ガーデニング

育苗を失敗しにくくするコツ。育苗におすすめの土と管理法

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種や挿し穂を育てて苗にすることを「育苗」と言います。

セルトレーやポリポットに種を少しずつまいて、ある程度の大きさまで育てる場合も、苗床にパラパラ種をまいて育てる場合も、ともに育苗になります。
これから育てる場所に直接種まきしても、苗と呼べる大きさまで育てることは、育苗と言えるでしょう。
種ではなく、挿し穂を挿し木して根付くまで育てることも、苗を育てることなので育苗になります。

育苗」とひとくくりにしても、いろいろありますね。
育苗する上で、注意するべき点、失敗しにくくするコツをご紹介していきましょう。

育苗におすすめの土は殺菌済みの土

育苗するときに使うのにピッタリの土はどんな土でしょうか。
種も挿し穂も、栽培開始からある程度育つまでの間は肥料分を必要としません。
種も挿し穂も、デリケートなので、細菌などにすぐに負けてしまいます。

育苗するときに使う土は、肥料分の入っていない清潔な土を使うようにします。
種まき用土は殺菌済みで肥料分が配合されていないのですぐに使えます。
バーミキュライトやパーライトは、原料を加工時に1000℃に加熱するので、殺菌されています。
赤玉土鹿沼土は、加工時に殺菌乾燥されています。

種まき用土・バーミキュライト・パーライト・赤玉土鹿沼土などは肥料分が入っていないし殺菌済みなので、そのままでも使える便利な育苗にピッタリの土になります。

肥料分が入っていないものの、殺菌済みではない土を使って育苗する場合は、熱湯を2度ほどかけて殺菌するか、少量であれば水で濡らしてから電子レンジで加熱殺菌するなどして殺菌してから使うと安心です。
川砂や軽石、ココピートやピートモスなど、殺菌済みのものもそうでないものも市販されているので、殺菌済みでないなら殺菌処理して使うようにしましょう。

発芽率アップにはひとつのセルに複数の種をまく

セルトレーやポリポットに種まきするとき、1区画にまく種は1粒ずつではなく大体3粒ずつにします。
種は、近くに他の種がある方が、発芽率が良くなる習性があります。
このため、1区画に3粒ずつほど種まきして、ある程度育ったら、育ちがいいのを1つだけ残して育てます。

種まきする前に用土は予め湿らせておきます。
種が大きい場合、植え付け後に上から水やりしても構いませんが、小さい場合は種まき後に上から水やりすると種が隅に流れてしまいます。
種が流れて寄り固まったりしないように、予め湿らせておいて、発芽するまでは鉢底に水をためて水切れしないようにする「底面給水」で水管理をします。

種の発芽率は100%ではなく、保管期間が長くなればなるほど発芽率が下がります。
種はなるべく新しいものを用意して、種まきした残りの種は、冷蔵庫に入れて保存しましょう。
高温で保存している方が発芽率の低下が激しくなるので、発芽率の低下を遅らせるために冷蔵保存します。

挿し木の育苗は水切りして発根剤をつけて

挿し木で育苗するとき、苗床の土は予め湿られておいてから、挿し穂を挿していきますが、挿し穂の先端はできるだけ鋭い清潔な刃物でカットしておきましょう。
空気中でカットするのではなく、水中でカットする「水切り」を行うことで、より水揚げが進みやすくなり、成功率が高くなります。

切り口の先端に、メネデールなどの発根剤をつけておくことで、更に成功しやすくなります。

苗の切り口ができるだけダメージを受けにくいように、苗床には棒で穴を開けて、その穴に挿し穂をそっと差し込み、土を軽く押さえて固着させるようにします。

バラのように、水揚げが難しい植物を挿し木するときは、水切りではなく「湯切り」を行うと水揚げがよりうまくいきます。
湯切りは、熱湯に枝先を1~2分つけてから、水に移して、水の中で枝先を少し切落して行います。
挿し木は、水揚げが上手く行っているなるべく新鮮な枝を用いないとうまくいきません。
水揚げが難しい植物に関しては湯切りをした上で発根剤をつけておいても、成功率は100%ではありません。
挿し木がうまくいきにくい場合は多めに挿し木しておき、ひとつでもついたら良しと考えます。

ある程度育つまでは底面給水で

種まきしたものも、挿し木したものも、ある程度育ってくるまでは水切れしないように、鉢皿に水をためておく「底面給水」で管理していきます。
種の上に土をまくかまかないか、どの程度の土が上に来るようにするかは植物ごとに違います。

種まきする前に、種を水に半日ほど浸けておいてから種をまいたほうが、発芽率が高くなるものもあります。
種の殻が固い場合、殻を傷つけたり軽く割っておいたりしてから種まきするものもあります。

挿し木したものは、挿し木がうまくいかない場合は黒ずんできて枯れたようになるので、取り除き、芽が出て成長してきたものを育てていきます。
しっかり成長して挿し穂がグラグラしなくなるまでは、底面給水で土が乾かないように気をつけます。

ある程度育ってきて、個別の鉢で育てる場合、苗を苗床から引っこ抜いて移植しようとすると、せっかく育てた根にダメージを与えてしまいます。
セルトレーの場合は下から押し上げて、ポットは苗を炒めないようにひっくり返しながらポットを外して、苗床の場合は多めの土と一緒に掘り上げて、新しい土に植え替えます。
肥料は植え替えてから与えるようにします。

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