフォールドが生まれることもあります。長毛種の遺伝を濃く受け継いで生まれる個体(ハイランドフォールド)は非常にレアですが、セミロングの子猫であれば日本のブリーダーから迎えることも十分可能です。
ボディタイプは、がっしりとした筋肉質のセミコビー。成猫の標準体重は2.7kg〜6kg程度で、オスの方が大きく育ちます。平均寿命は10歳〜13歳くらいです。

◇折れ耳の特徴と種類

小さく折れた耳は、スコティッシュフォールド最大の特徴です。でも、実は折れ耳個体が生まれる確率は全体の3割程度。
生後間もない子猫は全て立ち耳だそうです。生後1か月ほどで耳が折れてくるのですが、折れ方にも個体差があります。
また、1度折れた耳が再び立ち上がることもあるそうです。折れ耳は突然変異の遺伝によるものなので、子猫の成長過程で変わる可能性があるということを覚えておきましょう。耳の折れ方は、シングルフォールド・ダブルフォールド・トリプルフォールドに分けられ、トリプルが最も強くなります。

◇穏やかで人懐こく甘えん坊!環境の変化にも強い

スコティッシュフォールドは、穏やかで人懐こく甘えん坊な性格の飼いやすい猫です。
おおらかでおっとりしており、家庭環境や対人関係の変化に対して無理なく順応できます。人が大好きな子が多く、飼い主はもちろん、他人とも仲良く過ごせる飼いやすい猫種です。
子供や他のペットとも上手に付き合うことができるので、初めて猫を迎える人にもおすすめ。スコティッシュフォールドはとても家庭的なので、新しい家族の一員としてすんなり馴染むことができます。好奇心旺盛な一面もありますが、問題行動を起こすことは少ないようです。
鳴き声が小さいので近所迷惑になりづらく、マンションなど集合住宅での飼育にも向いています。

足への負担が少ない飼育環境で育て遺伝性疾患を緩和

◇先天的な遺伝性疾患について

スコティッシュフォールドには、軟骨が形成異常を起こす「骨瘤」という遺伝性疾患を発症する個体が高い確率で生まれます。
特徴的な折れ耳は遺伝による奇形を残したものです。両親が折れ耳だった場合は骨瘤を発症するリスクが非常に高くなります。骨瘤ができた場所には強い痛みがあり、悪化すれば歩行困難になることも珍しくありません。遺伝性の内臓疾患を発症することもあるので、折れ耳の子猫を迎える場合は、将来的に遺伝性疾患を発症する可能性が高いことを強く認識してください。成長した後も耳が立っているタイプの子は、遺伝性疾患の発症リスクが少ないとされています。健康面を優先させる場合は、立ち耳のスコティッシュフォールドの方がおすすめです。

◇可愛い「スコ座り」は痛みを軽減するための体勢?

スコティッシュフォールドは「スコ座り」という座り方をする子が多く見られます。
人間のように足を前に投げ出し、背筋を立てて座る様子はとても可愛いですよね。一般的な猫がスコ座りをするのは、お腹や股のお手入れをするときが多いようです。しかし、スコティッシュフォールドがこの座り方をするのは、関節の痛みを軽減するためなのではないかと考えられています。
はっきりとは分かっていませんが、関節に負担がかかりづらい体勢であるのは確かなようです。スコ座りが多く不自然な歩行をしているなら関節に異常が出ている可能性が高いので、早めに動物病院を受診しましょう。

◇足に負担のかからない環境と低カロリーな食事で育てる

毎日の運動量は少なめですが、飼育環境は足に負担がかからないように工夫してあげましょう。
キャットタワーを設置する場合は低めのものを選び、段差が大きい場所には座布団やマットを敷いておきます。フローリングなどの滑りやすい床は、カーペットなどで歩きやすく工夫してください。運動が苦手な子が多く太りやすいので、成猫に成長した後は低カロリーな食事がおすすめです。肥満による影響で関節への負担が大きくならないように、食事管理で適正体重を維持するように心がけます。

スコティッシュフォールドは「垂れ耳が可愛い猫」というイメージが強いですが、立ち耳タイプの子も愛くるしい魅力にあふれています。ショーキャットとして育てるなら折れ耳を優先させなければ不利になりますが、家庭猫として迎える場合は特にこだわらないという人も増えてきています。
丸みを帯びた顔立ちと人懐こい性格が可愛いスコティッシュフォールドと一緒に暮らしてみませんか?

監修:ソラノアンジュ

愛するペットと暮らす充実した幸せな人生。その素晴らしさをたくさんの人に伝えたくて、ペットライターの道を選びました。
長年の執筆経験で得た情報を元に、あなたの可愛いパートナーを探すお手伝いができれば幸いです。
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