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ハリネズミを飼う人が急増中!ペットとして迎えるときの育て方は?

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ハリネズミは、針に覆われた体が特徴的な夜行性の小動物です。
ネズミという名前がついていますが、げっ歯類ではありません。ハリネズミ科ハリネズミ亜科の哺乳類で、最も近縁なのはモグラです。
トゲトゲまん丸のユニークなボディでチョコチョコ動く仕草が可愛いので、ペットとして飼う人が急増しています。日本で飼育可能なのはピグミーヘッジホックという種類で、和名は「ヨツユビハリネズミ」。
ペットとしての歴史は浅いですが、人に慣れると様々な表情や可愛らしい動きを見せてくれるようになります。

小さな体とつぶらな瞳が可愛いハリネズミの魅力と、育て方のポイントについてまとめてみました。

ハリネズミの生態と特徴について

◇夜行性で暑さや寒さに弱い体質!冬眠や夏眠には要注意

ハリネズミは夜行性で、日中はほとんど寝て過ごします。
活動的になるのは21時以降なので、日中家を空けることが多い人でも飼いやすいペットと言えるでしょう。でも、体温調節が苦手で適正温度の幅が狭いので、室温管理は徹底しなければなりません。
適温は24度〜29度・湿度は40%以下。ハリネズミは、20度以下で冬眠・30度以上で夏眠に入ってしまいます。この状態は「仮死」と同じで、命に関わる危険な状態です。
飼育温度を適温までゆっくり戻し、回復したら動物病院を受診しましょう。販売価格は1万円〜4万円が相場。飼育下での体重は450g〜700g程度ですが、個体によって差が出ることが多く300g以下になることもあります。平均寿命は6歳〜10歳くらいです。

◇ハリネズミ特有の行動「泡つけ」について

ハリネズミは未知の臭いを感じ取ると「泡つけ」という行動をする習性があります。
香油塗り・アンティングとも呼ばれており、他の動物には見られない習性です。対象の物質を舐めたり齧ったりしてから自分の唾液と混ぜ合わせ、口から泡状にして出しながら舌を使って背中や脇腹に塗り付けます。体をよじるように無理な体勢で行うので、初めて見て驚いてしまう人も多いようです。
なぜ泡つけを行うのかは、まだはっきりと解明されていません。知らない物の臭いを体に付けることで、自分の身を守っているのではないかという考えが多いようです。
かなり不自然な動きをしますが、病気ではないので安心してください。

◇警戒心が強く臆病な性格!人に慣らすのは難しい?

背中にびっしり生えている針は、外敵から身を守る鎧のようなもの。ハリネズミは、見た目通り警戒心が強く臆病な性格です。
そのため、新しい環境に迎えてすぐには人に慣れません。触ろうとすると、頭から背中側の全面に鋭い針を立て、警戒心を剥きだしにしてしまいます。
針は爪と同じ成分のケラチンでできていて硬質です。触れると痛いので気を付けましょう。
ハリネズミは、犬や猫のように人懐っこく甘えたりしませんが、人に慣れさせることは可能です。強固な警戒心を解くことに成功すれば、針を立てない状態で手の上に乗せることもできるようになります。
ハリネズミは人の言葉を理解できませんが、嗅覚と聴力は非常に優れています。その感覚を使って飼い主を覚え「安全な対象」だと判断すれば、可愛い姿や仕草を見ながらスキンシンプを楽しむことも可能です。
感情が顔に現われて表情豊かなので、見ているだけでも癒されます。

ハリネズミの習性を理解するのが上手に育てるポイント

◇多頭飼いは厳禁!静かな環境で単独飼育が原則

ハリネズミは単独生活を行う動物なので、必ず1匹のみで飼育します。
おすすめの飼育施設は、60cm×90cmくらいのステンレス製ケージ。手の平サイズの小さなペットですが、大きめのものを用意します。敷材は、ウッドチップ・コーンリター(トウモロコシの穂軸)・ハリネズミリター(ハリネズミ専用の紙材)など。ケージ内には、餌入れ・水入れ・回し車・寝床を設置しましょう。トイレの場所を覚えさせたいなら、小さな容器に専用砂を入れて設置します。ケージは日光の当たらない静かな場所に置きましょう。
外からの音や振動にも強く反応するので、ドアの側や窓際も避けてください。

◇餌はハリネズミ専用フードが便利

ハリネズミは肉食性なので、野生では昆虫やミミズなどを食べて生きています。
しかし、ペットとして飼う際は生餌だけで育てるのは困難なケースが多いようです。近年はハリネズミ専用フードが販売されていますので、積極的に利用しましょう。ハリネズミは意外にもグルメな個体が多いので、同じ食事ばかりでは飽きてしまうことが多いようです。数種類の専用フードを用意し、ときどきミルワームなどの生餌も与えましょう。人参やリンゴなどもおやつに適しています。

◇慣れさせるときは少しずつ距離を縮めていく

警戒心が強く臆病なハリネズミは、犬や猫のようにすぐ触ってはいけません。まずは、飼育環境に慣れさせることから始めます。最低でも数日は体に触れないように注意しながら餌の補充や掃除などの世話だけで我慢しましょう。飼育環境に慣れてきたら、次のステップに進みます。
ハリネズミのケージに手を入れる前は、無香料の石鹸で洗っておきましょう。臭いに敏感なので、毎回同じ状態にして「飼い主の臭い」として覚えさせます。ケージ中に手を入れ動かさずに待つことから始めてください。個体差がありますが、慣れるまで半年から1年くらいかかるケースが多いようです。
この段階では、絶対に無理やり触ってはいけません。手に寄ってくるようになったら、割り箸などで餌を与え、少しずつ慣れさせていきましょう。

ハリネズミは背中側が針に覆われていますが、おなか側はふわふわです。慣れると餌を求めて手の中に乗ってくれるので、柔らかい手触りを楽しむことができますよ。寝床から出てくるようになると、ハリネズミ独特の愛らしい仕草や表情を見せてくれるようになります。

監修:ソラノアンジュ

愛するペットと暮らす充実した幸せな人生。その素晴らしさをたくさんの人に伝えたくて、ペットライターの道を選びました。
長年の執筆経験で得た情報を元に、あなたの可愛いパートナーを探すお手伝いができれば幸いです。
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