景勝地

天龍寺を参拝して季節を感じよう 冬には水墨画のような雪景色も

関連キーワード

天龍寺を参拝して季節を感じよう 冬には水墨画のような雪景色も

「古都京都の文化財」として世界遺産にも登録されている天龍寺。人気の観光地である嵐山に位置し、京都五山制度では一位に制定されるほど格式の高い天龍寺には、雲竜図や曹源池庭園など、見どころもたくさんあります。今回はそんな天龍寺の見どころや歴史を紹介していきましょう。

後醍醐天皇の菩提を弔うために創建

天龍寺は後醍醐天皇の菩提をとむらう目的で、足利尊氏により1339年に創建された禅寺です。当時、足利尊氏は建武の新政を行っていた後醍醐天皇に反旗をひるがえしており、両者は言わばかたき同士という関係にありました。しかし1388年に尊氏が征夷大将軍に任命された翌年、後醍醐天皇が崩御すると、禅僧である夢窓疎石の強いすすめにより、尊氏は天龍寺の創建に取りかかるようになります。この時天龍寺を建設するための資金調達のために、元寇(文永・弘安の役)以来途絶えていた元との貿易が再開され、「天龍寺船」という貿易船も誕生しています。

その後1345年に落慶した天龍寺は、長い間京都五山の一位に位置づけられることとなります。それからというもの、文安の火災や応仁の乱などにより、天龍寺は幾度となく火災に見舞われることとなりましたが、被害を受けた法堂をはじめ再建が進められ、1935年には現在の姿に至りました。

雲竜図や曹源池庭園など見どころ盛りだくさんな天龍寺

(写真提供 インスタグラムID:0kaharu)


天龍寺と言えば巨大な雲竜図を思い浮かべる方も少なくはないかもしれません。日本画家加山又造画伯の手で天龍寺法堂の天井に描かれた雲竜図は、土曜・日曜・祝日のほか、春・夏・秋の特別拝観期間のみの拝観となる貴重なもので、一度目にすると忘れられない迫力と雄大さがあります。描かれている龍は「八方睨みの龍」と呼ばれており、その名の通り何処から見ても睨まれているような不思議な感覚が味わえます。

約700年前に夢窓疎石が作庭した当時の面影をとどめている曹源池庭園も天龍寺の見どころのひとつです。曹源池庭園は亀山と嵐山を借景にした池泉回遊式庭園で、日本で最初に史跡・特別名勝指定された庭園でもあります。
秋から冬にかけての庭園では、移りゆく季節の装いの美しさに心をうばわれるようです。

通常、観光客でにぎわっている天龍寺ですが、冬になると積雪や寒さが厳しくなることもあり、他の季節にはない静けさが感じられます。また、庭園一帯が雪化粧をまとい、まるで水墨画のような美しく神秘的な光景を見ることができるのも天龍寺の冬ならではの魅力と言えるでしょう。

おごそかな雰囲気が広がる冬の天龍寺を観に行こう

いかがでしたか? 天龍寺には1年中多くの観光客が訪れていますが、雪化粧で彩られた水墨画のような絶景を楽しめるのは冬だけです。寒さは厳しくはありますが、ぜひ冬の天龍寺へ足を運んでみてください。


天龍寺
住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
電話:075-881-1235(8:30~17:30)
拝観時間:8:30~17:30(10月21日~3月20日は8:30~17:00)
公式HP:http://www.tenryuji.com/index.html
  • Facebook
  • Twitter
  • hatena

    ▲ページトップ